まだ関連討論会で発言が出たくらいの段階ですが、ユン大統領が半導体関連討論会で「622兆ウォンの投資で世界最大の半導体メガ・クラスター（工業団地）を造成する」と発言しました。主に保守系メディアは大いに評価していますが、他は「民間からの投資のことで、国が投資するという話ではない」と報じています。2047年まで622兆ウォンの民間投資というのは詳しくどういう基準で策定されたのか、いまのところは現実味がないのではないか、電気料金が原価未満だと言われているのに電気料金関連はどうするのか、水源はどうするのか（半導体関連施設には水源が必要です）など、いろいろ指摘されていますが、とりあえず半導体メガクラスターは結構な話題になっています。
そんな中、個人的に一つ気になる部分がありました。すべての記事を読んでみたわけではないので「あくまで私が読んだ記事に限って」ということになりますが、「日本、米国、台湾」に対抗するためのものだから大いに歓迎できるという論調の記事は多いけど、「中国」という字が入っている関連記事はありません。例えば毎日経済は「日米台と真っ向勝負（原文では『真正面から対応』）」「日米台と競争できるようになった」としながら、業界も歓迎しているという記事を載せていますが、記事に中国という字は出てきません。なんか、心理というか、なんというか、そんなところでしょう。以下、＜＜～＞＞で引用してみます。
＜＜・・ユン大統領が民生討論会で「半導体産業中興」を取り出し、業界が歓迎した。米国・日本・台湾と競争できる足場を設けることになったという評価だ。15日、半導体業界では政府の投資税額控除延長と対象技術拡大の方針にいっせいに好評を出した・・・・特に米国・日本・台湾が莫大な補助金をかけて半導体産業を守っているという点を力説した。米国はグローバル半導体サプライチェーンを再編し、日本はＴＳＭＣ工場に最大4760億円を支援することにした。台湾は賴清德政権が発足し、半導体企業支援が続く見通しだ（毎日経済）・・＞＞
他の記事も結構読んでみましたが、中国関連の記述はありませんでした。さて、この半導体メガクラスター（計画）に対する評判は、先も書きましたがメディアによってはっきり二つにわかれていますが、個人的にはオーマイニュースが指摘している「世界的な流れにそぐわないやり方」が印象的でした。日本もそうですが、米国、台湾もまた、半導体パブを1箇所に集めるのではなく、各地に分散しています。1箇所に集めるとどうしてもリスクが高くなるからです。この部分を引用して終わりにします。
＜＜・・産業部は（※関連した）報道資料で「半導体産業は国家対抗の形で展開中」とし、私たちもクラスターに集中しなければならないと主張しました。そして、日本、台湾、アメリカ、ドイツなどを例に挙げました。果たしてそれらの国家は半導体ファブ（※製造施設）と関連産業を一箇所に集めてクラスターを作っているのでしょうか？ 産業部は日本について「熊本県を半導体産業再建クラスターとして造成」していると言いました・・・・（※それは事実）ですが、アメリカ企業マイクロンは200km以上離れた広島にあります。ラピダスは熊本から2200km以上離れた北海道にあります。
台湾TSMCだけでも、台湾でファブを一箇所集めず新州、台中、台南、高雄などに分散させました。産業部のアメリカ関連説明には、少し笑ってしまいました。「米国は、設計から製造へ、全国土のクラスター化を推進している」です。じゃ私たちも米国のように全国土のクラスタ化を推進すればいいでしょうに。実際、ほとんどの半導体製造国は、半導体ファブを最大限に分散させる傾向にあります・・
・・世界最大のクラスターをつくるというのは、聞くだけだともっともらしいけど、自然災害や軍事リスク、大型事故が発生した場合、とてもリスクが高いやり方です。首都圏集中への懸念と、地域バランス発展などの問題に関する批判を防ぐための「世界最大のクラスター」ではないでしょうか。産業部は2037年以来、湖南地域（※全羅道あたり）で再生可能エネルギー関連計画を立て、不足した電力を供給すると言いました。湖南で生産される再生エネルギーを首都圏まで送るより、半導体ファブを湖南に作ればいいのではないでしょうか（オーマイニュース）・・＞＞
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