韓国有識者団体「私たちは日本の常任理事国入りに反対しているが、日本は韓国のG7入りに賛成してくれるだろう」

有名政治家も少なからず加入している韓国の知識人・専門家団体「リセットコリア」の運営委員が、今年中にG9(G7プラス、G7の拡大枠)に加入すべきだと主張しました。そうしないと、トランプ政権に備えることができないという主張です。中央日報、同紙日本語版だけでなく、同紙系列の英文紙「コリア中央デイリー」にも載っています。一時、G8という言葉が有名でした。パクジン外交部長官(外相)が、各国大使本と「G8!」としながら乾杯したりしました。

しかし、それから国際社会に、たとえばG7首脳会議などでG7拡大関連議論は無く、一部のメディアが「なぜ議題にならないのか」と疑問を提起したりしました。それからも、本ブログで紹介してないだけで、G7プラス、G9(オーストラリアも含めて)などの表現でこの件がずっとニュースになってきましたが・・前にも関連エントリーに同じ趣旨を書いた記憶がありますが、『そもそも、なんでG8(G9)になろうとしているのか』について書いている記事はありませんでした。『私たちには十分その資格がある』以外は。

 

そんな中、今回の寄稿文には珍しく『加入理由』が書いてありますが・・それは、G7にはトランプ大統領も強く出ることができないから、トランプ政権になる前にG9に加入しないといけない、そのために米国・日本を説得しよう、というのです。寄稿文は「G7は同じ価値観を持っいる仲間だと認識されているからだ」としています。「ドイツ・日本などG7国家もトランプ大統領の各種圧力から自由ではなかったが、韓国とは異なり、トランプ大統領もそれらの国に対してはそこまで強く出ることができなかった。それは、米国国民がG7国家は経済と安全保障の運命共同体「インナーグループ」と認識しているためだ」、と。

すなわち価値観の話ですが、トランプ政権が~という理由でG9加入しようと主張するのは、はたしてそれらの価値観にふさわしいものでしょうか。本エントリーでは、寄稿文の中から、特に日本関連の部分をメインに引用してみます(<<~>>の部分)。「私たちは日本の安保理常任理事国入りに反対しているけど、説明すれば日本は韓国のG9入りに賛成するだろう」など、いつもの展開です。ちなみに、この寄稿文を書いた人、なんの専門家だ・・と思ってよく読んでみたら、小さな字で書いてありました。作家だそうです。運営委員とはいえ、こんなテーマで作家が前に出るのはどうかな、と。

 

<<・・したがって韓国は、トランプ政権(※原文ではよびすて、日本語版はトランプ氏になっています)が自身の治績である日米韓協議をそこなうのではないかと心配しているバイデン大統領を説得し、彼の任期中にG9入りを実現させなければいけない。ユン大統領のウクライナ訪問で西欧も韓国を戦略的中枢国家だと認識するようになっただけでなく、韓国の防衛産業と半導体、バッテリーなどの先端技術が持つ魅力が本当に大きいため、バイデン大統領が積極的に動けば、G9入りは可能だ。特に日本の同意が重要だが、韓国は日本の安保理常任理事国進出に反対の見解を示してきただけに、先に日本国民の感情を解消しなければいけない。

全体主義国家に囲まれた韓国になにかあれば、次は日本になるしかないという点を強調するとともに、フランス・英国のように日韓の間に海底トンネル建設を正式に提案してみるのもいいだろう。G9加入は首脳による決定であるため、日本・米国両首脳との関係が良い今が適切な時期であるのはいうまでもない。また、豊富な資源の経済大国であるうえ、台湾選挙の結果による中国リスクでも戦略的重要性が高まったオーストラリアと綿密に連携してシナジー効果を高めれば、バイデン大統領をはじめとする首脳たちを、両国の加入を迅速に決定するよう動かすことも可能だ。トランプ政権の4年より、バイデン政権の残り10カ月のほうが、私たちとしてはずっと有利であるために、政府は急いでタスクフォースを構成、推進することを望む(中央日報)・・>>

 

 

拙著の一部が、「プレジデントオンライン」に掲載されました。その1その2です。主に、少子化関連の内容です。よろしければ、ぜひお読みください。コメントは、本エントリーのコメント欄をご利用ください。
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