韓国では、なにか社会問題があれば、「このままでは日本のようになる」と言います。青年層に関する問題でも同じで、いつもそんなふうに表現します。でも、新刊にも同じ趣旨を書きましたが、それは現状認識があますぎるとしか言えません。日本がなにかの案件において「このままでは韓国のようになる」と心配するなら、それは強い警戒感の表現としてわかりますけど。毎日ニュースをチェックしながらそう思っていたところ・・朝鮮日報に、「(青年問題において)このままでは中国は『巨大な韓国』になってしまう」という記事がありました。北京大経済学教授ルフェン(盧鋒)氏の主張です。どういう側面でそうなのか、以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・盧鋒北京大学経済学科教授はWEEKLY BIZインタビューで「中国が『巨大な韓国』のように変わっている」と診断した。大学進学率が高くなり、大卒者が自分の目の高さに合った雇用を見つけることができず、失業率が上がり、産業現場ではかえって単純労働をする人を見つけるのが難しくなる「雇用ミスマッチ」が発生するという点で、中国は韓国とまったく同じだという話だ。ル教授は、中国でも高学歴の若者たちが北京・上海など大都市の安定した雇用だけに就職しようとする雇用集中が強くなっていると説明した。
彼は「昨年には大学卒業者約1160万人が社会に出て、毎年大卒者規模が最高値を更新している」とした。 スウェーデン全体の人口より多い大卒者が中国の雇用市場に出てくるわけだ。ル教授はこのように働く人があふれているにもかかわらず、産業現場は人がいなくて困っている理由を「「高学歴のパラドックス」のため」と説明した。良い学歴が、中国青年たちに工場や農村での雇用をさけるようにしているということだ。満足できる仕事が見つけられなかった中国の青年たちの間では「躺平文化(※タンピン、寝そべり)」も広がっているとル教授は指摘した。
これは「平らに横になる」という意味で、「超競争時代に無駄に努力しない」という自嘲的意味を込めた流行語だ。中国青年の中には故郷で親に頼る「フルタイム子」を名乗る場合も多いという。ル教授は「『一人子政策』を使ってきた中国では、両親が子供を自分のところにおいて問題を解決しようとする傾向が強く、韓国より青年問題がさらに深刻になる可能性がある」と話した(朝鮮日報)・・>>
本ブログでも同じ案件を何度か紹介しましたが、韓国でも「私にふさわしくない」という理由で仕事をしない青年は増加しつつあります。韓国では求職活動もせず、仕事をしない青年たちのことを一般的に「青年白手(ベクス、仕事をしないから手が白いという意味で)」と言います。女性の場合は「私は白手ではない。白鳥だ」と言う場合もありますが(笑)。とにかく去年6月18日韓国経済TVの記事から韓国の状況を振り返ってみますと・・すでに韓国も20代人口は2021年7月以降、減少し続けています。2023年には2022年(記事データと同期比)より青年人口が20万人ぐらい減少しています。
でも、白手は3万6000人増え、35万7000人になりました。複数のメディアの報道によると、求職しない理由としてもっとも多いのが「私に(賃金、労働時間などの条件が)ふさわしくない」というものでして。20代非経済活動人口を対象に最近求職をしなかった理由を尋ねたとき、最も多く出てきた回答は「希望する賃金水準や勤労条件が合う仕事ないから」(17万3千人) だった。 「教育・技術・経験が不足している」(16万9千人)、「専攻やキャリアに合う仕事がない」(10万5千人)などです。自分の技術が不足していると思っているなら、それはまだ大丈夫だと思いますが。最後に、「親が子を自分のもとにおこうとする(子が親から離れない)」現象は韓国でも似たようなものです。単に「住居費が高すぎる」というのもありますが。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・準新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・既刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。