昨日は更新を休んだので取り上げられませんでしたが、日本の月探査機スリム(SLIM)が月面着陸に成功しました。もっとも大きな任務とされていた、いわゆる「ピンポイント着陸」についても、産経新聞などは「成功が確実視されている」と報じています。データ分析には1ヶ月はかかるとのことですが、「国中所長は会見で『既に判明している飛行データから、成功はほぼ確実だ』と指摘。これも大きな成果になった」と報じています。
いままでの月面着率は、目標時点近くに着陸することができませんでした。目標時点の数km~数十km離れた場所に着陸するのが普通とされていました。東京駅に行くと言いつつ、東京ディズニーランドで降りて「東京と書いてあるから」とするものでしたが・・今回のSLIMは100m範囲内で着陸できる、いわゆるピンポイント着陸を最大の目標としていました。海外記事からは「スナイパー」という表現もよく見られます。
太陽電池が機能しなかった(なにかの理由でパネルに光が届かないでいるのでしょうか)などで、JAXAの方々は今回の偉業を『60点、ぎりぎり成功』としていますが、ピンポイント着陸成功が公式に発表されるなら、これは人類の宇宙開発において大きな一歩となることでしょう。日本は、今回5カ国目(旧ソ連、米国、中国、インド、日本)の月面着陸に成功しただけでなく、はやぶさ1号、2号の偉業など、実にすごいことを次々と成し遂げています。おなじ「%」繋がりの記事があったので紹介しますと、BBCはYOUTUBE公式チャンネル(日本語版)で「日本の探査機が月面に高精度の軟着陸 宇宙探検の新時代」という題の動画をアップ、『(太陽電池のことはあるが)専門家たちは99%成功だと話しています』としながら、イギリスオープン大学シメオン・バーバー博士の「何より大事なのは高精度の着陸でした」という説明を紹介しています。
韓国メディアの報道は、99%は「太陽電池」メインです。「これじゃ笑えない」「岸田は嬉しいニュースだと言ったが、専門家は60点だと言ってる」「JAXAも『60点』と言ってる」などなどです。韓国日報、MBNなど一部のメディアがピンポイント着陸の成功可能性が高く、これがなぜすごいことなのかを取り上げていますが、あまりにも少数です。また、同じメディアでも、記事によってニュアンスがまったく異なったりもします。本エントリーでは、韓国日報の記事を<<~>>で引用してみます。
<<・・スリムの最も重要な任務は、着陸を目指した予定地100mの範囲内に安全に届くことである。既存の月探査船は、着陸目標範囲を数キロから数十キロまでにしていたが、とでも狭い範囲の着陸予定地に正確に軟着陸することを目指した。軌道を回った探査船が月上空7キロで垂直下降を開始すると同時に目標点と障害物を探索し、正確な速度で危険を回避しながら軟着陸するのが技術の核心だ。また、スリムの着陸目標地域は月赤道南のシオリ・クレーターで、約15度ほど傾いた斜面である。探査船の後足が先に着陸地に届いた後、前足が表面に付くようにしなければならない高難度着陸だ。
JAXA側は、スリムが目標点に正確に到達したかどうかを確認するためのデータ分析に1ヶ月はかかると見込んだ。国内の専門家たちは、スリムの精密着陸技術が立証されると、探査領域がはるかに広がると予想している。ジョニジン韓国航空宇宙研究院衛星宇宙探査体系設計部長は、「精密に着陸できることは、いままでは接近が難しかった地域にも探査船を送ることができるという意味だ」とし「平らな地域ではなくクレーター付近にも着陸が可能になるだろう。山頂を探査するために登山口の入り口に降りるのではなく、山頂に直接降りればよくなるわけだ」と説明した。
また今回の探査船着陸は、日本が「宇宙強国」であることを立証するきっかけとなるのはもちろん、宇宙外交の舞台で立地を広げる機会になるという分析だ。 チェギヒョク韓国航空宇宙研究院責任研究員は、「日本は米国主導の有人月探査プロジェクトである『アルテミス計画』の主要な参加国」としながら「スリムの月着陸成功は、日本宇宙探査技術の重要なマイルストーンであると同時に、複数の友好国が参加する アルテミス計画も弾力を受けることになるだろう」と評価した(韓国日報)・・>>
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・準新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・既刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。