香港ハンセン指数の下落で、ELS関連元本割れは1週間で1000億円以上も増加か

日本では日経平均株価が36500にいくとかいかないとかそんな話が話題になっていますが、株価関連で韓国では大まかに3つの案件が話題になっています。一つは、前のエントリーで紹介したハンドンフン対策委員長関連です。どうやら、ハンドンフン氏が「国民の力」対策委員長になってから、氏の友人たちが経営する会社などに「買い」が集まった、とのことでして(韓国経済より)。中には、同じ「清州の韓氏」だという理由だけで株価が上がった会社まであるそうです。多くは、融資で投資するアリ(個人投資家)たちだった、とも。どんな話題も投資に繋がる(多くは投機ですが)こと、友人がどうとかの話など、実に日常的な話とも言えるでしょう。

もう一つは、香港ハンセン指数及び中国の株価が下がっており、同じく他国に比べて低迷しているKOSPIも含めて、「中国『側』」と経済が連動しているのではないか、という話が出ています。これも前に本ブログで取り上げたことがありますが、当然の流れとも言えるでしょう。いままで「安保は米国、経済は中国」を政策の基本にしてきたから、経済においてそっち側になるのは、当然です。そして最後に、ELS(Equity Linked Security)です。ちょうどその香港ハンセン指数連携の商品でして。15日に取り上げたばかりなのでELSの説明などは省略しますが、こういう指数連動商品は一般的にハイリスクとされます。しかし、韓国では個人投資家たちの間でまさに『国民的な人気』を集めています。

 

しかし、香港ハンセン指数が大幅に下落したことで、15日時点で「(香港ハンセン指数が反騰しないと)上半期だけで5兆ウォンの元本割れが発生する」というニュースが話題になりました。それを本ブログでもお伝えしたわけですが・・今日(22日)、「上半期だけで6兆ウォンの元本割れが発生する」というニュースがありました。なんか、1週間で1兆ウォン増えています。ソウル経済の記事によると、香港ハンセン指数は2021年2月、1万2000を超えました。韓国で販売された香港ハンセン指数連動ELSのほとんどが、その『2021年初めに集中している』、とのことでして。それから香港ハンセン指数がどうなったかというと、2021年末に8000台まで下がり、最近は5100台です。今年になって多少は巻き返すのではないかという期待もあったものの、1週間で元本割れ予想が1兆ウォン分も増えてしまいました。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・香港ハンセン指数(HSCEI)の不振の中、香港ハンセン指数の株価連携証券(ELS)で1~3月期だけで2兆ウォン、上半期で6兆ウォンを超えるお金が消える可能性が出てきた。すでに今年になってからの銀行側の顧客の元本割れ損失だけで2300億ウォンに達する・・・・21日、金融圏によると、19日の香港ハンセン指数は0.87%下がった5127.24だった。香港ハンセン指数は今年に入って11.12%急落したが、これは世界の株価指数の中で最も下がったことになる。今年に入って不振だった韓国(コスピ・マイナス6.87%)はもちろん、景気低迷の中国(上海総合指数・マイナス4.8%)、イスラエル(マイナス3.12%)も、香港ハンセン指数よりはよかった・・

 

・・これにより、最近満期を迎えた香港ハンセン指数連携ELSの元本割れ率は、大部分50%を超えた。一部は60%に近づく形だ。去る19日までに(※他メディアの情報ですが、1月8日から)5大銀行の香港ハンセン指数ELS商品のうち、満期が到来した元金4353億ウォンのうち、損失額は2296億ウォンに達すると集計された。平均52.8%の損失だ。最近香港ハンセン指数の推移を考慮すると、投資額の半分だけ残すのも容易ではない雰囲気だ。金融圏によると、香港ハンセン指数ELS満期到来規模は今年1~3月期で約3兆9000億ウォン、4~6月期6兆3000億ウォンなど、上半期だけで10兆2000億ウォンだ(ソウル経済)・・>>

 

15日のエントリーでも書きましたが、投資家たちは銀行側の販売に問題があったというスタンスで、金融当局もそれを原因とみて調査を進めている、とのことです。しかし、中央日報の指摘によると、「『銀行から通帳が出てきたのでみんな預金だと思った』とか、『香港ハンセン指数が何なのかも知らなかった』と個人投資家たちは声を高めている。しかし、前にもELS投資経験のある加入者が、10人のうち9人、91.4%だ。早期償還などで利益を見た時は何も言わず、元本割れが発生すると、不完全販売だったと主張するとは、これはどういうことなのか」とのことです。

 

 

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