韓国大統領室、1ヶ月前に就任した与党リーダーに辞任を要求・・理由は大統領夫人関連案件の見解の相違か

週末、韓国の各メディアがもっとも大きく報じていたのは韓東勲(ハンドンフン)氏関連です。そうそう、あのハンドンフン氏です・・といってもご存知でない方のほうが多いかもしれませんが・・ハンドンフン氏は、ユン大統領と同じ検察出身の人で、去年12月まで法務部長官でした。ユン大統領の後継者とも言われている人です。本ブログでも紹介しましたが、去年、江西区庁長選挙で野党が勝利してから、与党内ではかなりの危機感が漂いました。そんな与党をなんとかするために、非常対策委員長(事実上、政党のトップ)ということで、去年クリスマス頃、約1ヶ月前に与党「国民の力」の事実上のリーダーになりました。

ハンドンフン氏がなにかこれといってすばらしい手腕を見せてくれたわけではありませんが、新しい人物で政治も初めてなので、少なくともマイナスイメージはなかったので、その支持率はかなり拮抗しました。各種調査で「次期大統領にふさわしい人」として野党の李在明代表と大差ない、一部ではむしろ若干リードしている結果が出たりしました。これは、保守支持者たちにとっては久しぶりの明るいニュースでもありました。与党はキムギヒョン代表が辞任、イジュンソク前代表が新党設立(離党)するなどいろいろありましたが、ハンドンフン氏のおかげで与党の支持率はさほど揺れませんでした。野党もまたイナギョン氏が新党設立するなどいろいろあって、結果的に与党と野党の支持率はほとんど差がない状態です。

 

ですが、大統領室が、そのハンドンフン氏に辞任を要求しました。まさに急な話で、土日になるまでこんな話はまったくありませんでした。最初は、公薦関連だと言われていました。政党が選挙候補を公式に推薦することで、公薦を受けることができないと選挙にその政党の候補として出馬できません。ハンドンフン氏がそれを私的にする、いわゆる「私薦」にしているというのです。ですが、KBSの報道によると、その理由は、大統領夫人であるキムゴンヒ氏関連案件でした。この件も前に紹介したことがありますが、ドイチモーターという会社の株価操作問題、高価ブランド品を受け取ったことなどで、大統領夫人については野党が特別検事による調査を要求するなど、結構大きな案件になっています。

18日だったか19日だったか、対策委員会の委員の1人が、『国会議員バッジ欲しさに、いまのような対応になっている』という趣旨の発言をしたことがあります。そのあとすぐ発言を取り消しました。ハンドンフン氏もその件で、『国民の観点から考えるべきだ』という趣旨を話しました。各種世論調査ではこの件をちゃんと調査すべきだとする意見が多いため、これはユン大統領(大統領室)とは異なる見解です。ハンドンフン氏は、総選挙(4月)が終わるまで辞任しないとしています。

 

個人的にもこの件はかなり意外で、本当に記事内容のように大統領夫人関連のことなら、大統領室がなぜこういう判断をしたのか、大いに疑問です。なにせ、発言そのものが、(委員の人はともかく、ハンドンフン氏自身の発言は)国民の考え方に合わせて対処したほうがいいのではないかという趣旨のもので、そこまで問題があるわけでもありませんでした。せっかく上昇ムードだった与党は、また大いに揺れるしかないでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・イグァンソプ大統領室秘書室長が昨日(※21日)、国民の力ハンドンフン対策委員長を訪ね、委員長職辞任を要求したことで、議論が起きています。高価ブランド品疑惑などキムゴンヒ女史リスクへの対応の仕方が理由だと伝えられますが、ハンドンフン委員長は「国民だけ見ていく」辞任には応じませんでした。「イグァンソプ大統領室秘書室長が昨日ハンドンフン対策委員長に会って、対策委員長職辞任を要求した」と与党側の関係者が明らかにしました。キムギョンユル対策委員の関連発言(※国会議員バッジ欲しさにちゃんとした対応をせずにいる、という内容のものでした)を抑止できなかったことなどが理由だと伝えられました・・・・議論が広がると、大統領室の核心関係者は「国民の力対策委員長の去就に大統領室が関与することではない」、「大統領室がハンドンフン委員長に対する期待と信頼を撤回したという議論と関連しては、公正で透明なシステム対する 大統領の哲学を表現したものだ」と明らかにした(KBS)・・>>

 

 

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