韓国メディア、様々な理由で日中韓協力を力説・・「日中韓の人口が世界人口の10%台になった。協力が必要だ」など

文在寅政権のとき、南北鉄道連結という言葉が大いに話題になりました。南北だけでなく中国、ロシア、ユーラシア地域まで繋がるようになり、新しいシルクロードになるというものでした。工事も始まっていない(いまも始まっていません)状態で、当時のソウル市長が首都大改造プロジェクトを持ち出したりもしました。本ブログでも紹介したことがありますが、この鉄道があると、日本もきっと参加を求めるだろうから、日本側が主に資本を出して日韓海底トンネルを作ろう、そんな話まで出ていたと記憶しています。

個人的に、これは韓国が考えている『あるべき経済圏』を垣間見ることができる、そんな案件でした。どことなく中華的な考え方だったとも言えるでしょう。当時世界でもっとも話題になっていたのは米朝首脳会談だし、南北鉄道工事には米韓(詳しくは国連司令部になるのでしょうか)の合意が必要でしたが、このプロジェクトに米国の話はあまり出てこなかったのも、不思議でした。日本に関しては、韓国メディアだけでなく、一部の日本メディアが「いそいで平和ムードに参加を」という趣旨の記事・社説などを出していましたが。そもそも、鉄道で繋げたところでそれが(シルクロードが繁栄した時期の)シルクロードのような役割を果たすことができるのかどうか、誰もその効率性を検証しようとしませんでした。『シルカ』ロード状態だった、とでも言いましょうか。

 

いまはもう懐かしい話ですが、それからも日中韓協力に関する主張は根強く出てきました。その論拠もどことなく不思議なもので、「仲がいいから」から「日中韓合わせるとGDPが~」という話まで、様々な謎設定が出てきました。世界的なサプライチェーン再編成が話題になってからも、この話は続きました。いろいろ設定が異なるものの、日本と中国をあわせて大きな経済圏を作り、その中に韓国も入る、そういう理屈が中心でした。そんなところ、「毎日経済」が、また同じ趣旨の記事を載せました。日中韓合わせての人口が、世界人口比で20%台を割り込みましたが、記事ではそれが「急いで協力しないと」の理由となっています。GDPと同じ発想で、中国だけで14億人超えているのに「日中韓の人口で」が意味があるのかどうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・世界最高水準の中国人口と東アジア域内交流で成長街道を走った韓国、中国、日本だが、共に状況が変わってきた。日中韓3国の世界人口での割合が初めて20%以下になったのだ。韓国・日本の技術力、中国の安価な労働力と豊富な内需市場でシナジー効果を出してきた日中韓経済圏に迫った最大の危機だ。日中韓がロボット、人工知能(AI)技術などで生産性を引き上げ、貿易市場を広げながら既存の成長公式を全面改編しなければならないという指摘が出ている。21日、毎日経済とイガンホ カイスト未来戦略大学院教授が国連人口データを分析した結果、昨年の韓・中・日人口は16億74万人で、全世界の人口(80億4500万人)のうち比重19.9%を記録した・・・・国連が関連統計を出した1950年以降、3国の人口比重が20%を下回ったのは今回が初めてだ(毎日経済)・・>>

 

この後、記事は「だから」、AIとかロボットとか、そんな分野でともに協力して新しい技術を開拓していかなければならない、という話が続きます。人口が心配ならインドと手を組めばいいのでは・・な気もしますが、同じく今回も「日中韓」3国以外の話は出てきません。同じ流れとして、日中韓首脳会談関連でもまだまだ『必ず開催すべきだ』という記事もまだまだ出ています。もともとは去年12月中に開催し、それを習近平氏の訪韓に繋げるというプロジェクトでしたが、いまは『2月以降』となっています。去年12月には、アジア競技大会開会式参加のために訪中したハンドクス国務総理と習近平氏が面談できたことで、すぐにでも習近平氏が訪韓するという話で盛り上がっていましたが。

 

 

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