韓国、青年層20代・30代の投資失敗が社会問題に・・その規模はどれくらいなのか

最近も同じ趣旨のエントリーがありましたが、2022年~2023年、本ブログは「ヨンクル(すべてをかき集めて投資に使う)」や「ビットゥー(融資を受けて投資に使う)」を集中的に取り上げました。特に、20代、30代の間でこのような現象が目立っている、などなどです。もちろん成功して大金持ちになった人たちもいるでしょうし、そういう人たちを取り上げるニュースや番組も目立ちます。でも、データ上ではそうでもありません。2022年10月29日の記事(KBS)ですが、20代、30代の『基礎受給者』が大幅に増加しています。

これは、日本で言う生活保護者のようなもので、『国民生活保障法』によるいくつかの種類の扶助を受けている人たちのことです。5年間で1.7倍も増え、8月基準で24万5000人になりました。制度そのものが異なるので単純比較は難しいでしょうけど、さっとネットで検索してみたところ、日本の場合、20代、30代の生活保護は令和2年時点で約14万9000人。KBSの記事にある24万5000人だと、人口比だと「日本の約4倍」ということになります。このすべてが投資関連ではないでしょうけど、一定部分関連しているのは間違いないでしょう。

 

そこで、確認できる範囲内で、20代30代の「融資で投資」すなわちヨンクルやビットゥーの規模はどれくらいなのか、もうちょっとわかりやすい数値はないのか・・と思っていたところ、朝鮮日報(朝鮮BIZ)に相応のデータが分かりやすく載っていたので、紹介したいと思います。もちろんこれらがすべて「無理をして借りたもの」なのかどうかはわからないし、これが「全て」なのかもわかりません。なにせ、データは大手銀行5箇所、大手証券会社6箇所だけのもので、貯蓄銀行など証券会社以外の第2金融圏(実はもっとも問題なのがここですが)、そして第3金融圏すなわち貸金業者の分は入っていません。とはいえ、大まかな規模を知ることはできるでしょう。以下、<<~>>が引用部分となります。

 

<<・・流行のように広がったヨンクルとビットゥーの影響が、青年(※記事では20代・30代)層に現れている。彼らは低金利時代に、周りから不動産や暗号通貨などでいわゆる「大当たり」になったという話ばかり見て聞いて、自分だけ取り残されるのではないかと積極的に投資に乗り出した。しかし、結果は逆だった。金利は急速に上昇し、資産価値は下がった。元金と利子負担まで増え、現在、青年世代は統計作成依頼もっとも債務が多い。金融監督院によると、2022年6月から2023年7月まで5大銀行(※国民銀行、新韓銀行など)及び6大証券会社(※韓国投資証券・未来アセットなど) が20代・30代に貸した規模は134兆ウォンに迫った。特に青年層は一年間住宅担保ローンで75兆4604億ウォンを借り、信用ローンも8兆48888億ウォンを借りた。株式信用取引は46兆890億ウォン、未収取引買収金は3兆7709億ウォンだった(朝鮮日報)・・>>

 

ちなみに未収取引とは、株式を買う際、金額の30%以上を現金で支払い、残りは証券会社から借りることです。一般的に、未収取引から2日後には返済することになっています。あと、これまた今まで何度か取り上げた多重債務者関連ですが、韓国では多重債務者を「3箇所以上の金融機関からお金を借りた人」とします(確か、日本にはこういう定義はありません)。もちろん3箇所以上で借りたからって全員が高リスクなわけではありませんが、一般的に『既存のローンを返済するため別の金融機関からローンを受けた』とされます。

引用部分にはありませんが記事によると、去年末時点で30代以下の多重債務者数は142万人、貸出残高は157兆ウォン、とのことでして。去年1年で6万5000人増えたそうです。最近、香港ハンセン指数連動のELSが話題になっています。6割の元本割れが予想されている、と(22日に取り上げました)。多くは高齢者で、9割は前にもELSを購入したことがある、とも。ソース記事は20代・30代を取り上げていますが、やはり「青年層だけの問題でもない」ということでしょう。

 

 

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