18日、「G9(G7拡大)」関連寄稿文を紹介したことがあります。オーストラリアとともに韓国がG9に『ならないといけない』というもので、その理由は、G7に対してはトランプ大統領も強く出ることができないから、トランプ政権になる前にG9に加入しないといけない、そのために米国・日本を説得しよう、という内容です。いうのです。寄稿文は「ドイツ・日本などG7国家もトランプ大統領の各種圧力から自由ではなかったが、トランプ大統領もそれらの国に対してはそこまで強く出ることができなかった。それは、米国国民がG7国家は経済と安全保障の運命共同体と認識しているからだ」と。
そして、29日、また同じ趣旨の寄稿文がありました。今度は外交通商部長官出身の外交専門家が書いたものですが、「米国、特にトランプ政権との関係を考えて、日本と仲良くしましょう」という内容です。前のG9寄稿文の日本版、とでも言いましょうか。同じく中央日報です。寄稿文は、韓国保守層にとって大きな成果とされているキャンプ・デビッドでの日米韓首脳会談も、日本の協力がなかったらできなかっただろうとしながら、もし米国が日韓のどちらかを選ばないといけないときが来たら、米国は迷わず日本を選ぶだろう、としています。それはトランプ政権でも同じで、だから日本ともっと協力しよう、と。G9のときもそうでしたが、『本当にそんな理由でいいのか』としか思えません。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・今私たちが当面した地政学的リスクを管理し対処するためには、私たちだけの力では難しい。民主主義と人類の普遍的価値を共有する米国と日本の協力が不可欠である。幸いなことに、昨年の米国キャンプデビッドで合意された協力体制は、朝鮮半島の地政学的リスクに対処するのにとても有用な手段となるだろう・・・・米国の朝鮮半島への関心を持続させるためにも、日本の役割は本当に重要だ。去年12月、朝鮮半島の平和作り財団が主管した「平和オデッセイ」は、駐日米軍基地である横須賀海軍基地と横田空軍基地を訪問した。これまで忘れられていた駐日国連軍後方基地の役割と、これら基地の韓国防衛任務を理解する良いきっかけとなった。横須賀基地に常駐する空母レーガン艦は、米国の地位を象徴的に見せていた。
日本は南シナ海を中心に増えている中国リスクと台湾有事に備えて防衛費をGDPの2%に増額することにした。米国の北東アジア戦略は、日本を中心軸で行われている。日韓間のごたごたは、米国の立場から見るととても不便な現実だ。米国は常に日本と韓国がよく協力するように外交圧力を行使してきた。もし米国が韓国と日本の中で選択をする状況に直面すれば、躊躇なく日本を選択するだろう。昨年3月、ユン大統領が国内でのリスクを乗り越えて韓日関係改善に勇断を下さなかったなら、キャンプデビッド3国首脳会談は行われなかっただろう。最近、北朝鮮ミサイル発射を追跡するため日米韓はリアルタイム情報交換体制を運用している。
北朝鮮は朝鮮半島の緊張を高め、トランプ候補の当選を念頭に置いて、米国との直接取引を準備している可能性がある。北朝鮮は自身の核プログラム凍結を見返りに、米国および国連の対北朝鮮制裁解除と在韓米軍の減縮または撤退を要求するものと見られる。米国の立場から見ると、北東アジアの戦略地形の変更をもたらす試みは、日本の立場を考慮しなければならない。 日韓が北東アジアの安全保障認識を共有しながら緊密に協力することは、米国に対する韓国の声を大きくするのに効果がある。特に北朝鮮の核・ミサイル問題と関連して日韓が共通の認識に基づいて米国の関心を促すなら、すごく効果的だろう(中央日報)・・>>
記事(寄稿文)は、そのために日韓がFTAを結んだらどうだろうか、などを提案しています。前のG9関連もそうでしたが、今回のもまた、価値観による協力というよりは処世術による協力・・にしか見えませんでした。それはそれで外交には必要なものかもしれませんが、それがメインになっては、意味がないでしょうに。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・準新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・既刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。