韓国経済メディア「日本の半導体関連技術は、中国にとっても代替不可能だった」

最近、日本メディアでも半導体関連ニュースが増えてきました。日本では先端半導体技術とともに、地域経済という側面が強調されており、YOUTUBEには熊本(TSMC)や北海道(ラピダス)など地域経済としての側面を取り上げるローカル局のニュースもアップされています。いい感じではないでしょうか。韓国メディアの半導体関連ニュースは、『直近は回復しつつあるが、去年は中国への半導体関連輸出が大幅に減少した』がメインです。それもそのはず、まさにライフラインですから。

ユン大統領が622兆ウォンの投資で半導体メガクラスター(大規模産業団地)を作るとして、発表から1~2日間は話題になりましたが、投資額は2047年までの合計のことで、基本的には民間からの投資によるものだとわかったからか、それからはあまりニュースにならないでいます。あまり話題にはなりませんが、日本や台湾のように、一点集中せず全国にいくつかの拠点を作ったほうが、安全だけでなく電力や水源確保という側面からもいいのではないか、そんな指摘はいくつかの記事が出ているくらいです。

 

さて、そんな中、『日本は米国の輸出関連措置を守っていながらも、半導体関連の対中輸出がむしろ増えた。これは、日本は代替できない存在だからだ』という記事がありました。韓国経済、1月30日の記事です。これもまた、結構前から同じ話が出ていましたが。記事は、対中輸出が減少したのは米国の関連政策による部分が大きいとしながら(実際にそういう部分もあるでしょうけど、それだけでもないでしょうに)、日本は車などに主に搭載される半導体を強化し、素材・部品・装備面でも代替できない存在感を増しているとしています。また一つ気になるのは、記事が「中国にあるサムスン・SKハイニックス工場への装備搬入(輸出)できなかったこと」を一因としている点です。猶予措置があったし、また延長もされていますが、思ったより装備搬入は進まないでいるのでしょうか。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・米中対立により韓国の対中半導体輸出が急減した中、日本の半導体輸出は急増したことが分かった。日本の半導体産業は、米国の輸出規制を受けないニッチマーケット中心に組みんでいるだけでなく、素材・部品・装備の場合、あまりにも技術の完成度が高く、他の国企業に替えるのが難しいためだ。専門家たちは、中国の半導体自給率が上がっている状況で韓国半導体産業が米中対立の影響をもっとも強く受ける可能性があると指摘する。先端半導体の場合、通商で影響を最小化、半導体装備企業は技術を高度化させ、代替不可能なメーカーにならなければならないという指摘だ・・

・・(※韓国経済新聞の分析で)中国が韓国から輸入した半導体金額は、2018年823億ドルから2023年662億ドルに、19.63%減ったことが分かった。一方、同期間に中国が日本から輸入した半導体金額は208億ドルで31.2%増加した。前年比(※2022年比)でも、昨年中国の韓国半導体輸入額は21.84%減ったが、日本からの半導体輸入額は3.3%増えた。半導体素材・部品・装備ではより顕著だ。中国が韓国から輸入した半導体・ディスプレイ装備金額は2018年65億ドルから2023年32億ドルで50.5%も急減した。一方、同期間に中国が日本から輸入した半導体・ディスプレイ装備金額は106億ドルから114億ドルに8.46%増加した。前年比で見ても中国が韓国から輸入した半導体・ディスプレイ装備金額は24.76%減ったが、中国が日本から輸入した金額は6.57%増えた。

 

日本が強みを持つ車両用半導体輸入額を増やしたためだ・・・・車両用半導体は回路線幅が数十ナノ(nm)以上で米国の輸出関連措置の対象ではないが、中国では技術開発が行われておらず、自国産に代替できないでいる。日本の半導体素材・部品・装備企業の強勢は、技術高度化のおかげだ。中国が半導体自給率を高めるには、日本の素材・部品・装備を使うしかない、「代替できない」企業に成長した結果だということだ。実際、日本の半導体装備会社東京エレクトロンは先月末、日経新聞を通じて「去年(去年4月~今年3月)中国での売上が7000億円規模で最大を更新する見通し」と明らかにした。

 

中国が米国輸出関連措置に対抗して急激に半導体自給率を引き上げようとする中、日本産半導体装備がさらに必要になるしかなかったという説明だ。一方、韓国の半導体素材部品装備の場合、米国の関連措置の影響を受けたという見方が出ている。ある投資業界関係者は「韓国の半導体素材部品装備はサムスン電子とSKハイニックスに対する米国の関連措置が本格化し、両社中国工場に共に搬入された物量が減り、半導体不況に加えて二重の影響を受けた」と述べた(韓国経済)・・>>

あいかわらず「米中」と「~でなければならない」が目立ちますが、米国とか中国について話す前に、韓国にとっても日本の半導体関連(素材・部品・装備)は代替できない存在ではないでしょうか。一つ前のエントリーと繋げて見るなら、これもまた『20年前から指摘されてきたこと』でしょうし。

 

 

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