不定期で続報をお伝えしている、韓国政治関連エントリーです。この前、韓東勲(ハンドンフン)対策委員長と尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の問題をお伝えしましたが、あれはユン大統領と大統領室が思った以上に影響が大きかったらしく、ユン大統領もハンドンフン氏も『それ以上はこの件について話さない』やり方でなんとかしています。でも、大統領選挙前にユン大統領(当時候補)とイ・ジュンソク代表(当時)もそうでしたが、ちゃんと意見一致したようには見えません。
それらの影響があったのでしょうか。総選挙約70日前に、しばらく30%台を維持してきたユン大統領の支持率が、29%まで下がりました。韓国ギャラップという、支持率調査ではよく見る会社の調査結果です。去年4月、例の「解法」を発表した後に支持率が27%まで下がったことがありますし、与党・野党が総力をあげた江西区庁長選挙でまけたりもしましたが、それから保守メディアが相次いで『このままじゃ政権交代になる』と指摘、保守層が結集、与党の次期大統領候補とされるハンドンフン法務部長官が対策委員長として与党に加入、人気を集めたことなどで、ユン大統領の支持率も30%台を維持してきました。
今回の20%台再進入は、本ブログでも紹介した大統領夫人関連の疑惑、ハンドンフン対策委員長とのトラブルなどが原因とされています。大統領室は「支持率に一喜一憂しない」という反応ですが、70日後に総選挙がありますので・・このタイミングでこの数値は、せっかく盛り返していた与党としては、かなり気になる結果です。特に、2つの面でそうです。一つは、若い世代の支持率が低すぎること。もう一つは、『地域』です。各種選挙のバロメーターとされるソウルの支持率が低いこともありますが、伝統的に保守が強いとされる地域でも、『支持する』と『支持しない』がほぼ同じ、とのことでして。韓国日報など複数のメディアの記事によると、20代で支持18%・不支持65%、30代は16%・78%、40代は18%・79%、50代は26%、68%、60代は42%・54%。「70代以上」は58%・28%でした(なぜかソース記事に28%だけ書いてなくて、調べてみたら別の記事にありました)。『支持』が『支持しない』より多いのは70代だけです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ユン大統領の支持率(国政遂行に対する肯定評価)が29%まで下がった。30%にならなかったのは9ヶ月ぶりだ。経済・民生関連と、キム・ゴンヒ夫人議論、新年記者会見関連、ハンドンフン国民の力対策委員長との葛藤などが原因として挙げられている。韓国ギャラップが先月30日から1日まで全国18歳以上1,000人を対象とした調査(95%信頼水準に標本誤差は±3.1%ポイント)結果、ユン大統領が職務をよく遂行しているという回答は前週より2 %ポイント下がった29%となった。うまくできていないという回答は前週と同じ63%だった・・・・調査の結果、支持しない理由として「経済・民生・物価」19%、「疎通が不十分」11%、「一方的」7%となった。「外交」と「キムゴンヒ女史問題」はそれぞれ6%、「全体的に間違っている」「拒否権行使(※が多い)」はそれぞれ5%と集計された・・
特に、今年も新年記者会見を進行せず、代わりに事前録画で進行した後、それを放映するKBSとだけ(※現在KBS社長は『親ユン派』の人です)との対談形式を選択したと知られ、ユン大統領の「コミュニケーション方式」がさらに指摘されている。逆に、尹大統領の職務遂行について肯定評価をした理由としては、「外交」(18%)、「経済・民生」(9%)、「国防・安全保障」(7%)、「懸命にする・最善を尽くす」(5%)が挙げられた。ユン大統領の支持率は総選挙結果と直結することができる重要な変数だ・・・・地域別では総選挙での勝負の場であるソウル(26%)と仁川・京畿(29%)で肯定評価が20%台だった。保守の代表格である大邱・慶北でさえ支持しない(48%)と支持する(45%)が誤差範囲内だった(韓国日報)・・>>
でも、ユンたんにもまだ希望があります。なぜなら、『で、野党の支持率が上がっているのか』というと、そうでもないからです。与党と野党からそれぞれ離党、新党を立ち上げたイ・ジュンソク氏とイナギョン氏の新党も、注目はされているものの、支持率はパッとしない(1桁だそうです)し、政党支持率も与党・野党で大差はありません。個人的に、『与党が多少巻き返すだろうけど、勝利(過半数)は難しい』という考えにまだ変化はありませんが・・はてさて。とにかく、アニメ版『ダイの大冒険』次回予告っぽく書くと、『大冒険は続く』、といったとこころです。
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