韓国大規模観光開発事業、また自治体が債権保証約束を履行せず・・「江原レゴランド事態」と同じ案件が発生

江原レゴランド事態というものがありました。江原道が保証していたレゴランド建設関連債券について、自治体長が変わったなどの理由で「履行しない」と発表、債券市場そのものが大きな影響を受けました。そう、レゴランド事態の問題は、一つの開発事業『だけ』ではなく、市場そのものに影響し、多くの会社は、債券による資金確保ができなくなりました。YTNは、この影響は今も進行中で、この前グループ解体になってしまった施行能力16位の建設会社「泰栄建設」ワークアウト申請(民事再生手続き)も、この頃から話があった、と報じています。

そんな中、全羅北道の南原市というところで、また自治体が同じことをやって、一部メディアが『第2のレゴランド事態』と報じています(ソース記事はMBCです)。個人的に、これは『第2のレゴランド事態』と呼ぶほどのものではないと思っていますが・・パターンがまったく同じです。たとえば市長が変わったのも同じです。「またか」と思わせないことは、市場にとってなにより重要なことのはずですが。400億ウォンかけて観光開発事業を始めたものの、うまくいかず、事業そのものが倒れましたが、自治体は保証約束を履行しないとしています。以下、まずYTN、そのあとMBCを<<~>>で引用してみます。

 

<<・・レゴランド事態は、ただでさえ安定しない私たちの金融市場でおきた、一つの事件だった。レゴランド工事資金調達のために発行した満期日の一日前、昨年9月28日。キムジンテ江原知事が江原中道開発公社(GJC)の企業再生手続きを踏むことにしたと宣言してしまった。資本市場は衝撃を受け、金融当局は非常事態となった。もう地方政府も信じられないと、金融市場は梗塞されるしかなかった。レゴランド事態の余波は江原道を越えて民間企業、そして市場全体に広がった。金利引き上げが急速に進み、材料価格上昇もあって、大型建設会社の資金流動性リスク説が出始めた。

昨年、施工能力評価基準で8位のロッテ建設と、泰栄建設など10位圏の建設会社2~3カ所、そして地方建設会社などが、情報筋たちの間で、リストに挙げられた。余波は現在進行形だ。ロッテ建設は不動産プロジェクトファイナンシング(PF)比率が高く、依然としてリスク論に包まれており、資金力が不足している地方建設会社は、実際に倒れつつある。大型建設会社の泰栄建設が先にギブアップした。ワークアウト(企業財務構造改善作業)突入宣言だった(YTN)・・>>

 

<<・・(※観光地をまわるモノレールが止まっている、など事業が止まったことを伝えた後に)南原市が6年前の民間資本を引き付けるとし、バラ色の展望を提示・推進した400億台観光開発事業の現住所です。問題は、ここで終わりではないということです。400億台の事業費をどこかで調達したという事実はそのままです。視線はお金の出所、資金市場に向かうしかありません。民間事業者が事業計画を担保とした「PF(プロジェクト・ファイナンス)ローン」で用意されたお金は、405億ウォンに達します。南原市が全額借金保証したが、昨年就任した新任チェギョンシク市長が約束を覆し、お金を借りた民間事業者たちも、数ヶ月前に債務不履行を宣言した状況です。400億台の債券が残りましたが、それを返済するはずの債務者も保証人も「知らない」としているわけです。

昨年、国家的な問題になった「江原レゴランド事態」と似た展開です。レゴランド開発に入った2,050億ウォン規模のPFローンを、南原市のように全額保証した江原道。この中で400億台の借金を浮かべると、道知事が債務不履行を宣言しました。しかし、問題は資金市場にまで広がりました。自治体が保証した優良債権が不良債権になり、市場がパニックになり、民間企業は(※債券での)資金確保ができなくなったわけです(MBC)・・>>

 

繰り返しになりますが、私はこの南原観光開発事業・・事態がレゴランド事態のようになるとは思っていません。でも、経済そのものがそうですが、特にお金というのはスタンドアローンは存在しません。かならず「このお金」は「あのお金」と繋がっています。今回の件も、ほぼ間違いなく『市場』そのものへ影響するでしょう。「前の市長と今の市長は『別』」という考えがあるかぎり、似たような問題はまたあるかもしれません。前の人がやったのは私とは関係ない、という考えがむしろ支持される傾向までありますから。政権交代もそうですが。

 

 

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