見たか聞いたか、需要のなさではトップクラス!韓国政治ネタです。この前のエントリーで、与党の支持率が上昇しており、一部からは過半数の話まで出ているというニュースをお伝えしました。実際、与党が支持されていると言うか、野党側にあまりにも動きがなく、野党側の議員からも「選挙キャンペーンと呼べるものがなにも出ていない」という指摘が出てくる今日この頃です。野党の支持層が集結する可能性など、まだまだわからない部分もありますが、さて、どうなるのでしょうか・・って、今日の本題はそちらではなく、その総選挙の公約関連です。
この前、ユン大統領が622兆ウォン規模の大規模半導体産業団地(メガクラスター)を2047年まで作ると発表し、話題になりました。しかし、その財源はすべて民間企業が出すことになっていて、民間が発表した計画を大統領が一箇所にあわせただけではないのか、発表はしたもののそこまでの投資額を実際に民間企業が出すのか、市場の状態などを考えるべきではないのか、そんな指摘もありました。すなわち、財源も無いのになんでそう堂々と発表できるのか、などなど、と。ちなみに、最近、主に不動産・企業実績関連で税収が大幅に減っています。今回、東亜日報の記事によると、今回、与党と野党が発表した総選挙公約でも、同じ話が出ています。財源の「規模」が大まかに設定されている公約だけでも、円にして約14兆円規模(!)ですが、それらの公約の「財源確保案」は空欄のままで何も記入されていない、とのことでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・与党・野党が総選挙を49日控え、力を注いでいる公約のうち、相当数が財源確保案がない、いわゆる「とりあえず公約」であることが分かった。20日まで、国民の力(※与党)が発表した総選挙公約11件のうち6件、共に民主党(※第1野党)の場合は公約9件の6件が、必要予算規模や財源準備案を提示できなかったことが分かった。与党・野党が発表した公約のうち、財源規模が提示された13件に入る予算だけ少なくとも143兆ウォンの規模になるが、そのための財源準備案は「空欄」として残ったままだ。専門家らは「与・野党ともに、財源対策なしで『言っておこう』式のポピュリズム公約競争に乗り出している」と指摘した・・
・・国民の力がこの日までに出した11の公約のうち・・・・60代以上の票を意識して出した「介護費健康保険給与化」と「敬老堂(※政府や自治体の老人休憩施設)週7日昼食」は、所要予算規模さえ明らかにしていない。「鉄道地下化」公約も、ハンドンフン対策委員長が「民間資本誘致で財源を設ける」と明らかにしただけで、財源がどれだけ必要か、誘致をどのように導くかについての言及はなかった。委員長は当時、財源が不透明だという指摘に対して「財源を勘案した公約であり、我々は実践するだろう」とだけ答えた。他にも、5号地域公共病院拡大、7号老人社会サービス型雇用拡大公約なども、財源規模と設け方案がわからない。これらの公約のうち、一部は、ユン大統領が前の大統領選挙公約として出したもの、前の総選挙の時に自由韓国党(国民の力の前進)の公約として出ていたものを、再び出したものだが、当時も財源規模や財源確保計画などは書いてなかった・・
・・共に民主党も状況は同じだ。共に民主党はこの日の「養育費代支給制」公約などを含めて計9つの総選挙公約を出したが、このうち6つは財源対策を明らかにできなかった。養育費代支給制は、養育費債務者が養育費をきちんと出さないとき、国家が代わりに払い、その後に債務者から受け取るという制度で、年間766億ウォンの予算が必要とされているが、このための財源確保案は公開されなかった。共に民主党側は「別途の財源確保案を検討しなかった。政府予算の優先順位を調整すればよい」と明らかにした。
共に民主党の公約の中で最も多い予算がかかると予想される「都心鉄道地下化」公約にも、財源対策は入っていない。共に民主党は京仁線、京釜線など9つの鉄道路線を含め、主要都心鉄道を地下化するのに80兆ウォンが必要だと推定したが、予算確保案については「民間投資誘致以外に別途検討したことがない」という立場だ。4号公約である少子化対策は、子どもの数に応じて債務を減らしてやるとするもので、年間28兆ウォンが投入されるとしたものの、財源準備案は提示しなかった。イ・ジェミョン代表は、この対策発表当時、「財源などこれから用意すればいい。始めるのが重要だ」と話した(東亜日報)・・>>
与党も与党ですが、さすがイジェミョンさんの共に民主党はレベルがちがいますね。なんというか、プロジェクトファイナンスかよ・・と思いました。プロジェクトがあるから、資金もなんとかなるだろう、という考えが似ています。どちらが勝とうと、任期は5年なのに。はてさて・・隣の国が出すとかそんな話さえ出てこなければ、ブログ更新用にちょうどいい話ではないだろうか、そんな気もします。
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