本ブログで取り上げた記事だけでも結構な数になると思いますが、韓国では最近の日本の半導体関連動きが大々的に報じられています。昨日のTSMC熊本第1工場開所式は日本でも大きな話題になりましたが、それ以外だと日本より韓国のほうがもっと報じているのではないか、そう思われるほどです。それらの記事にはいくつか流れがありますが、まず、どうしても円安や補助金「だけ」を強調するニュアンスの記事が目立ちます。日本旅行が世界中で大人気だという事実についても円安円安としている記事が多いですが、それと同じパターンではないでしょうか。
円安や補助金などが大きなきっかけになったのは事実でしょうけど、いまの流れそのものを作ったわけではありません。日本旅行が人気の理由も、半導体産業の再注目の理由も、外部要因よりは「日本」そのものの総合的な側面が複合的に作用していると見るべきでしょう。経済的な効果も、言うまでもありません。今回のTSMC工場の経済効果は、イーデイリーなどによると「2031年まで6兆8000億円」とのことで、しかも経済安保というプライスレスなものもあります。日本にもTSMC、いや台湾にも、大手からスーパーの売上まで、すべてにおいてウィン・ウィンの結果になることを願います。実際、弁当を売る店の売上も大幅に増えているとかそういうニュースも出ているので、流れとして良い感じです。
他には、二日前に紹介したばかりなので短くしますが、「チップ4なのに、『日米台』だけが注目されており、米国は自国会社を優先、日台の協力はどんどん強くなっていて、TSMCだけでなくすでに多くの台湾企業が日本に進出、または関係を強化しており、IBMなどと技術協力しているラピダスのこともあるのに、韓国のチップ4での立場はどうなっているのか、という趣旨です。でも、チップ4という言葉そのものを最近見たことがないので、「そんなもの」としか。他には、工場建設のスピードが早い、という内容も目立ちます。韓国の国内企業が国内に工場を作るにも、その数倍はかかるというのです。制度による側面もあるでしょうけど、このスピード感が、単なるプロジェクトや計画としてではなく、実際に事が進んでいるという実感に繋がり、『盛り上がり』の勢いそのものを強くしているというのです。他には、普通に日本メディアや海外メディアの記事を引用するものがほとんどです。以下、先のイーデイリーの記事から、主に経済効果関連の部分を<<~>>で引用してみます。
<<・・1960年代から半導体工場が密集していた九州は、かつて「半導体の島」と呼ばれた。日本半導体産業とともに存在感を失っていたが、TSMCの市場進出決定で流れが完全に変わると日経新聞は評価した。「サプライチェーン企業、大挙集結・・投資額のみ22兆ウォンを超える(※見出し)」。1兆円規模の工場が入り、周辺交通インフラや不動産にも大きな変化が生じたと伝えられる。日本現地では開所式を迎えたTSMC第1工場がもたらす経済波及効果が、2031年までの10年間で6兆8000億円に達すると推算している。これに、近隣地域の土地価格は30%以上上昇し、JR列車は工場に通勤する人々で賑わうと日経は伝えた。TSMC職員が台湾から続々入ってきて、昨年10月23日末基準で熊本県で働く台湾国籍者は744人で前年144人に比べて5倍増加した。
増える物流に対応するため、高速道路整備と海外交通を支援する空港、アクセシビリティ向上改善作業も進行中だ。 工場から南に約5キロ離れた熊本空港は、半導体輸出の主要拠点となる見通しだ。TSMCが日本熊本に工場を建設することになり、他の半導体関連企業の資本投資も続いたと伝えられる。日本国内の主要半導体企業とサプライチェーン担当企業が大挙集まっている。2021年4月21日以降、74の大企業が工場・基地を新築したり、設備を増設すると明らかにした。その投資額だけで2兆5500億円に達することが分かった。日本は工場が誘発する経済的効果に大きな期待をかけている。九州経済研究組合は、第2工場2兆円の投資を含む2021~2030年の経済効果が、山口県と沖縄県を含む九州経済圏で20兆円に達すると推定した(イーデイリー)・・>>
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