「医師が一人出れば家門(※親族共同体)が栄える」という言葉の意味

2回くらい取り上げましたが、ユン政権が医科大学の大幅な(2000人)増員の発表し、韓国では医師会と政府の間で『力比べ』が行われています。実はこれ、最近韓国社会でもっとも話題になっている事案でもあります。その中でも特に問題になっているのが、専攻医(研修医、インターンやレジデント)の辞職です。大学病院など韓国の総合病院は研修医比率が他国より高く、地域や病院にもよるものの、おおまかに日本が約10%、韓国の場合は40%だとされています。彼らが一気に辞職してしまうから、医療システムに空白が発生するわけです。政府は免許停止などの協力な措置を話し、医師会がまた反発する、そんな力比べが続いているわけです。

この件で大統領の支持率は上がっていると聞きますし、研修医たちにも免許さえあれば他に選択はありますが・・患者たちはどうなるのか、心配です。そんな中、CBS(ノーカットニュース)が、どちらかの問題だとする前に、社会全体が『お金という側面ばかり』見ているのが根本的な問題ではないのか、という記事を載せました。一般的に、医師や病院などに対し、『私に害を与えることで利益をあげようとしている』と思う人たちが多く、医師側もまた、『医師を一人に輩出できれば、家門(※家族・親族共同体)が栄える』という考えを、すなわち大金持ちになれるという考えを持つ人たちが子を医師に育てるので、結局はそういう考えで対立が起き、政府対応もそういう側面を土台にするしかない、という内容です。なんか、いままで本ブログで書いてきた内容と一脈相通ずる部分があるような、そんな気もします。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※仁川市医療院長ジョスニョン氏の発言内容)このすべての件の根本的なところは、韓国の医療が公共性がないために起こることです。国家が保健医療を見る視点自体が、公的に見るのではなく、民間営利の利益追求を中心にするシステムとして見ているわけです。医療訴訟も同じです。日本のような場合、医療事故の問題で起訴される比率が、韓国の20分の1しかありません。イギリスのような場合は、200分の1だと聞いています。どういうことかというと、これらの国は我が国より公共性がずっと高いという意味です。公共性が高いという話は、言い換えれば「医師は、お金を稼ぐために私をきずつけたりしない」という信念があるという話しなんです。しかし、我が国の患者たちは基本的に「お金を稼ぐため私をきずつけたから、その医師がバイ◯ョウすべきだ」こういう態度を持つようになるのです・・

 

・・しかも、医師に求めないと、どこに行って受けとる方法がありません。社会福祉が弱いからです。だから、どんな手を使ってでも、「私は、医師からお金を受け取らなければ、私はどうしようもなくなる」、そう思うからありったけの力で訴を起こすわけです・・・・全世界どの国に行っても「病院でお金を稼ぐ」ということはありません。これはほとんど我が国でしか通じない論理です・・・・保健医療でお金を稼ぐのは、どの国でも一般常識ではありません。我が国ではまるで病院をして、医師を一人育て上げれば、それだけで家門が栄える、とします。開業して建物を買って土地を買って、総合病院を建てて、さらには大学まで建てる国は、ほとんどここしかないと見ればいいでしょう。だからこういう概念を変えなければなりません(CBSノーカットニュース)・・>>

 

家門が栄えるというか、私が聞いたのは・・たしか、「家門を立て直す」でした(ソース記事でも見出しでは「立て直す」になっていますので、記憶違いではないと思われます)。随分前です、あれ、軍人さんが大統領やっていた頃の話です。でも、あのときは医師ではなく検事でした。時代によってこういうのも変わるのでしょう。当時は検事はほんとうに何でもできる職業だと思われていたので、検事になるための試験に合格するため、寺に入って数年も勉強する人たちが少なくありませんでした。引用記事は医療関連ですが、時代の流れによって、その対象は変わる・・というか、全般的にそういう認識になっているのではないか。家計債務とか、融資で投資するとかの話がまだまだ溢れている中、そう思わざるを得ない今日この頃です。『責任感(自己責任も含めて)』と書けば単語一つでまとめられる気もしますが・・私もまた、ちゃんと次の先生に引き渡したとはいえ、新しい人生を求めてここまで来た一人。責任という言葉をはっきり書いていいかどうか。

 

 

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