韓国、合計特殊出生率0.72人・・ソウルは0.55人、2023年10~12月0.65人、今まで使った予算は約38兆円

最新データが発表されるたびに、大手からネットメディアまで韓国のほぼすべてのメディアが盛り上がる、合計出生率関連です。今回は新しいというより政府による確定値の発表ですが、2023年合計特殊出生率が0.72人と発表されました。ソウルの場合は0.55人で、盧武鉉政権のときから首都機能の一部移転が行われた「セジョン市(特別自治市として別枠です)」以外は、すべての自治体が1.0人未満でした。来年は0.68人と予想されており、すでに2023年10月~12月は0.65人まで下がっています。いままで政府が使った予算だけで389兆ウォン、約39兆円。誰もが予想していたとはいえ、多くのメディアが、なんというか、むなしさに近い論調の記事を出しています。

その中でも特に、去年10月~12月期、ついに合計出生率が0.65人まで下がったことに、多くの記事が注目しています。実はこれも前から言われていて、本ブログでも取り上げたことがありますが・・いままで期間別(3ヶ月単位)データで0.6人台が出たのは、初めてです。1~3月期0.82人、4~6月期0.71人、7~9月期0.71人、そして10~12月期0.65人。ちなみに2022年10月~12月期は、0.7人でした。韓国では、1月~3月の出生率がもっとも高く、それから低くなるのが一般的ですが、それでも0.6人台になったのは今回が初めてです。

 

また、スピードが速すぎる、というのもあります。0人台になったのが、2018年からです。2017年に1.05人、2018年に0.98人、2019年0.92人、2020年0.84人、2021年0.81人、2022年0.78人、2023年0.72人。ファイナンシャルニュースはこの件で、まさに出生率ショックとしか言いようがない状態が続いているとし、韓国内より外国のほうでびっくりしている、と指摘しています。全体出生児は23万人で、前年に比べて8%減少しました。2020年にはそれでも30万人でしたが。しかし、どの記事を読んでみても、『さらなる対策が必要だ』とはしているものの、詳しくどこをどうすればいいのかについては、何もありません。経済的なこととか、住居費が高すぎるとか、いつもの話だけが繰り返されています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・合計出生率が、再び記録を塗り替えた。去年10~12月期の合計出産率は初めて0.6人台(※0.65人)になった。年間基準ではやっと0.7人台(※0.72人)だと集計された。 統計庁が28日に発表した「2023年出生統計」によると、昨年の出生児総数は23万人で、前年比8%近く減少した。今年は21万人より少なく、合計出産率が0.68人になるだろう、という。私たちはもう数年間、出産率のショックの状態にある。これまであらゆる手段が動員されたが、これといった効果はなかった。10年間で300兆ウォンを超える財政を投入したが・・

・・統計を見ると、出生率が低いそれ自体も問題だが、ここまで急すぎるのは他に類例がない。合計出生率は2015年(1.24人)を頂点として、8年目下がりつつある。年間出生児数は2017年に40万人ラインとり少なくなってから、2020年に30万人、2022年に25万人まで減少した。韓国のデータをめぐって、海外ではさらに驚いている・・・・最近米国ニューヨークタイムズは、2週間で800万ウォンがかかるソウル江南の「産後調理院(※出産後療養する施設)」体験ルポ記事で、韓国の低出産の理由を分析した(※原文ではなく韓国メディアの紹介記事を読みましたが、高すぎるけど、入らないといけない雰囲気があって仕方ないとかそういう内容でした)。それだけ、私たちの出生率を不思議に思っているのだ。

 

もっとも現実的な要因は経済的な費用である。1人当たりの所得に対する養育費が最も多い国が韓国という報告書もある。最近、北京人口政策研究機関が出生後18歳まで子1人を育てるのにかかる費用を国別に比較したところ、1人当たり国内総生産(GDP)対比中国が6.3倍で2位、韓国は7.79倍で1位になった。このような数値を挙げなくても、出産や養育費、教育費に至るまで韓国の両親に、言葉にできない負担が続くということを、もう知らない人はいない(ファイナンシャルニュース)・・>>

記事引用部分内の養育費関連ですが、これも本ブログでは取り上げませんでしたが、なんかCNNなどもこのデータを報じたそうで、そこそこ話題になっていました。韓国7.79倍でダントツ。中国6.3倍で2位、イタリア6.28倍で3位、イギリス5.25倍、ニュージーランド4.55倍、日本4.26倍、米国4.11倍、などなど(朝鮮日報、2月23日)。所得関連だと、福祉国家は体感的にずいぶん異なるのでは・・な気もしますし、家計債務などで返済にかかる費用も考えないといけない気もします。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)」が発売中です(2023年12月21日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。