中国の両会(全人代と全国政治協商会議)で、サプライズと言えるほどの景気浮揚策は提示されませんでした。今年は、1993年から行われた総理の記者会見もしないそうです。そんな中、韓国経済など複数のメディアによると、ゴールドマン・サックスのCIO(Chief Information Officer)が「中国への投資はしないで」と話して、話題になっています(合わせて紹介します)。そもそも5%成長というのが、新型コロナ期間の基底効果ではないのか、そもそも去年のデータ透明に公開されているのか、政策は一貫しているのか、などの指摘もありました。YTNの報道によると、韓国の投資家たちは1月と2月、中国側にかなり投資した、とのことでして。グローバル資金が脱中国する中、株価上昇率が日米より高かったから、というのがその根拠だそうです。以下、<<~>>で引用してみます。梨花女子大学ソクビョンヒョン経済学科教授の発言部分です。
<<・・両会を起点に反騰するという希望のもと、相当な数の国内投資家の方々も、中国に今年初めから多くの投資資金を集めたのが事実です。年初から、中国のETFのようなファンドになんと3200億ウォンも国内投資家が投資資金を入れた、というニュースもありました。その後、2月には中国の技術株を中心にAI半導体が人気で、半導体株中心に直接投資資金も入るようになった、そんな報道もありました。その投資資金が実際に1月月から中国の証券市場、これは香港まで含てのものですが、それら証券市場の株価上昇率が米国や日本よりもむしろ高かったということで、投資資金が集まったとされていたのです。
ところが、それらの投資が、本格的な中国証券市場の上昇傾向で支えられるようになるには、今回の両会で破格的な景気浮揚政策が出なければなりませんでした。しかし、今回の両会で発表された対策は、不動産浮揚政策でも、拡張的な財政政策も、前年に出てきた政策、既存の政策を繰り返しただけです。その規模、財政支出規模もGDP比で3%の財政赤字、これは当初明らかにしたことと同じ水準でした。このような財政支出を通じた景気浮揚政策も、サプライズもなく、規模もすごいとも言えず、中国の財政支出余力がもう大きくないことを示しています。経済政策の方向も一貫しない姿を見せたため、傾向として中国証券市場が急に上がると見るのは難しいと思います(YTN)・・>>
<<・・ブルームバーグとのインタビューで、シャルミン・モサバル・ラフマニ(※ゴールドマン・サックス)CIOは、「すべての顧客が私たちに似た質問をしていますが、私たちの見解は、中国に投資しないで、というものです」と明らかにした。彼女はまず今後10年間、持続的な経済鈍化が予想されることを理由として挙げた。それだけでなく、中国が現在までの成長の主要な軸である不動産市場、社会インフラ、輸出部門で弱体化し、困難を経験するだろうと述べた。彼女は、中国の政策決定に対する明確性が足りず、不十分な経済データなどが、中国の投資に対する懸念を大きくしていると付け加えた・・
・・中国指導部は、この1年間、情報セキュリティの重要性を強調し、統計局では一部の失業数値公示を中断した。 月曜日の北京では、中国の首相が数十年にわたって行ってきた、年次メディアへのブリーフィングを中断すると発表した。モサバル・ラフマニCIOは「全体的な政策方向が、長期的にどうなるかは不明だ」とし、「こうした政策不確実性では、一般的に、株式市場が一定ライン以上は上がらなくなる」と述べた。彼女は、中国が公式に発表する2023年の成長率5%の情報も、実際の成長率よりも高く発表したものであり、現在では顧客が中国に資金に移動させることを推奨しないと結論を下した(韓国経済)・・>>
超伝導体(に関連しているとされる会社)に投資するよりはまだいいかもしれませんが、この1月、2月に中国の株式市場に大規模投資をしたというのが、本当に「大当たり」好きだな・・としか。ちなみに、ゴールドマン・サックスは2月にも中国の不動産がさらに下落する可能性が高いとする報告書を出すなど、持続的に中国経済に厳しい意見を出しています。
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