バッテリー(二次電池)において、中国メーカーがどんどんシェアを広げています。電気車用のバッテリーの場合、世界1位とされるCATLだけで33.9%になる、とのことです。韓国のメーカー3社を合わせても24.4%になるので、中国メーカーの躍進がすごい、と(この部分だけMBC、11日)。本ブログで取り上げた記事だけでも結構な数になりますが、韓国メディアや専門家の間には、「半導体やバッテリーにおいて、韓国の技術力は代替できないため、米国も中国もそう強く出ることはできない」という主張があります。実際、「超格(※技術力の)差」という言葉が目立ちます。本ブログでは原文ママにすることもありますが、「超技術力」「技術力の差」などと訳しています。
しかし、LCDのときもほぼ同じ展開があったので、今回のバッテリーでも同じ事が起きるのではないか、メモリー半導体は本当に大丈夫なのか、そんな指摘をする人もいます。実際、個人レベルの話ではありますが、発表会などで中国のメモリーサンプルを見てきた専門家の中には、「ほぼ韓国に追いついたか、分野によってはもう超えている」と話す人もいます。そんな中、毎日経済が、ソウル大学材料工学部カン・ギソク教授の見解として、すでにバッテリーのほとんどの分野で中国メーカーが韓国メーカーを超えているという記事を載せました。グローバルサプライチェーンの再編において、明らかに乗り遅れているのが現状。『超』とは逆の見解でもあります。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・「韓国はバッテリーセル工程など一部の分野で技術的リードを依然として維持するだけで、ほとんどの技術領域で中国二次電池企業に逆転されています」。カン・ギソクソウル大学材料工学部教授は最近、毎日経済とのインタビューで二次電池分野の韓国の技術レベルをこう評価した。毎年、中国二次電池企業の技術力が急上昇し、すでにほとんどの技術領域で韓国を超えたということだ。教授は「二次電池関連論文数や特許数、関連研究人材ともに、中国と差が広がっている」とし「人材の場合、韓国二次電池企業3社の研究人材の総合が中国CATLの研究人材の10分1 水準に過ぎないという分析もある」と話した。続いて「技術力の差が広がるとともに、中国企業のグローバル二次電池市場シェアも急上昇している」と付け加えた・・
・・カン教授によると、グローバル二次電池市場でハイエンド(高級)市場は韓国が、低価格市場は中国がリードしてきた。中価格市場は競争が激しかった。しかし最近、中国企業が先取りしたリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーが中間価格市場に参入し、流れがが変わっている。カン教授は「これにより、全ての二次電池市場で、中国の優勢が加速している」とし「中国二次電池の影響力はより大きくなっている、ということ」と話した。さらに中国はバッテリー関連の核心鉱物サプライチェーン市場で圧倒的な位置を占めている。陽極材を作るには「前駆体」という物質が必要だが、原料を前駆体にする一次処理も中国で行われる。カン教授は「中国はバッテリー核心鉱物への最大投資国としてサプライチェーンでの優位を維持するとみられる」と話した(毎日経済)・・>>
少なくとも、超技術がどうとかの話は、説得力においてパッとしないという指摘です。ちなみに、半導体においても、メモリー分野では強いけど、それ以外まで含めると、見方が変わってきます。2022年、韓国産業研究院(KIET)が出した報告書の内容ですが、2021年データ基準・半導体産業の総合競争力において、米国が96(スコアが高いほど競争力がある)で最も高く、台湾が79、日本が78、中国が74、韓国が71、EUが 66でした。韓国の場合、メモリー半導体分野では87で高い競争力と評価されたものの、システム半導体分野では63で、調査対象の中でもっとも低かったとのことです。こちらも、「超」でなんとかしていいのか、と。
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