また「大統領辞任」関連記事・・朝鮮日報「総選挙で野党が勝ったら、ユン大統領は辞任を」

多くのメディアが来月(4月10日)の総選挙関連記事を出しています。選挙6日前からは世論調査結果公表などもできなくなるので、多分、こういう記事もラストスパートに入るのでしょう。前にお伝えした内容から、大きな変動はありません。与党が過半数取れるという話が出て、それから2週間も経たずに、今度は各地の調査で野党候補が有利と出て、「共に民主党が過半数取る」という話が出たり、与党の重鎮から「大統領はもう前に出ないほうがいい」と公言するなど、結構揺れています。

専門家たちの間でも結構意見が分かれていて、中にはまだ与党『側』が過半数取れるという主張をする人もいます。ただ、後述しますが「比例政党」まで合わせると、むしろ(共に民主党だけならわからないけど)「野党『側』」が過半数取る可能性が高いのではないか、という予想が目立っています。韓国の比例代表関連制度はユニークです。総300議席のうち、47議席が比例代表です。ですが、普通の地域区(選挙区)で多くの議席を取った、いわゆる巨大両党(国民の力、共に民主党)は、比例代表を得ることができないようになっています。両党による国会『支配』を避けるための措置、となっています。

 

これで、普通の地域区では候補を出さず、比例代表「だけ」を出す政党が現れるようになりました。これを比例政党と言います。しかし、その巨大両党が、「じゃ、私たちも小さな政党を作って比例代表を出して、後で統合すればいいじゃない」と、国民の力も共に民主党も、小さな政党を作りました。このような比例政党を、『衛星政党』とも言います。前回の総選挙から、「もとの趣旨はどこいった」と話題になりました。今回はこの比例政党で、一時は文在寅大統領の後継者とされていた曺国氏も比例政党を作り、最近、比例政党のなかではかなりの支持を集めています。彼は共に民主党と仲がいいとは言えませんが、野党側、いわゆる『左』側なのは言うまでもありません。

そう考えると、与党側(与党+与党の比例政党)と野党側(野党+野党の比例政党+その他の左側)で考えると、野党側が有利ではないのか、もし共に民主党が過半数取れなくても、左側が過半数を取るのではないか、そんなところです。そんな中、朝鮮日報の元主筆キム・デジュン氏が、また同じ主張をしました。内容は、ユン大統領は『大きな』野党相手によくやってきたとしながらも、来月の総選挙で野党が勝ったら、ユン大統領は辞任したほうがいい、という内容です。いまの選挙制度になってからの大統領たち(盧泰愚~文在寅政権)、スタート時は全員「国会ねじれ」状態だったけど、次の総選挙で勝利し、国会ねじれを解消して、それで政権を維持できた、とのことです。唯一、朴槿恵氏だけ逆だった、とも。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・多くの評論家たちが、有権者の分布は「国民の力(※与党)」40%、民主党(※共に民主党、最大野党)40%に分けて、勝敗を決めるのは20%の浮動層だと見ている。今、左右に先鋭に分かれた中で、誰がどんな論理を広げても、支持政党をすでに決めている人たちには何も効かなくなっている。結局、キャスティングボートを握った浮動層の判断に頼るしかない。選挙の結果、民主党が第1党になるなら、政局の主導権は李在明代表のものになるしかない。ユン政権にできることは何もない。そのような状況では、ユン大統領はもはや名前だけの大統領の席に座っていることなどできない。国の混乱を避けるために、彼の決断が必要かもしれない(朝鮮日報)・・>>

 

キム・デジュン氏は、前にも同じ趣旨のコラムを載せたことがあります。ただ、ユン大統領をそこまで問題視しているわけではありません。引用部分にはありませんが、今回も「巨大野党相手によくやっている」「保守支持の人たちは彼にがっかりしたというけど、彼は大統領として一つ一つ学んでいる」などとしています。しかし、それでも、今回の選挙でまけるなら、1日でも早く辞任したほうがいい、もう休んでくれ、というのです。辞任したからって、なにか変わるのでしょうか。与党のリーダーであるハンドンフン氏が大統領候補になって、次の大統領選挙を予定より早く行ったところで、結果はどうなんだろう・・としか。

個人的には、安哲秀氏、元喜龍氏など与党の主力メンバーが、それぞれの選挙区の支持率調査で遅れを取っている、というのが気になります。元喜龍氏の場合は、相手が共に民主党代表李在明氏です。 で、最後にまた告知です。今日の更新はこれだけです。うーん・・今週、ちょっと更新が不安定になりそうです。日曜に休んだばかりなのに、申し訳ありません。次の更新は、明日28日(木曜)の11時頃です。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)」が発売中です(2023年12月21日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。