予定通りなら、香港では今日から「碧桂園」の株式取引が停止されます。これは香港取引所の規定によるもので、期限(実質的に3月28日)まで決算を開示しなかったからです。韓国では聯合ニュースなどが報じています。他にも、決算発表しないとか、中国不動産関連でいろいろニュースが出ています。経済指標が好転したというニュースもありますが、どうもパッとしません。韓国と同じく、中国で不動産市場が沈滞に向かうと、それが経済にどのような影響を及ぼすのか・・想像もできません。本ブログで取り上げてきた韓国経済、特に債務による不動産投資関連の話は、中国も同じ。ただ、『もし管理できなかった場合、どうなるのか』。それが、中国でもっと大きく、そして確実な形で表れている・・そんな気がします。まず、記事を引用してみます。<<~>>が引用部分です。
<<・・中国の不動産リスクが、緩和の兆しを見せるどころか、さらに深くなる姿だ。主要不動産開発会社の1つは実績発表を延期し、もう1つは純利益が記録的に減少したとブルームバーグ通信などが29日(現地時間)報道した。かつて売上基準で中国最大住宅建設会社だった碧桂園(カントリーガーデン)は前日遅く急な発表を出した。債務調整作業が複雑で、より多くの時間が必要だという理由で、来る31日の年次実績発表の締め切りに合わせることができないと明らかにしたのだ・・
・・また、上場された不動産開発会社では最大規模だった萬果(Vanke)は、昨年純利益が46%急減したと明らかにした。1991年上場以来最大の下落幅で、専門家たちの推定値を大きく下回る内容だった。一部の銀行の不良債権の急増とともに、2大企業のこの発表は、中国の脆弱な経済と不振な消費者信頼が住宅販売に与える負担をそっくりそのまま明らかにしたというのが、ブルームバーグの説明だ。中国当局が不動産市場の活性化を図っているが、先月は新築及び既存住宅ともに年間価格下落幅が拡大したことが分かった。両社ともに、わずか1年前だけでも、同種企業が続々と倒れる中、それでも大丈夫だと言われていた会社だ。しかし、碧桂園は昨年10月にドル化表示債権に対する債務不履行で市場を揺るがした。碧桂園は実績発表の期限を守ることができず、イースターの休日以後、香港証券市場が再び開かれる4月2日、取引中断の可能性が大きいと会社側は公示で明らかにした。
萬果の場合、昨年の純利益が122億元(2兆3千億ウォン)で前年度に比べて46%減少し、これはブルームバーグのアナリスト調査で現れた14%減少見通しより大きかった。売上も7.6%減った。萬果は今後2年間、債務を1000億元(18兆6000億ウォン)まで減らすと、上場後初めて配当計画を出さなかった。中国では、もう一つの不動産業者の恒大集団(エバーグランデ)が世界で最も債務が多い企業とされながら債務不履行状態にあり、清算リスクに追い込まれている(聯合ニュース)・・>>
中国に対する各メディアの記事ですが、普通に外国メディアの記事を紹介するものが増えてきました。いままでは他国のメディアよりは多少控えめでしたけど、最近になって増えてきました。ソース記事の聯合ニュースもそうですが、引用はしませんがSBSなど大手メディアもまた、中国経済についておもわしくない方向の記事を取り上げるようになりました。ただ、「さほど話題にならない」状態です。去年、中国不動産市場の問題が大きく報じられたとき、当局及び各メディアが「韓国『不動産』市場には大した影響はない」としていました。あのとき、個人的にはかなり驚きました。不動産沈滞というのは、単に不動産価格以上の問題です。中国経済の成長、消費などが急減する可能性があるという話なのに、あれだけ「安米経中」を主張していた人たちが、「うちの『不動産』市場には影響ない」とだけ強調していたことに、驚いたわけです。それが、不動産だから不動産だけ、という影響で済むのでしょうか。
一時よりは少なくなりましたが、一部の専門家・メディアはまだまだ「知中」という言葉を用いるなど、「大丈夫だ。中国について知らないでいるだけだ」という記事を出しています。たとえば昨日も韓国経済に、大手証券会社の中国専門家が「中国不動産価格は4~6月期を過ぎてから上昇する」「外国の資金が中国に戻りつつある」とする記事が載ったりしました。相応のデータをもとにして予想するものなら別にいいですけど、なんか、全般的に『中国だから大丈夫』というのを論拠にしている・・そんな側面もあるのではないか、そんな気がしてなりません。
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