岸田総理の米議会演説、韓国政府とメディアの反応は・・外交部が出したコメントは1行だけ

総選挙関連ニュースが多すぎであまり目立たないでいますが、韓国メディアも岸田総理とバイデン大統領の日米首脳会談、及び岸田総理の米議会演説について多くの記事を載せています。もっとも多いのは、議会演説で過去のことについて何の言及もなかったことです。安倍元総理も言及したのに、これはどういうことだ、というのです。安倍総理が言及したからこそ、もう言及する必要がないという見方もできますが、そこまでの意見が出るはずもなく。韓国政府(外交部)はこの件について、「日米関係に集中した演説だから」という一行だけのコメントを出しました。

演説は概ね好評で、15回のスタンディング・オベーションがあったとのことですが、ウクライナ支援など一部の部分では、支援に反対している一部の議員が立たなかった、とも(中央日報)。一部のメディアは「日本のSNSなどで岸田総理の訪米を批判する声が多い」とか、演説などに交えたジョークのことで「ユン大統領のジョークほどインパクトはなかった」とか、そんな記事も出していますが、概ね「日米同盟が経済安保においてどんどん重要になっていく」としながら、危機感を示しています。中には、日米が共同で防衛産業を展開すれば、韓国の防衛産業は輸出が減るのではないか、という記事も出ています(CBSノーカットニュース)。米国の同盟国としての立場、または状況の判断などにおいて、相変わらずとしか。「素直ですね」とも言えますが。以下、両紙の記事を<<~>>で引用してみます。日米の間の協力事項などは11日に書いたので、今回は省略します。

 

<<・・過去のことを言及しなかった今回の米国議会演説は、与党の総選挙結果という国内状況とも相まって、両国関係に影響するだろうという展望も出ている。ユン政権主導で「第三者による弁済」を通じて解決法を提示したのが1年前だが、進展が円滑ではない。ポスコなど国内民間企業の貢献で財団を通じて行われているが、日本企業の貢献は今まで行われていない。日本側に「誠意ある呼応」を要求してきたユン政権としても、総選挙でまけた直後、岸田首相のこのような議会演説は、負担になるしかないという意味だ・・・・外交部当局者は12日、この件について「今回の岸田首相の米議会演説は、日米関係に重点を置いてなされたことだと知っている」という一行だけの短い立場を明らかにした・・

 

・・「岸田演説15回スタンディングオベーション、しかし温度差も」(※見出し)一方、今回の岸田首相の米国議会演説では、発言内容によってスタンディングオベーションにも温度差が現れた。岸田首相は2022年事態以後からずっと言及してきた発言を今回の議会演説でもした。「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」とウクライナに対する米国の支援を訴えた。岸田首相の後ろ側にあったカマラ・ハリス副大統領を含め、議員の大半は立ち上がって拍手を送った。しかし、ウクライナの支援に反対している共和党所属のマイクジョンソン下院議長は拍手しなかった。トランプ前大統領の側近とされるマジョリー・テイラー・グリーン下院議員など共和党議員たちも、立たなかった(中央日報)・・>>

 

<<・・このような日米間の密着には、中国牽制のため米国のインド・太平洋戦略に日本を核心助力者として参加させて、費用も分担しようとする米国の本音が入っている。これを知らないはずのないが、日本しては遠慮する理由などない。日米の間で格上げされた「同盟」をきっかけに、「普通国家」への動きを加速できるからだ。また、日本の役割を全世界に拡大させるこの上ない機会が来たのだ・・・・日本と米国が安保協力を強化することで合意し、日本の防衛産業は新たな機会を迎えたが、世界の防衛市場では韓国の立地が弱くなる可能性があるという懸念が出ている・・

・・日米両国は具体的防衛産業協力対象として、ミサイルと最先端の戦闘訓練機を共同開発・生産したり、前進配置された米海軍の軍艦及び米空軍航空機を日本の商業用施設で共同維持する事例を紹介した。日本は今回の首脳会談を通じて、米国で軍艦のMRO(Maintenance、Repair and Operation・維持補修)業務を確保することになった。 これは韓国でも関心が強かった事案だ。また、米空軍航空機MRO対象に第4世代航空機を含むという内容も入った。日米間ミサイル及び対空防御体系協力も、韓国のミサイル関連製品輸出に影響を与える可能性がある(ノーカットニュース)・・>>

 

韓国としては、防衛産業よりもっと広い範囲の経済安保(半導体やAIなども含めて)の市場を気にしたほうがいいのでは・・な気もします。いまのところ、半導体とかAIとか、いわゆる経済安保において、日本は良い流れに乗っています。しかし、結果が出るまではまだまだ、時間が必要です。日米ともに新しい首脳の時代になっても、なんとかこの流れを維持できれば、と願います。財団の財源ももうすぐなくなるという話もありますが、韓国政府・企業がなんとかすべき案件でしょう、それもまた。コメント欄があるサブエントリーに、高遠城址公園の桜の写真を載せました。本当に良い場所でした。興味のある方は、ぜひご覧ください。それでは、また明日。

 

 

おかげさまで、新刊「韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)」が発売中です(2023年12月21日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

  ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>です。若い人たちと高齢の人たち、女性と男性、「私たち」と「それ以外」、こっちとあっち、私と他人、豊かな人たちとそうでない人たち、様々な形で出来上がった社会の壁、「分断」に関する話で、特に合計出生率関連の話が多めになっています。・新刊<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。「韓国人として生まれた」より「日本人として生きる」を上位の概念にしたのはなぜか。なぜ名前を変えなかったのか。一つ一つ、自分なりの持論を綴りました。 ・刊<韓国の借金経済(扶桑社新書)>、<日本人を日本人たらしめているものはなにか~韓国人による日韓比較論~>も発売中です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。