韓国与党「国民の力」、総選挙結果に疑惑を提起

韓国の与党「国民の力」から、10日に行われた総選挙で、不正があったのではないかという疑惑が提起されました。ただし、迂回的というか、かなり曖昧な表現になっています。普通、こういうのは野党が与党に対して提起するものですが・・なんでこうなったのか。一般的に、韓国では「期日前投票(韓国では事前投票と言います)の投票率が高いと、民主党系(共に民主党など、左側の政党)に有利」ということになっています。今回の総選挙も、当日の投票分だけだと国民の力が勝ったという分析があります。今回、期日前投票がかなり多かったとされていますが・・

選挙直後から、一部の与党議員たちが、期日前投票の数が水増しされた、と主張していました。「またこういう話か」と、本ブログでは取り上げませんでしたが・・なんと、ついに政党レベル、すなわり首席スポークスマンの論評で、この問題を提起しました。『問題があった』という表現ではなく、『問題があったと言われているので、選挙管理委員会はこの件をちゃんと調べて、不必要なさわぎを止めるべきだ』という内容です。デジタルタイムズ、聯合ニュースTVなどが報じていますが、各記事によると、『検証』して、『透明に公表』することを主張しており、どう見ても検証要求です。与党自ら疑惑を提起することに負担があるから、こんな言い方をしているのでしょう。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・「国民の力」が、4月10日の総選挙以後、初めて選挙管理に関する疑問を表わし、中央選挙管理委員会の対応を要求した。特に、ユン大統領も初日参加した総選挙期日前投票管理に関して「選挙人数が水増しされた」疑惑提起が相次いでいる、とした。期日前投票は通常、民主党陣営支持層の参加度が高いとされている。国民の力は16日午後、首席スポークスマンの論評を通じて、「第22代国会議員選挙終了後、一部で期日前投票選挙人の数が実際より多くなっているなどの疑惑が提起されている」とし、「公正性と信頼性向上のためには、中央選官委は行政安全部と積極的に協力して、不要な議論を止めなければならないだろう」と明らかにした・・

・・首席広報担当者は「選挙結果に対する国民の信頼を確保するためには検証可能な部分を先制的に検証し、透明に公表する必要がある」と話した。保守側の一部からは、30%を超えた今回の総選挙期日前投票率と、野党側の比例政党、祖国革新党の得票率躍進などに「水増し」疑惑を提起してきた(デジタルタイムズ)・・>>

 

真っ先に思い出すのが、朴槿恵氏と文在寅氏の大統領選挙です。当時、朴槿恵氏が大統領に当選しましたが、左側支持者たちから選挙(開票)に不正があるという騒ぎが起きました。文在寅氏本人が「選挙結果を認めてください」と支持者たちに直接お願いしたりしました当時の文氏は、左派政治家ではありましたが、それなりの温和な側面がありました。しかし、支持者たちはそんな文氏に見きりをつけました。それからしばらくは、文氏は影の薄い存在になります。

彼が復活したのは、朴槿恵大統領のいわゆる「国政壟断」のときで、文氏は朴槿恵大統領を誰よりも強く非難しました。個人的に、その前とは完全に別の人になっていた・・そんな気がしました。思えば、憲法前文に書いてある「419精神」もそうですが(イスンマン大統領を退陣させた大規模デモのことで、きっかけは政府の不正選挙でした)、選挙、詳しくは「結果」に関する問題はずいぶん前からありました。今回の件も、「またかよ」と思われた方、多いことでしょう。

 

また、関連したニュースですが、ユン大統領が国務会議で総選挙結果について、「できるかぎりやってきたのに、国民にちゃんと『伝わっていない』」と話し、また話題になっています。言い換えれば、「やってきたことには問題ない」という意味です。与党では『ユン大統領が総選挙結果について対国民談話などをする必要がある』という意見が強かったですが・・総選挙関連でユン大統領が初めて意見を出したのが、この「伝わっていない」で、しかも国務会議での発言でした。与党議員たちも、かなり不満があるようですが・・はてさて。

 

 

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