ただいま、帰ってまいりました。京都で伏見稲荷大社にお礼参りをし、奈良公園と奈良国立博物館を見て、それから帰宅して韓国に向かう結構ハードなスケジュールでしたが、なんとかなりました。明日(3日)ちゃんと起きられるかどうかわからないので、3日の朝のエントリーとして、一つ更新いたします。
圧倒的な数のテナントが入っている雑居ビル(自営業者が多いこととも関係しています)、高くそびえている高層アパート団地(空気がパッとしないので遠くの山などは見えもせず、なにかのジオラマみたいな気がします)、そして、聞こえてくる言葉遣いがあらいこと。この3つで「ああ、韓国に来ているんだな」とわかりますが、今回は久しぶりに労働組合のデモを目撃しました。上の写真、天安市というところのバスターミナル近くです。5月1日が労働節(労働者の日)だったので、所属しているいくつかの団体が合同でデモを行ったようです。
写真だとわかりづらいかもしれませんが、車道の手前側をほとんど封鎖しています。ターミナルの前ということもあって、バスやタクシーの運行が大変なことになっていました。合法的な集会だとのことだし、衝突があったわけでもないですが、「地方都市でこれかよ」よ、まだまだ労働組合側の力が強いと実感できました。主張しているのは、ユン大統領の退陣などでした。ただ、4月20日にもエントリーしたばかりですが、こんなに労働組合が力を持っているのに、なんでこんなにも賃金未払いが多いのか、それが気になります。確か、集会にはどこかの建設側の組合も参加し、賃金未払いについて言及がありましたが(スピーカーからの音が響いてハッキリは聞こえませんでしたが)、どうもそこまで急な案件を語っているようには見えませんでした。歩道近くの組合員たちはなにかニヤニヤしていたし。
もともと、賃金未払いは大きな社会問題でした。それが、今年は去年より40%も増え、上半期だけで1兆ウォンを超えるのではないか、と言われています。いままでは最高記録が年1兆7845億ウォン(去年)でした。「2017年~2021年までの5年間、未払い賃金が7兆ウォン。同期間の日本の未払い賃金に比べると14倍規模」とされている、賃金未払い問題(朝鮮日報、2022年6月4日)。いままで政府もいろいろと対策を打ち出しましたが、これといって効果がありませんでした。これについては、ソース記事は本エントリーと異なりますが20日にもエントリーしましたので、興味をお持ちの方はお読みください。そして、ちょうど5月1日にも、国際新聞が同じ案件を記事にしています。20日の内容を補完するような内容ですが、賃金未払いを実際に払うより、罰金を払ったほうがずっと得だ、ということでして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・勤労提供の対価である賃金を受けられない労働者が急増している。今年1月~3月の賃金未払いは5718億ウォンに達する。昨年同期間より40.3%上がった。上半期だけで1兆ウォン突破は見えてきたといえる。いままでで最大だった昨年の1兆7845億ウォンを上回るのも時間問題だ。 中小企業と小商工人の割合が高い釜山はさらに深刻だ。1月~3月期の賃金未払いが1年前より61%増えた344億ウォン、4899人に達した。賃金未払いは、家計の経済を崩すことになる・・・・今日、労働節が、うれしいはずがない・・
・・賃金未払いが起こった原因は、不況と建設業の低迷だ。2021年(1兆3504億ウォン)と2022年(1兆3472億ウォン)減少していた賃金未払いは、高物価・高金利・ウォン安の昨年、32.5%増加した。 低賃金、短期・日雇いの多い建設業は、危険水位を超えている。不動産プロジェクトファイナンシング(PF)の萎縮が長期化し、昨年、全体の賃金未払いの24.4%(4363億ウォン)を占めた・・・・政府が「事業主に協力に対処する」と何度も予告したが、懸念は続いている。昨年9月、労働部と法務部は、共同談話文を通じて、「(※賃金未払いしても)罰金を払えばそれだけだ」という認識を変えるといった。統計だけを見れば、政府の措置は効果がなかった。労働側によると、「今も、罰金額が滞納額の30%水準」だ(国際新聞)・・>>
ここからはデータ無しの話になりますが、先の集会を目の前にし、スマホでこんなニュースを見ると、『労働界』が強いのか弱いのか、まったくわかりません。けっきょく、労働組合もなにも、自分側(自分側に参加している組合)『だけ』が強くなればいい、と思っているのでしょう。次の更新は、午後2時~3時頃になります。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。