韓国、庶民を狙う違法金融業者「サグミュン」の魔手・・利子7万3000%の事例も

市場とされるものがすべてそうですが、金融市場は特に、『想定内の動きなのかどうか』を重視します・・というか、そんな気がします。金融政策が、短期的にいいのかどうかより、長期的に予想されていた範囲内で動いているのかどうかを重視するわけです。しかし、いまの米国は、今年中には基準金利を引き下げると予想されていましたが、どうもうまくいかないでいるようです。事実上、今年は金利引下げは難しいのではないか、ということになりました。これが世界的に大きな『揺れ』を与えている、今日この頃です。そしてその流れは、韓国にもそのまま影響を及ぼし、韓国銀行の総裁もまた「今年の金利引下げは難しい」と話し、事実上の金利政策の『やり直し』を宣言しました。

そういう流れの影響なのか、もともとそうだったのか、それとも私の気のせいかは分かりませんが、またもやサグミュン、サチェ関連の記事が増えてきました。『私(サ)』+『金融(グミュン)』でサグミュン、債(チェ)でサチェ。違法金融業者のことです。最近1~2ヶ月の記事だけでも、いろいろとすごい数字が出てきます。1000%とか、1万%とか、中には73000%という話も。以下、各氏から事例を<<~>>で引用してみます。

 

<<・・A氏は、2016~2018年に貸付業登録をしないまま債務者10人に7億ウォンを貸した。820万ウォンを借りた人には上限金利(※20%)をはるかに超える年1381%の利子を受け取った容疑などで懲役8ヶ月が確定された。A氏が10人から受け取った利子は4億6000万ウォンに達した(聯合ニュース3月4日)・・>> <<・・B氏一味は2022年7月から約1年にわたって債務者1900人余りに10万~200万ウォンを貸して・・・・彼らは主に30万ウォンを貸して1週間後に50万ウォンを返済させる、いわゆる「3050貸付」方式で債務者を誘引した。この方式は年利率で3476.2%。法廷上限の年利率20%を大きく上回る。B氏たちは1年間違法貸付業を運営し、債務者に借りたお金の7万3000%に達する利子を要求した事例もあると調査された(マネートゥデイ4月15日)・・>>

 

<<・・2021年8月から3ヶ月間、融資を受けようとする人々に手数料と先利子を引く(※貸出金を渡す時、利子分を先に引いてから渡す)などで・・・・130万ウォンを貸して8日後に利子70万ウォンを受けるなど59回にわたって5300万ウォンの利子収益を上げた。2021年11月~2023年7月には、息子などと一緒に手数料と先利子を引くなどで60万ウォンを貸して15日間利子で40万ウォンを受けるなど5053回にわたって計56億ウォンの利子を受けた。彼らが適用した年金利は現行法定上限金利である年20%の、最少で81倍の1622%から、最大で122倍を超える2456%に達した(国際新聞、5月6日)・・>>

 

 

引用部分にはありませんが、1600%~2400%で56億ウォンを取った違法金融業者の場合、裁判所は2年8ヶ月と追徴金17億ウォンを宣告した、とのことです。ソース記事(国際新聞)のコメント欄などには「2年8ヶ月耐えれば39億ウォンが儲かるわけか」と話題になっています。でも、これでもまだマシだとも言えます。なぜなら、少なくとも裁判までは行ったわけですから。2023年9月26日のKBSの報道によると、そもそも韓国では貸付業法違反で有期懲役を受ける割合が少なく、日本の6分の1にしかならない、とのことでして。

<<・・そもそも、韓国ではサチェ業者は警察にあまりつかまらない。昨年、貸付業法違反の疑いで警察に検挙された人は全員で1000人余り。この中で拘束された人はたった20人に過ぎない。 不法債権追審法違反の疑いで検挙された人は580人余りだが、拘束された人は2人だ。彼らは司法部に行っても大したことにはならない。5年間、貸付業法違反で有期懲役を受けた割合は全体の8%。同じ期間、日本の場合は全体の半分ほどだった。比率で日本の6分の1に過ぎない・・・・利子制限法には、未登録貸付業者にも最高金利20%を保障してくれるようになっている。サチェ業者は、違法で捕まっても、(※貸した金の)利子20%は保障される・・・・改正案が2020年作られたが、4年もの国会で係留中だ(KBS)・・>>

 

本題は終わりですが、ちょっと余談を。ちょうど数日前、親の墓参りと家族への挨拶のため韓国を訪問しました。資産の移動(韓国から日本へ)は去年概ね出来たので、最近は為替レートとかあまり気にしないでいましたが、最近円安円安とニュースで騒いでいたので「おっおっおっ、韓国から日本に送金するとお得かな?」と思って、韓国の口座に残しておいた資金の一部(家族の誰かを助けるとき、資産移動にともない予想できなかった税金が韓国内で請求されたときなどに備えて、一部を残しておきました)を日本に送金してきました。でも、去年送金したときと大差なくて(あるにはありますが)、なんだこんなもんか、と思いました。タイミングの問題もあったでしょうけど、韓国銀行としてはまだまだ金利引下げはできそうにない・・そういったところでしょうか。

 

 

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