韓国で「未来の主要産業(のようなもの)」扱いされている分野に、ウェブトゥーンがあります。私はプラットフォームに関係なく、自分で自分の好きなものを楽しめばそれでいいと思っています。でも、韓国ではそうではありません。こういうテーマになると、『既存のものはなにか間違っているもので、私たちがやっていることだけがすごいもので、未来的なもので~』という展開になるから困ったものです。その既存のものがどう間違っているのかにはこれといって説明がなく、ただ『古い』だけにします。詳しくは、それは間違っているものではなく、『勝てなかった相手』への不満を言っているだけではないのか、そんな気もします。
韓国では、マンガをマンファと言います。でも、これは漫(マン)画(ファ)の韓国語読みで、実は日本語です。ちなみにアニメは、最近はエニ(Ani)と言いますが、私の世代は一般的に漫画映画と言います(TV版でもこう言ったりします)。この件だけでもないですが、「意味する固有語がない」などが気になったのでしょうか。いつからか、ウェブマンファ、ネットマンファなどとされていたものをウェブトゥーンとし、いわゆるKカルチャーの主力として育てようとしました。個人的に、日本の漫画アニメが世界中で愛されているという事実がなかったら、韓国がここまでウェブトゥーンに力を入れることはなかったでしょう。
ですが・・どうもうまくいかないでいるようです。あくまで各社の問題で、事業そのもののことではありませんが、漫画関連で大きな市場とされていたところから、韓国ウェブトゥーン大手の撤収などが相次いでいます。朝鮮日報(朝鮮BIZ4月15日)、ソウル経済(2023年7月5日)、毎日経済(5月12日)などの報道によると、去年から、中国、フランス(ヨーロッパ)、東南アジアなど、からの撤収が相次いでいます。もともとネイバーやカカオなど大手1~2社に頼る構造だったので、これは大きいでしょう。そして、各紙、「結局は日本市場に主力するしかない」とのことでして。毎日経済記事、画像の部分のデータによると、『マンガアプリ』の市場規模(これは各国マンガアプリ全体のことで、韓国ウェブトゥーンだけことではありません)は、2022年基準で米国5億ドル、中国3.4億。日本に次ぐ漫画好きとされるフランスは、紙媒体が強いこともあって1億ドルだけ。でも、日本は16億ドルです。マンガ関連になると、日本パイセン流石です。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・ネイバーウェブトゥーンの中国事業を専門とするネイバーウェブトゥーンカンパニーが香港に位置するワトンエンターテインメント(Watong Entertainment)への投資金を全額損失処理した。中国市場は知的財産権の概念が弱いうえ、現地のプラットフォームが強調されており・・・・わずか2年前にワトンエンターテイメント有償増資に参加して追加投入した40億ウォンさえも、回収できないと判断したのだ。昨年末基準ワトンエンターテインメントの帳簿価額は5400万ウォンに過ぎない(朝鮮日報)・・>>
<<・・NHN(※ネイバーの会社)が東南アジアウェブトゥーン市場から撤収する。選択と集中戦略を通じてウェブトゥーン事業の収益性を引き上げようという趣旨だと分析される。5日、ウェブトゥーン業界によると、NHNは先月ウェブトゥーンプラットフォームコミコのタイ法人を売却した。2016年2月に初めてスタートしたNHNコミコタイは、東南アジアウェブトゥーン事業の拡大の役割を果たしてきた・・・・NHNはこれより先に2020年ベトナムでもコミコプラットフォームを披露したが、昨年サービスを終了したことがある。NHNはグローバルマンガ業界の主要市場である米国と日本、フランス市場に集中する予定だ。米国とヨーロッパ地域のウェブトゥーンプラットフォームであるポケットコミックス、国内と日本のコミコはそのまま維持する(ソウル経済)・・>>
<<・・カカオピッコマが欧州市場進出拠点である「ピッコマ欧州」法人撤収カードを取り出したのは、主力の日本市場に集中するという意味だと解決される。カカオピッコマは日本でウェブトゥーン・ウェブ小説プラットフォームを運営するカカオの子会社だ・・・・カカオピコマの主力市場である日本では、ビッグテックが潜在的なプラットフォーム競争者として浮上しており、緊密な対応が必要な状況だ。アップルとアマゾンはそれぞれ「バーティカルリーディングコミックス」と「アマゾンフリップトゥーン」というウェブトゥーンサービスを日本で発売した。日本最大規模の電子商取引業者である楽天は、ウェブトゥーンアプリである「R-トゥーン」サービスを開始した。「ドラゴンボール」「ワンピース」「ナルト」などで有名な日本「集英社」は、ウェブトゥーンプラットフォーム「ジャンプトゥーン」を発売する予定だ。 もう一つの日本の有名出版社の講談社は昨年、米国で「Kマンガ」プラットフォームを発売した(毎日経済)・・>>
プラットフォームを育てることももちろん大事ですが、まずは作品と作家が育たないと。いつだったか、テレビ番組だったと記憶していますが、中国のアニメ関係者が「(資金や技術も重要だけど)手塚治虫や宮崎駿が出てくれれば」と話しましたが、まさにそんなところではないでしょうか。ちなみに、最近漫画はあまり読んでいませんが(日帰り温泉に「はじめの一歩」があったので夢中で読んだりしましたが)、アニメは毎日皆勤賞です。旅行好きなのでゆるキャン△はかかせません。最近のは、EDの歌、「また来ようね」という部分が特に好きです。私も心から(レナに)そう言うことが多いので。昨日は上高地の明神池に行ってきました。素敵な場所でした。また行こうね~
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。