しばらく続報がなかった、韓国のCPTPP加入の件です。公式には、まだまだ「加入時期は未定」ということになっています。2022年、加入推進計画まで出しておいてなんでここまで動きがないのも妙ですが、ソウル経済(7日)の分析によると、大幅な遅延、または霧散の可能性が高くなったとのことです。理由は、共に民主党など野党の反発です。そもそも、4月に新しい通商政策を発表しながらこの件を再確認する予定でしたが、総選挙結果により、本件は何も言及されなかった、とのことでして。
記事は、CPTPP会員国が韓国のCPTPP加入を議論するには、10月予定の「閣僚会議」前には、韓国が加入を公式に申請する必要があるとします。CPTPP閣僚会合のことだと思われます。いま、台湾に続いてインドネシアが加入を希望しており、専門家たちは「今年10月の会合で議論されるチャンスを逃してしまうと、韓国の加入はかなり後になるだろう」、としています。記事は、「CPTPPは商品の生産過程で域内の材料を使用すれば、該当材料を国内産として認めてくれる『原産地累積認定』制度が適用される」ため、韓国が中国依存度をさげるためにはCPTPP加入が必要だとしていますが・・はてさて。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・サプライチェーン安定化のための「包括的・漸進的環太平洋経済同伴者協定(CPTPP)」加入が、霧散されるピンチにおかれた。CPTPP閣僚会議が10月に開かれる予定だが、総選挙以後、政府は加入申請のための最後の手続きである「国会報告」ができないでいるためだ。政府内・外では、野党が農業関連からの反発を懸念しており、CPTPP加入は難しくなったのではないかという分析も提起されている・・・・6日、外交情報筋と産業通商資源部によると、CPTPP懸案を議論する閣僚会議が早ければ10月頃に開催される。ハイレベルの外交関係者は「10月に開かれる閣僚会議で、加盟国が新規加入申請国に対する議論をするだけに、すでに公式加入申請をしていないといけない時期」と指摘した・・
・・2022年のCPTPP加入推進計画を議決した後、動きがない。当初、先月発表される予定だった「新通商政策」を通じてCPTPP加入を再公式化する方針だったが、野党が選挙で圧勝して、計画が不透明になった。専門家たちは、今回の閣僚会議の前に加入申請ができなければ、CPTPP合流時点がかなり遅れる可能性があると見ている。ねじれ国会局面を考慮すると、今後加入が容易ではないという見通しもある。政府ハイレベル関係者は「正確な場所と視点は未定だが、10月頃に閣僚会議があると知っている」とし「このままだと、CPTPP加入はさらに遅れるしかないだろう」と話した・・・・対中依存度を減らすためには、CPTPP加入が必須であることである。CPTPPは商品の生産過程で域内の材料を使用すれば、該当材料を国内産として認めてくれる「原産地累積認定」制度が適用されるためだ。 加盟国の中間財を使用すれば、原産地基準の充足が容易で、サプライチェーンを強化する効果が明確である・・
・・このような状況は、なにより、巨大野党の存在が大きい・・(※野党は基本的に反対しているという内容のあとに)・・政府もまた、総選挙以後、政策の推進力を失っている。「通商条約の締結手続及び履行に関する法律」によれば、産業通商資源部は、通常交渉を開始する前に国会所管常任委に関連内容を報告しなければならない。常任委の議決事項ではないが、国会報告をスキップして加入申請をすることは不可能だ。実際、政府内も、選挙が終わった後、無気力状態だ。アンドックン産業部長官も先月22日、齋藤健日本経済産業大臣賞との会談で、日本主導のCPTPP加入について「議題に上がらなかった」と明らかにした(ソウル経済)・・>>
もちろん野党が大きいから、というのもあるとは思いますが、記事には元政府ハイレベルの話として「いまのユン大統領には、CPTPPができる意志も力もない」というのが載っています。レームダック、といったところでしょうか。さて、今日もまたまた同じ告知で恐縮ですが、おかげさまで好評の拙著「Z世代の闇」の抜粋記事が、FNNプライムオンラインに掲載されました。すべて4つあります。もしよろしければ、ぜひお読みください。3つがコラム、1つが「国際」カテゴリーです。ありがとうございます。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。