韓国、ねじれ国会の影響・・政府が出した立法案の6割が国会を通過できず

誰もが予想していたけど具体的なデータ化は記事にならなかったこと、「ねじれ国会により、政府が立案した法案は本当に国会を通過できなくなったのか」という話です。昨日のヘラルド経済が、前の政権(文在寅政権)といまのユン政権の「政府法案(政府が立案した法案)」の国会通過率を比べてみたところ、文政権(任期スタートしてから2年間)では7割が通ったのに、ユン政権になってからは4割まで下がったことがわかりました。政府が出した法案の6割は国会を通過できないでいるという意味です。

しかも、文政権のときに比べると、政府法案の数そのものが減っており、これはユン政権になってからは(政権スタートからしてねじれ国会状態だったこともあり)政府側が出す法案の数を結構しぼったのではないか、という見方もできます。それでも4割ですし、5月22日に紹介したばかりですが任期2年で大統領による再議要求(大統領拒否権)は10回も発動しました。野党は「大統領が拒否権ばかりだすから」とし、政府・与党は「野党が反対ばかりするから」としています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・現国会の任期満了が近づいた中、ユン政権が国会に提出した政府法案が、半分以上も廃棄される手続きにはいっている。一方、文在寅政権が発議した政府法案は70%以上が国会を通過したことが確認された。共に民主党がユン大統領の「再議要求権(拒否権)濫用」を批判しているが、過半議席を持つ巨大野党が政権によって政府立法を防ぎながら立法権を濫用しているという指摘が出ている。24日、ヘラルド経済の取材結果、21代国会(※現国会のことで、4月の総選挙結果が反映される次の国会が22代になります)が開院した2020年5月30日からこの日まで政府が国会に提出した政府法案は計831件だ。このうちムン・ジェイン政権(2020年5月30日~2022年5月9日)に発議された政府法案は490件で、ユン政権(2022年5月10日~現在)に入ってからこの日まで国会に提出された政府法案は341件だ。

21代国会でムン政権とユン政権の「政府法案通過率」は、文政権の法案は350件が国会本会議を通過した。71.4%の通過率である。ユン政権の法案は137件が本会議を超えて40.2%の通過率にとどまった。ユン政権が発議した政府法案のうち59.8%が国会を超えることができなかった。今回の国会任期は29日までだ。これまで政府法案が処理されなければ、ユン政権が発議した政府法案204件は自動廃棄される・・

・・与党「国民の力」院内指導部関係者は「立法部は法を作る、直す権限を持っているが、法案を処理しない権限もあるわけだ」とし「ユン大統領が拒否権を濫用していると主張するが、共に民主党が過半議席を持つ国会で政府法案通過率を見ると、それこそ事実上の立法権濫用」と話した。22代国会でも政府立法の難航が予想される。ユン政権が推進する主要政策の法的根拠を設ける政府法案が所管常任委員会の審議段階から止まってしまう可能性が高い。

 

22代総選挙の結果、共に民主党は比例衛星政党である民主連合議席(14席)を合わせて総176席を確保した。ここに祖国革新党議席(12席)まで加えれば、国会先進化法を無力化させることができる188席となる。180席以上であれば、迅速処理案件(※ファストトラック、国会先進化法の一つで、議員の5分の3以上が認めた案件は迅速で優先的に処理されるようにすること)を他の党の協力なしに指定することができる・・・・共に民主党は、憲法的権限である大統領拒否権を制限する方案を検討中だ。「法律の中に異議があるときは、大統領は第1項の期間内に異議書を付けて国会に還付し、その再議を要求できる」と明示した憲法53条2項などを修正する改憲を推進するというものだ。最近、海兵隊員特検法まで含めて、尹大統領が10回目の拒否権を行使し、立法部を無力化させているという認識だ(ヘラルド経済)・・>>

 

なにをやるにも、たとえばCPTPPに加入するにも半導体関連で財政を使うにも、事実上、国会の同意が必要になります。国会同意を得る必要がないやり方にするにも、野党は他の政府法案で反対するというやり方で応じるでしょう。ユン大統領の任期中に、もう総選挙はありません。 最後に、告知まいります。前の告知から更新された内容はありませんが、 FNNプライムオンラインプレジデントオンラインに、韓国Z世代関連、拙著からの抜粋記事が掲載されております(リストの上が最新記事です)。よろしければ、お読みください。ありがとうございます。

 

 

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