しばらくおとなしかった「習近平訪韓」記事がまた大幅に増えました。「首脳会談なのになぜ来ないのか」とのことです。もともと日中韓首脳会談には国務院総理が参席しました。でも、習主席1人に権力が集中するようになってもう10年以上経つし、最近は特にそうなので、総理が来たところでできることはそうない、というのです。KBS、YTNなどが報じています。とはいえ、ほとんどのメディアは「いつになったら訪韓するのか」という論調ですが。多分、「訪韓してくれるのか」のつもりかもしれません。思えば、前の文政権のときから、韓国政府は習主席の訪韓を進めていました。また、なにか少しでも関連した発言があると、ほぼすべてのメディアが「今度こそ訪韓か」と騒ぎました。
もっとも最近の出来事は、2023年9月、アジア競技大会です。当時、開幕式に合わせて中国を訪問したハンドクス総理が、習近平主席と面談しました。そこで、習主席は「日中韓首脳会談」や「訪韓」について言及し、「飛行機でどれくらいかかるのか」などを聞いたそうです。ユン政権はこのことをブリーフィングで大きく取り上げ、中央日報が「10年ぶりの訪韓か」という題の記事で「面談」を「会談」とし、ながら、「総理が言い出したのではなく、習近平主席が先に訪韓について言い出した」と報じたりしました。しかし、当時の中国側の関連発表には訪韓についての言及はありませんでした。
<<・・「No.2の李強総理が来た中国・・習主席の訪韓はいつになるのか(題)」・・・・中国は9回開かれた日中韓首脳会議にすべて首相を参加させました。経済協力が主要な議題であるだけに、経済を総括する首相が出席しなければならないということです。しかし、習近平主席の執権以後、中国首相の地位は大幅に低くなったというのが一般的な見解です。中国は3月に国務院組織法を改正し、首相の権限と役割を縮小しました。実際、三国首脳会議に専用機ではなくチャーター機に乗ってきたのも李強首相が初めてです。首脳会議の晩餐が、写真2枚を公開するだけにとどまったのも、儀典問題を憂慮した中国側の反対のためだと知られました・・
・・そのため、三国協力のレベルをより高めるために、今は習近平中国国家主席の参加が必要だという声が出ています。日中韓首脳会議はすでに経済問題を越えて地域と安全保障問題まで包括的に取り扱う席になったということです。【パク・ウォンゴン/梨花女子大学北朝鮮学科教授「前の首相まででも、首相に一種の自律性が与えられていましたが、今は習近平主席の許可が必ず必要な構造に変わっています」】。習主席は昨年9月、アジアゲーム開幕式当時、ハンドクス首相に「訪韓を真剣に検討する」と述べたが、まだあまり進展はありません(KBS)・・>>
<<・・今までの9回の会議の中で、中国以外で開かれる時、専用機に乗れなかったのは李強首相だけです。習近平一人長期執権時代に「No.2などいない」ということを象徴する変化です。儀典だけを見ると、中国自ら李強首相は首脳レベルではないとしているわけです。去る3月の両会(※中国の政策決定会議)では首相の権限と役割を大幅に縮小する法改正も行われました。これまで中国経済を総括する責任総理として三国首脳会議に参加してきましたが、今はそうでもありません。【李強中国国務院首相(26日)「韓国側の暖かいおもてなしに感謝します。この場を借りてユン大統領に対する習近平主席の安否を代わりに伝えます」】・・
・・「格」をめぐる議論は、2014年以降韓国を訪れなかった習近平主席と首脳会談に目を向けさせます。文在寅前大統領が在任期間中に2回中国を訪れましたが、習主席の訪韓はありませんでした。2022年11月、インドネシアのバリで開かれたG20首脳会議の際、ユン大統領と25分間の略式会談をしただけです。習主席は昨年9月、アジア大会開幕式に出席するために訪中したハンドクス首相に「訪韓を真剣に検討する」と述べたが、進展はない状況です。今としては、来年、韓国で開かれるAPEC首脳会議のきっかけ防寒が有力ではあります(YTN)・・>>
各記事に「真剣に検討する」と話した・・ということになっていますが、これは当時「政府ハイレベル」が「そう話したと聞いている」と話したものであり、中国側の発表にそう書いてあるわけではありません。当時、「年内に習主席が訪韓して中韓首脳会談になる」という予想も出ていましたが・・そう簡単に来るはずがないでしょう。韓国側が相応のプレゼントを用意しないかぎりは。
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