朴槿恵政権の頃、北朝鮮に向けて設置された「拡声器」が問題になったことがあります。言葉通り大きな声を出すだけのものですが、北朝鮮はこの拡声器をものすごく気にして、南北対話中止の理由になったという話まで出ています（もともと急に中断されたりするので、本当にこれが理由だったかどうかは分かりません）。拡声器で流す放送の内容は、基本的に「こちらにいらっしゃい」というものです。韓国では、南側に来ることを「帰順」と言いますが、実際、帰順した北朝鮮兵士の1人が「拡声器の放送を聞いた」と話したりしました。
文政権では、風船に乗せたビラとUSBメモリーなどが問題になりました。主に北朝鮮から脱出してきた人たちが、風に乗せて、同じく「だまされないで」「韓国にいらっしゃい」な趣旨の内容、映像などを北朝鮮側に飛ばしたものです。当時、文政権がこれを止めて、問題になったりしました。こういうやり方を、北朝鮮は想像以上に気にしている、と言われています。そして、昨日あたりから、今度は北朝鮮から約260個（未発見のものまで含めるともっと多いでしょう）の風船が、韓国側に飛んできました。KBS、MBCなど複数のメディアが大きく報じています。結構大きな風船と、汚物やゴミなどが入った袋、とのことですが・・小さな起爆装置がついていたと推定される、という話もあるし、一部からは、『これがもしゴミではなく何かの兵器だったら、どうなったのか』という指摘も出ています。以下、＜＜～＞＞で引用してみます。
＜＜・・今日（※29日）、全国では空に浮かぶ白くて大きな風船に対する通報が相次いでいました。北朝鮮が大型風船に各種ゴミや汚物を乗せて飛ばしたのです。風船が着地した所には軍・警が出動して回収し、住民たちは不安で震えるしかありませんでした（※首都圏だけでなく、政府庁舎周辺、忠清道、全羅北道一部でも発見されたとのことです）。巨大な風船が突然風に乗って飛んでくると、警察官と警察車が同じ方向に走ります。木にぶら下がった風船を兵士たちが棒を持って回収しています・・・・風船のまま発見された現場などには、爆発物処理チームまで投入されました・・・・今日一日中、全国各地で発見された風船は、北朝鮮が昨夜に南に飛ばしたものでした。直径70センチ程度の風船の中には各種ゴミや汚物が入っており、起爆装置もあったと推定されます（MBC）・・＞＞
＜＜・・韓国軍は北朝鮮が飛ばした風船を迎撃するよりも、監視した後の回収を原則としています。去る3月西海北方限界線を超えてきた風船型飛行体は軍が攻撃しましたが、風船は迎撃しない理由は何でしょうか。3月、正体不明の風船型飛行体が西海北方限界線を越えてくると、直ちに韓国空中統制攻撃機が出撃して機銃射撃で撃墜しました。今回も我が軍はレーダーや肉眼、熱監視装備などで北朝鮮の風船を捉えましたが、監視後安全に回収するように対応しました。風船の大部分が接境地域に散布されたうえ、民家などの近くで風船を迎撃すると、破片が落ちたりする心配もあるというのが軍当局の説明です。
また、風船が高い高度に飛んでくる場合、対空火器で対応するには限界があり、軽攻撃機などが出撃しなければならないが、風船に対応するために出撃させるのは非効率的だという判断です。何より航空機や対空兵器の攻撃が接境地域で予想外の方向に向かった場合、むしろ韓国からの攻撃とみなされ、北朝鮮が挑発を行う口実になる可能性もあります。後方や都心地域まで飛んだ場合は、破片などによる民間の懸念はより大きくなります。軍関係者は様々な要因を考慮して対応したと説明しました。【シン・ジョンウ「韓国国防安保フォーラム事務局長「風船とドローンはレーダーに検出されても全く軌跡が違います」】（KBS）・・＞＞
低レベルな戦いと見るべきか、それとも「別のものを入れて飛ばすこともできるぞ」というメッセージとして見るべきか。この前、無人機が大統領室周辺まで飛行して北朝鮮に帰ったこともありました。いつも思うのですが、北朝鮮と韓国の『実際の戦力』を決めるのは、なにか遠くまで飛ぶミサイルとかではなく、もっと単純なものかもしれません。そういえば、もともと「風に乗せる」は北から南のほうが有利で、北朝鮮にはパラグライダー（のようなもの）を使う部隊があり、これがすぐソウルまで届くという話もあります。さて、次は韓国がなにか飛ばすのでしょうか。飛ばすなら、何がいいでしょうか（知らんけど
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