韓国では、日本では想像もできないほど大きな話題になっている、いわゆるLINE問題についてです。ついに、「日米韓協力」の領域で見るべきだ、という話まで出てきました。米国が日本にAI関連投資を行ったことで、日本が「じゃ、米国といっしょにやればいい」とし、韓国をその協力システムの外に出そうとしている、というのです。ソース記事は、韓国の地上波放送SBSです。記事が紹介している案件を見てみると、どう考えても時系列的に無理があります。セキュリティ問題が指摘されたのはずいぶん前ですから。なんというか、いつものことです。記事の題が「もうすべてを得た日本~」なのが、またなんとも。
今年になってから、半導体関連で日米、日台協力が大きな話題になっていますが、同時に、「なぜ私たちはその枠に入れないのか」という記事も多くなってきました。先月月28日に「21代国会」が閉会となりましたが、与党・野党の対立で国会を通過できなかった案件が多く、民生関連法案など1万6359件の法案がそのまま破棄となりました(5月29日東亜日報)。その中には、いわゆるKCHIPS法、半導体投資税額控除を、2030年まで延長する法案も破棄となりました。確か、今年いっぱいで控除期間が終了します。SBSの見解は、こんな状況だからこそのもの、でしょうか・・以下、<<~>>で引用します。
<<・・今年1月からずっと注がれてきた米国の巨大IT企業の日本AI事業投資と無関係ではないという分析が出ている。日本の投資誘致タイムラインを見てみよう。1月、Amazonが日本AIデータセンター増縮のために21兆ウォン投資を発表する。 2月には台湾のTSMC半導体工場が日本で開所式を持ち、2工場も現在建設中である。日本と台湾の半導体協力は引き続き強化するものと見られる。以後、日本のLINE事態が本格的に始まる直前の4月には、マイクロソフトが4兆ウォン、オラクルが11兆ウォン大規模投資を発表し、チャットGPT開発会社であるオープンAIまでが日本をアジア本部を決めることにした。そして5月、韓国では日本がラインを取り上げようとするというニュースが出てきた・・
・・ネイバーと手を組んですでに開発しているAIがあるので、米国の投資を受けた後、これを活用すればさらに相乗効果が出るのではないか思うかもしれない。だが日本はAI覇権に向かう中、韓国を完全にはずそうと考えているようだ。ネイバーが開発中のハイパークローバーXは「ソバリンAI」と呼ばれる。ソバリーン(Sovereign)の辞書的な意味は「自主的な」で、ある国が自国の技術と自国の人材、自国のデータでAIを構築することを「ソバリンAI」と言う。最近よく議論されるデータ主権・AI主権と関連がある。しかし、このような意志はあっても、これを直接開発までできる国は多くない。
したがって、ネイバーは自分たちが開発したソバリンAI技術を希望する国に輸出するという計画を持っているが、その最初の協力事例がまさに日本だったのだ。だが、その日本からすると、米国と手を取り合って、少なくともアジアAI覇権だけは自分で持っていくという計算が敷かれていた、という分析が出ているわけだ。もう一つのことは、AIこそ「ウィナーテイクスオール」、つまり1人がすべてを得る市場だ。どうやら各国が「ソバリンAI」を開発するのが無意味になることもある部分だが、実際にそうだ。 AI分野において、世界1位が米国で2位が中国なのに、その後3位からは順位が意味のない水準だというのが専門家たちの衆論だ・・
・・ネイバーの大規模言語モデルとAIレベルが世界10位の中に入り、6位~7位を行ったり来たりするともいうが、これ自体が何の意味もないという話だ。こういうわけで日本の立場では韓国ネイバーと手を組んでAIを開発するより、米国から投資が押し寄せるように入ってくるこの時、むしろ米国と手を組んでAI強国に進むという計算をしたかもしれないということだ。このようにしてみると、さらに「日米でやるから、韓国はもう離れていいよ」という式の解釈が可能だ(SBS)・・>>
まず、セキュリティー関連問題はずいぶん前からあったし、引用部分で「意味がない」としていますが、それなら、わざわざ取ろうとする理由もないのではないか、そんな気がしますが・・引用部分で意味がないとしたあと、後半部(引用はしていませんが)では、「すでに韓国は強者だから、米国などが他の国に投資しようとしている、たとえば技術のない日本、または将来性がある東南アジア」としています。先も書きましたが、結局、「なんで投資が入ってこないのか」を前提にしての主張、といったところではないでしょうか。金曜日は、伊豆で金目鯛を食べました。おいしかったでちゅ。おんせんもよかったでちゅ。
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