火器管制レーダーなどで大きな問題になった哨戒機関連で、日韓が再発防止に合意しました。どちらの主張が事実なのかは論じることなく、両方の主張すべてが適用された形になりました。たとえば、韓国側は「2回以上通信で警告したのに、低空飛行・接近をやめなかった」としていますが、この件で、日韓の間の無線周波数優先順位を決めることになりました。周波数を決めるのはともかく優先順位を決めるのは意外と珍しいことで、これで「通信したのに反応がなかった」という話は通じなくなる、という趣旨です。逆に、韓国側の主張する「低空・接近」などを意識してか、航空機と船舶も一定距離を維持することになりました。
これもちょっと意外なことに、いままでは「船舶と船舶」には同じ基準があったけど、航空機と船舶にはなかったそうです。他にも、「火器関連(なにかの武器、及びその発射台など)を向けない」国際規範を適用することになりました。行間を読むなら、ですが・・韓国側は「火器管制レーダー照射はなかった」としていました。本当にそうなら、こういう基準の強化は必要なかったのでは。本件、聯合ニュースなど、複数のメディアが報じていますが、あまり大きな話題にはなっていません。記事などを読んでみて個人的に思ったのは、基準が国際基準に沿う形で強化されるのはいいですが・・結局は「お互い、ちゃんと守るつもりがある」を前提にしてのもの。『事実の究明』が一言も出ていないのは、どうしても気になるところです。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・日本と韓国が、両国軍事協力に問題とされてきた哨戒機関連で、再発防止対策に合意した。また、日韓国防政策実務会議と軍ハイレベル交流を再開するなど、国防当局間の対話を活性化することにした。シンウォンシキ国防部長官と木原稔日本防衛相はシンガポールで開かれた第21回アジア安保会議(シャングリラ対話)参加をきっかけに1日(現地時間)両者会談をした後、このように発表した。両国国防長官(※防衛大臣)は共同言論発表文を通じて、1年間哨戒機関連再発防止のため実務級協議を進め、韓国海軍と日本海上自衛隊が両側艦艇・航空機間通信手続き及び本部レベルの疎通案を含む合意文を作成したと言った。両国長官は「今後大韓民国海軍と日本海上自衛隊は平時海上で遭遇する場合、合意文を遵守して作戦活動をするだろう」と説明した・・
・・韓国海軍と日本海上自衛隊が合意した再発防止対策は、国際規範である「海上での偶発的な遭遇時の信号規則」(CUES)に基づいている。CUESは、日米韓や中国など25カ国が参加する海軍会議体である西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)で、各国海軍の艦艇が海上で遭遇したときに偶発的な衝突を防ぐために採択した規則だ。両側は安全確保のために艦艇と航空機間の安全距離を維持し、遭遇した艦艇あるいは航空機方向に艦砲とミサイル、火器管制レーダー、魚雷発射管などを向けて攻撃を模擬する行為は避けるというCUES規定を遵守するとした。
両側はまた、適切な通信とコミュニケーションのためにCUESの「無線通信計画」に従った周波数に基づいて相互合意された優先順位に沿って呼び、応答することにした。2014年に採択されたこのような内容のCUES規定は当初、海軍艦艇と艦艇に搭載されたヘリコプター間にのみ適用されたが、今年4月に「艦艇・航空機間の安全距離を維持しなければならない」という内容が追加され、今回の事案にも適用できるようになった。両国国防当局が、本件の真実を究明するのではなく、再発防止対策を設けることで縫合することにより、両国軍事交流・協力も弾力を受けると予想される。両国国防長官はこの日、韓日国防次官級会議を年例化し、韓日国防政策実務会議と韓国軍と日本自衛隊間の高位級交流を再開するなど、国防当局間の対話を活性化することにした(聯合ニュース)・・>>
火器管制レーダー関連(相応のものも含めて向けないようにした)とかの話もあるにはあるし、ニュース1など他の記事によると、CUES関連で艦艇と航空機の距離を維持、周波数の優先順位などは、意外と珍しいことだそうですが・・先も書きましたが、やはり「事実はどうなのか」に対する話がなかったのは、残念でなりません。せめて、合意は合意でやっておいて、本件についての調査はきちんと進めるなどの話が欲しかったですが。
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