北朝鮮の風船、政府庁舎や大統領室近くでも発見・・韓国は拡声器で対応するも、実は不良品

昨日、またもや韓国各地で北朝鮮が飛ばした風船が発見されました。なんと、軍事境界線基準で250km離れた慶尚南道でも発見されたというから、あなどれません。軍や警察が出動して回収することになるので、現場はいろいろ大変だそうです。また、SBS東亜日報の報道によると、政府庁舎及び大統領室の近くでも、北朝鮮の風船が発見されました。今回はいつもの汚物やゴミなどが入っていたそうですが(他にビラ、ガラスの破片などが入っているものもあるとのことです)、もしもっと危険なものが入っていたら、どうするのかという指摘も出ています。

韓国側は、この前も紹介しましたが「9・19軍事合意」の終了にともない、軍事境界線付近に拡声器を設置、再稼働しました。ゴミ風船対うるさい拡声器と思うと、いったい何のさわぎだ・・とちょっと笑ってしまいますが、韓国の住民たち、特に高齢者(特に反共教育世代)はかなり不安がっているという話もあります。まら、先も書きましたが軍や警察が回収のために出動すると、それだけでも「大丈夫か、これ」という声は確実に増えるとのことでして。意外と効果がある、といったところでしょうか。

 

拡声器もまた、思ったほど効果があると言われています。北朝鮮指導部はこれをものすごく気にする、とも。あれで韓国側のの歌を流せば、しばらくすると北朝鮮側の兵士たちが(つい)その歌を真似して歌ったりする、というのです。また、韓国はいろいろ発展してますよ、という話を流しながら、天気予報などを一緒に流すと、天気予報があたることで北朝鮮側の人たちに「天気予報があたるなんて、すごいな」と納得する、そんな現象もあるとか。韓国では、北朝鮮から韓国に渡ることを「帰順する」と言いますが、帰順した兵士たちの中にはこの拡声器から聞いた情報がきっかけだった、という話も多いそうですから、ミンメイアタック(?)の効果はあるのかもしれません。ただ、毎日経済の記事によると、もともとは10kmまで届くようになっているけど、いま使っているのは不良品で、7kmまでしか届かないそうです。以下、各メディアから関連情報をまとめてみました。

 

<<・・北朝鮮が飛ばした風船がソウル龍山大統領執務室付近をはじめ、龍山区だけでも3つが発見されました。10日、警察と消防当局などによると、北朝鮮の3次、4次風船は、龍山区にある国立中央博物館、龍山区庁などでも発見されました。消防当局は9日午前5時8分に「国立中央博物館の内部に風船と推定される物体を発見した」との連絡を受けて出動しました。風船は国立中央博物館北駐車場の近くに落ちたと伝えられました。国立中央博物館は龍山公園を挟んで大統領室と直線距離で約800mほど離れています。国立中央博物館で発見された風船は、風船はなしで黒い袋の中にゴミや異物が入っていたと知られました・・・・10日午前9時頃は「龍山区役所の屋上に風船が落ちている」という届出を受け取りました。出動した消防隊員たちは安全措置後、該当事件を警察に引き継ぎ、警察は封筒内から汚物やゴミを確認した後、これを軍当局に引き継ぎました(SBS)・・>>

 

<<・・ソウル警察庁によると、9日0時から10日午前5時までソウルで発見され、警察が軍当局に引き継いだ3・4次風船は89個です。政府ソウル庁舎でも北朝鮮が飛ばしたと推定される風船が発見されました。警察はこの日午後1時半頃、鍾路区政府ソウル庁舎の屋上に「不思議な物体がある」という警備員からの連絡を受けて出動し、北朝鮮が散布したと推定される風船を発見した。警察は現場の初動措置の後、軍が後を引き継ぎました。午前4時頃には外交部庁舎付近の距離でも風船が発見されました。パトロール中だった警察が発見したといいます。外交部は、政府ソウル庁舎のすぐ道路の向かい側にあります。風船はこの日、ソウルの都心のあちこちで発見されました・・・・風船は軍事境界線から距離が250kmを超える慶尚南道巨昌郡の水田でも、この日午前5時半頃発見されました。警察と消防隊が出動し、風船2本にぶら下がったビニール袋を回収してみると、その中にはペットボトルやごみなどが入っていました(東亜日報)・・>>

 

<<・・北側の「汚物風船」散布に対応し、6年ぶりに再稼働した対北拡声器が、可聴距離が基準に満たない不良品であることが明らかになり、議論が予想される。軍は監査院と検察捜査で製品不良および入札不正が確認された製品を保管してきたが、今回それをそのまま再使用したことが分かった。10日、毎日経済取材の結果、軍が9日午後から稼働した最前方地域の対北拡声器は、2018年監査院監査で不良品と判定された製品だ。 2018年4月、南北首脳が合意した板門店宣言により撤去されるまで、不良品対北拡声器は最前方地域24ヶ所に固定式に設置されており、移動式装備も16台があった。合同参謀本部はこの装備を保管していたが、今回再設置した(毎日経済)・・>>

 

北朝鮮も韓国側に向けて拡声器を設置しているという情報もあります。何を流すのでしょうか。韓国の拡声器は、前は常時稼働されていましたが、2004年盧武鉉政権で事実上の中止となりました。2015年、2016年に再稼働されました(常時稼働ではなかったとも聞きますが)。当時北朝鮮側はこの拡声器再稼働をかなり大きく取り上げ、時期によっては、南北対話の前提条件にしたりしました。それから文在寅政権になり、南北首脳会談で「919軍事合意」を発表、それにともない拡声器もやめるということになりました。

 

 

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