金大中~盧武鉉政権でも似たようなことがありましたが、実は文在寅政権でも「北朝鮮への違法送金」問題がありました。送ったのは、イファヨンという政治家、そしてキムソンテという企業人ですが、その裏に李在明当時京畿道知事がいた・・と言われています。以下、ちょっと曖昧な情報(各メディアの記事にはなりましたが、結局本当なのかどうか未詳の部分もあります)も含めての話ですが・・2018年あたり、いわゆる南北平和ムードが盛り上がっていた頃のことです。当時、京畿道の道知事に選ばれた李在明氏。しかし、もっとも話題になっていた南北首脳会談においては、彼の影は薄いままでした。
単に政治家として(次期大統領候補として)の実績が欲しかったのか、それとも北朝鮮との関係づくりがしたかったのか、李(当時)道知事は南北首脳会談など北朝鮮を訪問するため、「私も北朝鮮に行きたいでちゅ」と公言したこともあります。でも、結局、李道知事は文政権では「ご一緒」してもらうことができませんでした。そこで、李道知事は京畿道内に設立していた財団などを通じて、その一員だったイファヨンという人に頼んで、「農地改良に必要な資金などを出すから」と、北朝鮮側に直接アプローチをしかけることになります。繰り返しになりますが、ここ、まだ確定していない部分もあること、前提にさせてください。
イファヨン氏は、知人でもある、韓国の大企業でパンツメーカーとしても有名だった「サンバンウル」のキムソンテ(当時)会長を通じて、北朝鮮に数百万ドルを送金した、ということになっています。この件は結構前から捜査が進められていて、ちょうど法務部長官だった人が、この前の総選挙で大敗を喫したハンドンフン氏でした。その捜査が進み、イファヨン氏がついに「200万ドルだったかな、送金してから李在明氏に報告しました」と話しました。そこで、李代表(現・最大野党共に民主党代表)も起訴されたわけです。もし本当なら、明らかに対北朝鮮制裁違反で、国内法で見ても明らかに違法です。
これで、李代表は、裁判スケジュールにもよるものの、週4回も裁判に出ないといけない状況になりました。正式に起訴されたのだけで7件です。はてさて、中央日報によると、禁固刑以上が一つでも出ると、李代表は大統領選挙に出馬できません。選挙は、2027年予定です。また、デイリアンなどによると、ハンドンフン氏は、もし李代表が大統領になっても、今の裁判はこのまま続くので、その結果によっては大統領当選を取り消すこともできる、としています。弾劾VS当選取り消し、選挙結果VS起訴結果、拒否権11回VS違法送金200万ドル(多分もっと多いハズ?)。結果ははたして。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・水原地検刑事6部が12日、李在明共に民主党代表を違法対北送金容疑(第三者賄賂など)で起訴し、李代表は4つの裁判を受けることになった・・・・裁判の数が増え、李代表の司法リスクはさらに大きくなった。どの裁判でも、執行猶予を含めて禁固刑以上が確定した場合、被選挙権が取り消され21代大統領選出は不可能となる。下級審有罪宣告のみ受けても、最近政治圏で提起された「憲法84条についての議論」(大統領不訴追特権適用問題)で、大統領候補を決めるための党内選挙からして問題になる可能性がある。大統領になっても、その職を失う可能性が残るためだ。裁判が4つに増え、李代表の政治活動も限られる可能性が高い・・・・対北送金裁判まで合わせれば週に最大3~4回は法廷に出席しなければならないからだ(中央日報)・・>>
<<・・イ・ジェミョンと共に民主党代表が12日、対北送金疑惑で起訴され、李代表が受けるようになる裁判は4つに増え、週4回法廷に出なければならない可能性も提起されている。法曹界ではこれらの裁判は控訴と上告手続きを経て最高裁判所まで行くと見ているが、この4つの裁判のうちの1つでも次の大統領選挙が行われる2027年前に金庫型以上が確定すれば、李代表の被選挙権は取り消される。これに関連して、ハンドンフン前・国民の力対策委員長は憲法第84条を取り上げ、大統領になる前に進行中の刑事裁判は当選以後にも中断されないだけに、李代表が大統領に当選した場合、また大統領選挙を繰り返す状況になるかもしれないと主張して、政治家たちの間での議論となっている・・
・・ジャンドンヒョク国民の力院内首席スポークスマンは、「(※現憲法上、在職中の大統領は刑事訴追されないとなっているが)それは、これまで何らかの司法的な現実化したリスクがなかったにもかかわらず、大統領になった後に新しい司法リスクが生じると、正常で円滑な国政運営ができなくなる可能性があるから、という趣旨」と話した。ハンドンフン前委員長も8日、SNSに文を載せて「刑事被告人が大統領になった場合、その刑事裁判が中断されるのだろうか・・・・これこそ重要な国家的問題になると思う」と書いた。憲法第84条は「(※一部例外もありますが)大統領は在職中刑事上の訴追を受けない」と規定しているが、ハンドンフン前委員長は「憲法は弾劾訴追と弾劾審判を別に規定しており、最高裁も刑事訴追と刑事訴訟を用語上区分して書いているので、憲法84条でいう訴追とは訴訟の提起だけを意味するものだ」と強調した。言い換えれば、刑事裁判被告人が大統領に当選したとしても、その前に行われた裁判は予定通りに行われるという趣旨だ(デイリアン)・・>>
4回となると・・職業や会社にもよるものの、ほぼ出勤ですね、これ。気のせいかもしれませんが、「なにをやって当選されるか」ではなく、「なにをやって当選した人を引きずりおろすか」をもっと重要になってきたのではないか・・そう見えます。そんな人が有力大統領候補だという事実もそうですが。
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