昨日(2つ前のエントリー)お伝えした予想通り、ロシアと北朝鮮が事実上の同盟関係になりました。新しいロシア・北朝鮮の協定には、有事の際、「相互支援する」という内容が明記されています。SBSなどが大きく報じています。ただ、今回の協定、「軍事的な支援を行う」とは書いていません。これをどう解釈するかにもよりますが、いままでも「相互接触する(相談する)」という内容に比べると、格段にパワーアップしたと言えます。ウクライナ事態で、北朝鮮が大きな得をしたと言えるでしょう。韓国日報によると、ちょうどそのとき、韓国は中国と2+2会談(外交安保会議)を行っていましたが、その会談の発表後にも、ちょっとトラブルがありました。
記事によると、2+2会談のあと、韓国外交部は「中国側が、『ロシア・北朝鮮の交流は地域の平和のためのものであることを願う』と言った」と話しました。しかし、それから16時間後、中国側が公式に発表した内容には、そんなことはありませんでした。いわば「言ってない」案件です(今回は、実際は言ったけど、公式発表には入らなかっただけかもしれませんが)。公式発表文は、ロシアと北朝鮮が当然の主権を行使したものだとする内容で、記事は「韓国側(の2+2会談参加者)から聞いた話とはかなり温度差があり、ロシア・北朝鮮同名を容認する趣旨」としています。
中国としては、ロシアと北朝鮮の「関係格上」があまり愉快でないのも事実でしょう。北朝鮮としては「中国以外の選択肢」が強くなったわけですから。その点、一部のメディアや専門家からは「中国を動かせばいい」という話も出ていますが・・各国の全般的な関係を考えると、やはり中国に頼る問題ではありません。中国としては心境が複雑なのも事実でしょうけど、だからといって中国がこの流れにさからう理由もありません。いわゆる「シン・冷戦」が強くなる中、日米韓の弱い環とされる韓国の選択はどうなるのか。もし今の流れが続くなら、3年後の大統領選挙が、いつもよりずっと重要(様々な意味で)な意味を持つことになるでしょう。韓国にとってはもちろん、日米韓という枠組においても。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・金正恩委員長とプーチンロシア大統領が首脳会談直後に署名した文書は、「包括的戦略的同伴者協定」です。北朝鮮とロシアのどちらかの有事の際、相互支援する条項が協定に含まれています。【プーチン/ロシア大統領「今日、私たち2つの国の間で締結された包括的戦略的同伴者協定に従い、その内容に含まれているように、有事の際に互いに協力する内容が含まれています」】 【キム・ジョンウン/北朝鮮国務委員長「私たち二国間の関係は同盟関係という新しい高い水準に上がり・・」】。即時の軍事力投入とは規定していませんが、2000年のロシア・北朝鮮間条約に規定された「有事の際、両国が即時接触する」という内容よりは、対応水準が一層高くなったという評価です。【プーチン/ロシア大統領「今日の協定により、ロシア連邦は北朝鮮との間の軍事技術協力も外す理由はありません」】(SBS)・・>>
<<・・中国が18日に開かれた韓中外交安保(2+2)会談で、プーチンロシア大統領の北朝鮮訪問について「北朝鮮は友好的隣人で交流・協力と関係発展の必要性がある」という立場を明らかにした。プーチン大統領の訪朝に不愉快さを示したという韓国側の発表とは、温度差が感知された。19日、中国外交部の発表によると、キムホンギュン第1次官と中国のスン・ウェドン外交部副部長は前日の午後開催した「韓中2+2対話」で、両国関係、朝鮮半島問題、地域および国際情勢など相互の関心事を議論した。中国外交部はこの対話で韓国側が「北朝鮮間の交流問題に言及した」とし、プーチン大統領の訪朝問題が議論されたことを示唆した。ただし、中国側はその場で「北朝鮮は友好的な隣国として交流・協力、関係発展に需要がある」と明らかにした。また、「両国間のハイレベルの交流は主権国間の事案」とし、事実上プーチン大統領の訪朝を支持した。
中国側は「韓中間2+2対話は韓中関係発展の必要性に応じて事前に合意された日程で、他国間の交流とは特別な関連性がない」とも強調した。中国が北朝鮮・ロシアの密着を牽制するため、意図的にプーチン大統領の訪朝日程に合わせて韓中2+2対話を開いたという一部の見解について、線を引いたのだ。これは韓国側の伝言とも多少異なる。韓国外交部当局者は19日、中国側が今回の2+2対話で「ロシア・北朝鮮間の交流が域内平和と安定に寄与することを望む」という立場を明らかにしたと伝えた。ロシア・北朝鮮間の密着が朝鮮半島地域の緊張高調につながってはならないという意味だ。事実上、中国が韓国との対話でプーチン大統領の訪朝に対する懸念を示したとも解釈できる部分だが、中国外交部の公式発表では、ロシア・北朝鮮間の往来を支持したわけだ(韓国日報)・・>>
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