韓国石油公社「石油・ガス田プロジェクトにメジャー5社が参加意思」・・しかし、いまのところ1社も参加意思は示さず

迎日湾(ヨンイルマン)周辺の石油・ガス田関連で、まだまだ多くの記事が出ています。一時のように、アクトジオ社とか、天空とか、そんな大きな話題が出ているわけではありませんが、各メディアの「政府のスタンス」に関する疑惑提起は続いています。デジタルタイムズ(19日)、韓国日報(14日)などの記事によると、政府や石油公社が発表した内容に、多くの「ごまかし」がある、とのことでして。石油公社は「5つのメジャー会社が本プロジェクトに参加を希望している」と話しましたが(ソース記事にはありませんが、5社となっています)、実は、「参加意思を示した」会社は、一つもありません。公社は「間違えた」とし、すぐ取り消しました。

また、大統領が自ら発表した「140億バレル」ですが、それは『ガス・石油が出た場合の、予想できる最大値(すなわち、ガスや石油が出たと仮定してでも、その可能性は低い)のことで、最大値ではなく適正値(ガスや石油などが出た場合、約50%で考えられる量)なども一緒に発表したほうがいいのではないか、せめて関連資料ぐらいは公開したらどうか、とのことです。専門家や各メディアは、ガス・石油が出るか出ないかというより、「なんでこんなに急いでいるのか」「なんでこんなにも透明ではないのか」など、主に政府・公社側のスタンスに関して問題を指摘しています。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・深海ガス田開発をめぐる議論が続いている。主務省庁である産業通商資源部と実務企業である韓国石油公社は、引き続きブリーフィングを開催しながら解明に乗り出したが、未熟な対応で、疑惑だけさらに大きくしてしまったという指摘が出ている・・・・キムドンソプ石油公社社長は19日、緊急ブリーフィングを開き、「複数のグローバルメジャー石油企業の『参加意思』がある」と話した。深海探査掘削は、一つ掘削するだけで少なくとも1000億ウォンがかかり、国内企業の技術力も足りないため、経験の多い海外メジャー企業の参加が必須だ(※この点、オーストラリアのメジャー企業が撤収したことを意識しているという面もあるのでしょう)・・

・・このような状況で、社長がメジャー会社の「参加意思」があると言ったのは、二つの意味で良いことだ。一つは・・・・(※本プロジェクトの)事業性を、経験の多いグローバル専門企業も認めたという意味になるからだ。もう一つは、内外で提起される疑惑とは異なり、ガス田開発が非常に順調に進んでいるという証明にもなる。しかし、石油公社はブリーフィングを終えた後、該当発言を急いで訂正した。参加意思ではなく「参加関心」なだけで、社長が間違えたというのだ。段階は、事業説明書送付→秘密遵守契約締結→事業説明会及び資料閲覧→参加意思の受付→優先交渉対象者選定に至る公式的な投資誘致手続きであるが、一社もそこまで進んでいない。アクトジオが出した分析結果を検証するため、石油公社が先に接触した1社だけが「資料閲覧」段階に入ったことになる・・

 

・・石油公社の社長は、取材陣に「最近、急いで勉強している人が多いようだ。でも、こちらのビジネスはいつもこうですよ」と話した。「今日緊急にブリーフィングをした理由が何か」という質問には、「(メディアなどの)資料要請が多すぎで、もうかんべんしてくださいという意味」と答えた。10日にも、チェナムホ産業部2次官も記者団対象にブリーフィングに乗り出した。アクトジオ顧問が記者懇談会を通じて国内メディアに初めて姿を映した後、該当会社の税金滞納事実と専門性の有無などをめぐって、報道があふれた時点だった。

次官は当時まで提起された疑惑を一つ一つ説明したが、「なぜアクトジオのように小さくて新生の会社でなければならなかったのか」という質問には、「深海探査のようなニッチマーケットではこうするのが正しい」と声を高めた。石油公社が分析を任せる他のグローバル大型石油開発企業には、「深海探査分析専門人材がいなかった」という説明だった。「資料分析用役入札に参加した複数の企業がある」としながらも、「どんな企業なのか公開することは難しい」とした(デジタルタイムズ)・・>>

 

公社の社長が資料を要請する記者たちに「最近急いで勉強している人が多いようだ」と(そんなんじゃ何もわからない、という意味で)話したのもそうですが、グローバルで活躍している会社(も含めた)というのに、アクトジオ以外には「深海探査分析専門家がいなかった」というのも妙な話です。どこに何を頼んだのでしょうか。ウーバーイーツに天丼を頼んだ、とか。デジタルタイムズの記事は、ブリーフィングの内容よりも、「この内容で緊急ブリーフィングをしたのはなぜか」がメインです。題も、「このようなブリーフィングならしなければよかったのでは」です。韓国日報の記事は、そもそもユン大統領が初めてこの件を発表したとき「140億バレル」としましたが、これは可能性が低い「最大値」なのに、なぜその数値だけを、サムスン電子の株価総額と比べながら強調したのかと疑問を提起しています。ちなみに、引用記事では「公開しなかった」となっていますが、記事から5日後の19日、結局は公開しました(秘密じゃなかったのか?)。74億バレルあたりが最適値と思われる、とのことです。

<<・・(※石油公社は140億バレルを「確率論的方法で算出した」としたが)確率論的方法論で最も「合理的な」値は、「最適値(P50)」だ。実際に回収されると期待される量の最適評価量だからだ。尹大統領や政府が国民により正確な情報を提供するためには、最大値や最小値の範囲ではなく、最適値(P50)も提示しなければならないという指摘が出ている。しかし、石油公社は「最適値」がどれくらいになるのかを問う本報の質疑に、「今後海外投資誘致や事業などに影響を及ぼす可能性のある内容」とし「法人の経営上・営業上の秘密に関する事項に含まれ、お知らせできない」と言った(韓国日報)・・>> 

 

 

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