韓国高齢者問題の一面、無料給食所(炊き出し所)・・食事に困る人は増え、物価高で給食所は営業できず

最近、いくつかのメディアが無料給食所(炊き出し所のことで、新型コロナなどの影響で弁当の形で配るところも多くなりました)関連記事を載せています。特に「食事がとれない高齢者たち」という題のシリーズ記事(文化日報その1その2)と、「(取材した施設は)ホームレスのための施設なのに、最近は普通の人も多い、しかもたくさん食べる」とするオーマイニュース(2月14日、実際に無料給食所で奉仕活動をしている市民記者の記事です)の記事は、かなりインパクトがありました。しかもこの無料給食所、物価高、支援の減少などで、廃業するところが続出している、とのことです。

これは韓国だけでなく、十分な関連予算が(政府、民間ともに)ある国でないと世界中で似たような問題が起きていると思われます。ただ、韓国では数十年前から「孝」や「敬老」を社会最大の美徳としてきただけに、なんというか、「虚しさ」感が強いというか、そんなところです。レナパパはちょうどリアルタイムでその世代ですので。これら無料給食所利用者がどれだけいるのか、そんなデータは載っていません。ただ、政府・自治体が生活の苦しい高齢者などに「弁当支援」する制度がありますが、その対象者はソウルで32,880人、京畿道31,688人(引用記事ではありませんが同じ文化日報のシリーズ記事6月13日付より)。実際にはこれは無料給食とされうもののごく一部なので、かなりの需要はあるのではないか、と思われます。

 

なにせ、各メディアの実際の取材によると、「朝6時に無料給食所についても、待機番号77番」だとか、「待機列が約500人になる」、「オープン・ラン(開幕ダッシュ)状態」などの記述もあり、その需要はかなりのものと思われます。しかし、やはり「見た目」というか、こういうのは年のイメージとしてよくないと判断したのでしょうか。一部自治体は、無料給食所に貸していたスペースを取り上げたりしています。「別の用途で使う」という理由ですが、詳しく何をするのかは決めてもいない、とのことでして。文化日報によると、関連した苦情も結構多いとのことです。両紙の無料給食所関連記事、以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・食事にこまっている高齢者が「オープンラン」をするほど無料給食所の需要は増えているが、いざ無料給食所は「超物価高」で運営が難しくなっている。賃貸料の問題で追い出されたり廃業する給食所も即出している。ソウル駅近くで34年間無料給食所を運営していた「真の友」無料給食所は、もとの建物から出てきて、昨年9月から街で配食を続けている。新しい建物の所有者が出した条件が、無理だったからだ。シンソクテ「真の友」理事長は14日、「毎日三食を提供していたが、最近は週に3日、夕食しか提供できない」とし「昨年10月からはには状況が悪化し、配食可能な人員が120人分まで減ったが、直接足で走って後援金を集めて150人水準にやっと増やした」と話した。昨年11月、釜山では「美しい人々」が運営していた釜山初の無料給食所が消えた・・>>

 

<<・・始発に乗って午前6時に無料給食所に到着したのに、待機番号がすでに77番。10日、ソウル鍾路区のウォンガク寺の無料給食所には早朝から200人余りの高齢者が並んで朝ごはんを待っていた。Cさん(75)は「77番」と書かれた待機番号を見せながら「朝、昼食、夕方3食をすべて無料給食所で解決する」とし「家に行けばラーメンしかなく、料理して食べるなんて無理」と話した・・>>

<<・・文化日報が5日から10日まで無料給食所・弁当配達現場で出会った高齢者50人に「理由」を聞くと、「お金もなく、力もなく、一緒に食べる人もいない」と話した。彼ら4人のうちの1人は「無料給食支援事業がなければ一日一食も食べられない」と答えた。彼らの半分以上の26人が経済的困難を訴え、33人は1カ月の収入が基礎年金と需給費などを含めても60万ウォン以下と答えた。勤労所得のある高齢者はほとんどいなかった。無料給食以外、彼らが挙げた食事は「ラーメン」が最も多かった(ここまで、文化日報シリーズ記事その1,その2より)・・>>

 

<<・・私が奉仕活動をするある炊飯店は宗教団体が運営している無料給食所で、「ホームレスと一人暮らしの高齢者に温かいご飯をおもてなし」するための場所だ。数年前から奉仕したある姉妹(※一部宗教施設では兄弟、姉妹と呼びます)は、長く奉仕してきた人で、いろいろな給食所利用客に十分『鍛えられた』人だが・・それでも彼女が、「ある人」のことで呆れた顔でこう話した。その人とは、向かい側のテーブルに座って食べている大きな男だった・・・・彼は肉がはいったおかずだけ5回以上「たくさんくれ」と要請して、食べているという・・・・私が注目したのはその顔だった。若者というには年をとっているように見えたが、いくらなんでも中年といったところか。ふっと、給食開始前に他の奉仕者たちとの会話を思い出した。「最近、一般人の利用者が増えたように見えますが」という私の言葉に、他の奉仕者が言った。「本当のホームレスの人は20%にもならないでしょう」、「それだけだと思いますか?最近、若い人たちもかなり来ています」もう一人の奉仕者の言葉だった(オーマイニュース)・・>>

 

 

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