日本でも最近また出生率が大きなニュースになり、1.2人、東京の場合はついに0.99人に進入しました。韓国では言うまでもなく、今年は0.6人台(0.68)が予想されていて、ソウルの場合はすでに0.55人になっています。韓国の経済メディア「毎日経済」が、合計出生率関連で日本と韓国の各種データを比較、どこが似ていてどこが異なるかを分析しました。長く書いてありますが、2箇所ピックアップしてみたいと思います。両国の合計出生率を1980年から2020年までグラフ化してみると、やはり「鍵は20代」というのです。
そして、最近、というか2~3ヶ月前に日本では賃金引き上げが大きな話題になりましたが、その際に大企業と中小企業の賃金差などがまた話題になりました。そこで、ソース記事が合計出生率低下の一つの要因としている、中小企業と大企業の賃金問題、この2箇所を取り上げます。データ並べている記事は多いですが、この部分だけだと短くまとまっているし、いままで本ブログではあまり取り上げたことがないので、ちょうどいいかな、と。以下、2箇所、<<~>>で引用してみます。
<<・・1990年代まで圧倒的に高かった韓国の合計出生率が、日本を下回り始めたのは2000年代に入ってからです。2001年両国の出生率は日本1.33人、韓国1.31人と大差ありませんでした。1980年から2020年まで両国各年齢女性の出生率変化グラフを比較すると、1980年には20代~30代にわたって高い数値を示していることがわかります。しかし、2001年と2020年には出生率が急減したことが目立ちます。両国ともに、出産の減少が最も明らかになった年齢帯は20代です。それでも、日本は2001年と2020年を比較した時、それほど大きな違いは見られません。2001年にすでに最も高い出生率を示す年齢層が30代を超えていますが、2020年は、2001年に比べて大きく年齢層が高くなってはいません。
(※ ←出生率変化グラフ) 一方、韓国は、2001年までは、最も高い出生率を示す年齢が20代でしたが、2020年には一気に30代前半に急騰しました。特に、日本は2020年にも満20~24歳の出生率がある程度維持されたのに対し、韓国はほぼ「0」に収束することが示されています。つまり、現在両国の出生率の差には20代の出生率の差が最も大きく作用しているということです。実際、日本の初婚年齢中央値は2022年基準で男性29.6歳、女性は28.6歳となりました。初婚組を年齢順に見てみた場合、男女ともに半分ほどは20代という話です。
20代の出生率の減少は、20代の婚姻率が減少し、自然にもたらされた結果です。現在30代で最も多く結婚をして初出産になりますが、20代に結婚して最初の子供を産んだ場合と比較すればどうしても2人以上の子につながる可能性も減るしかありません。韓国の場合、男性が軍服務で日本に比べて社会進出時期が少し遅れ、結婚のための経済的条件を整える時点がより遅くなる点も、20代の婚姻率を下げる要素となっていると思われます・・>>
<<・・(※数々の理由として)大企業と中小企業間の賃金差は日本でも問題と指摘されていますが、韓国は日本よりもはるかに差が大きいです。2022年基準、日韓大企業賃金をそれぞれ100%とした時、中小企業の賃金水準は日本が74%、韓国は58%にとどまりました。両国ともに企業全体で大企業が占める割合は1%未満に過ぎません。そのため、熾烈な就職競争が発生することになりますが、子どもたちの進学のための親たちの私教育費問題も結局、このような仕組みと関連しています。また周知のように、韓国では日本と違って結婚するとき住居問題を男性が負担しなければならないという慣行がまだ残っています。
夫が妻名義になった家に持参金まで設けなければならない中国ほどではありませんが、これは大幅に上がった不動産価格とかみ合って、婚姻率を下げる代表的な慣行として指摘されてきました。昨年基準、韓国首都圏には、全人口の約51%が集まっていることが分かりました。日本も首都圏集中がすごい方ですが、同年基準首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉県)人口比重は全人口の約30%で韓国よりはるかに低い方です。人口と生活インフラの一極集中は住宅費用を高め、青年たちの結婚の「しきい」値を高めています(毎日経済)・・>>
記事によると、最近日本では韓国を分析する(こうあってはならないというケースとして)傾向が強くなっている、とのことです。いままでは成功した国を分析することが多かったですが、これはこれで参考になる、と。余談ですが、粗婚姻率において、去年、ついに韓国が日本より低くなりました。日本3.9件、韓国が3.8件だったとのことです。9件から3.8件(日本は3.9件)になった期間は、日本は50年、韓国は30年だそうです。
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。