韓国バッテリー工場火災、違法派遣と確認される・・労働者への安全教育などもせず

昨日お伝えした韓国華城(ファソン)バッテリーメーカー「アリセル」工場火災、新しい事実が次々と報じられています。亡くなった方のほとんどが外国人労働者、詳しくは「在外同胞」だったことがまた話題になっていますが、彼らをアリセルに派遣した「メイセル」という会社が、違法派遣会社だったことが確認されました。住所が同じ(アリセルとメイセルは同じ建物にある)であることに疑問を感じた、京郷新聞中央日報など複数のメディアの取材結果です。複数の違法要素がありますが、そもそもアリセルはバッテリーメーカーなので、派遣社員に仕事をさせること事態が違法だとのことです(派遣関連法で定めた業種ではない)。主な理由は、やはりお金でした。以下、<<~>>で引用してみます。

<<・・23人が亡くなった事故が発生した京畿道華城市の一次電池メーカーアリセルが、無許可派遣業者から労働者の供給を受けたことが確認された。人力派遣会社「メイセル」関係者は25日、記者と通話しながら、「職業紹介業登録をしておらず、派遣許可も得ていない。(新たに事業を)準備する過程で事故が起きたので、法に抵触したようだ」と話した・・・・雇用労働部もパクヘチョル共に民主党議員の質問に、メイセルは職業紹介登録しておらず、派遣許可も得ていなかったと答えた。メイセルが派遣許可を持っていたとしても、製造業直接生産工程は派遣が許可されないため、違法派遣に該当する・・

 

・・労働部の報告書を見ると、元請業者はアリセル、下請業者はメイセルとなっている(※実際は下請け会社ではなく派遣会社)。下請業者であるメイセルの業種は一次電池製造業となっているであり、住所はアリセルと同じだ。見た目だけは、人材派遣会社ではなく社内下請け業者のようにしておいたものだと思われる。メイセル関係者は「事業者登録を製造業とし、住所をアリセル工場と同じにしておいただけで、アリセルから請負を受けたわけではない」とし「私たちはインターネットで公告を出して人を集めた後、供給だけする。アリセル管理者が(私たちが供給した人材を)統率する」と話した。メイセルは事故当日の24日、50人ほどの人材を工場に送ったと説明した・・

 

・・アリセル側はこの日の記者会見で、会社雇用構造に関連して派遣と請負という単語を混同していた。アリセル本部長は、亡くなった方々の雇用形態について「派遣だ」とも「元請け・下請け」とも話した。アリセル代表は「請負契約を結んでいる」とし、メイセルとは異なる言及をした。アリセルの主張どおりメイセルと請負契約を締結したとしても、メイセルは元請の指揮・監督を受​​けず業務を処理できるところではないため、アリセルは派遣法違反の疑いを受けることになる。メイセルが実質的には元請けであるアリセルに人材だけを供給する役割を果たした場合、違法派遣だからだ。労働部は、メイセルがアリセルと請負契約を締結した下請業者なのか、人力派遣業者なのかなどを調査している(京郷新聞)・・>>

 

<<・・24日発生した京畿道華城市リチウム一次電池アリセル工場火災で亡くなった23人のうち、18人が外国人移住労働者として確認された。彼ら全員が、会社直雇用労働者ではなく、人力派遣業者であるメイセルが派遣した労働者だった。一部ではコスト削減のための「リスクの外注化」によるものだとの指摘が出ている・・・・メイセルはわずか1ヶ月前の5月7日、一次電池製造業を事業目的で設立・登記した企業だ。ところが、同メーカーの所在地は火災発生現場であるアリセル工場3棟2階包装作業場だった。アリセルがメイセルを通じて派遣形式で人材を受けたにもかかわらず、社内下請け業者のような形にしたものだと思われる。

メイセル関係者は4月までは「ハンシンダイヤ」という会社名で人材を供給していたと言う。彼は新たにメーカーを作って住所地をアリセル作業場にしたことについて「誰もがそうしている」、「なぜなら、労働者派遣許可を受けるとなると、手続きも面倒で、労働部の点検も多くなるから」と説明した・・・・法務法人ウォンゴクのチェジョンギュ弁護士は、「安い労働力だけにこだわる韓国産業現場から始まった人災だ」とし「派遣労働者法によると派遣できる業務が特定されているが、バッテリーを包装するのは単純業務でもこれに該当しない」と指摘した。それとともに「直接雇用すべき人材を派遣形式であれ下請け形式であれ不法で雇用したもの」とし、「アリセルとメイセルが下請け、元請と下請関係なら、同じ建物でアリセルが管理監督する、偽装下請けである可能性が大きい」と説明した。彼は、「日用職・短期労働者は安全教育や緊急対応に脆弱になるしかない構造だ」とも述べた(中央日報)・・>>

 

ちなみに、この件、もし下請けだったなら、メイセル側に労働者たちに関する責任(安全教育など)が発生します。だから、いままで下請けのふりをしていたメイセルが急に「実は派遣していました。違法派遣です」と話すようになったのです。ソース記事ではなく他の記事などによると、「もし派遣なら、アリセルの責任が重くなる強くなる」、とも。だからアリセルは態度をハッキリせずにいます。

 

 

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