日本でも広告などでよく名を聞くようになりましたが、アリ・エクスプレスやテム(※ティームー)など、中国のオンラインモール、いわゆるECサイトが韓国で急激にシェアを拡大しています。一部からは、対策として、韓国内のデパートや大手スーパーなどのオンライン販売をもっと広く許可すべきだとし、法改正の動きまで出ています。しかし、オンラインで国内の物品が買えないからアリやテムなどを利用するのではなく、ただ低価格を求める人たちが多いのが原因とされており、専門家からは「これからも彼らのシェアは拡大するだろう」という話が出ています。
ちなみに、これらはオンラインで購入すると、現地(この場合は中国)から直接物が届きます。韓国ではこういうのを『直購(直接購買)』と言います。もともとは、日本や米国のネットから直接ものを購入する人たちが多くてこんな言い方になりました。それからは、会社(この場合はアリやテムなどですが、日本から買う人たちの場合はアマゾンから本やCDを買ったり)が現地の店と外国の消費者を仲介してくれるわけですから、詳しくは直接購買とはちょっと異なるのではないか、そんな気もしますが・・単語の意味が拡大され、このような形のものもすべて直接購買と言います。最近は、EC(イーコマース)サイトという言葉で表現する人も増えました。4月23日の毎日経済、今日の朝鮮日報から、関連記事を引用してみます。ちなみに、韓国でも4月に安全問題に関して大きく報じられましたが、利用者の数は減ったものの、利用金額はむしろ増えつつある、とのことです。以下、<<~>>が引用部分です。
<<・・中国のショッピングモールのアリエクスプレスとテムが、韓国で、この1年間(※2023年4月~2024年3月)、3兆ウォン相当の商品を販売したことが分かった。 特に、今年1~3月のアリエクスプレスを通じた直接購買金額は前年比約3倍増えたものと把握される。今年の中国からの直購が、最大を記録した昨年とは比べ物にならないほど増えるだろうという観測も出ている。国内のEコマース(電子商取引)は無関税で、認証義務もないので、中国オンラインショッピングモールの優位は長期化する見通しだ。23日、市場分析業者のワイズアプリ・リテール・グッズによると、昨年4月1日から今年3月末までアリとテムなど2大中国通販ショッピングモールは韓国で2兆9234億ウォンの決済額を記録した。
該当数値はクレジットカード、デビットカードなど消費者決済内訳に表示された内容だけを基準としたものだ。法人カード、企業間取引、簡単決済などで決済した金額まで含めれば、3兆ウォンを越えるものと推定される。アリエクスプレスは・・・・今年1~3月期だけで8196億ウォンが決済され、昨年同期より160%急増した。昨年8月に韓国に上陸したテムも速いスピードで成長している。月間10億ウォンだった決済額が、去年末には200億ウォンに迫った。先月は前月比2倍ほど伸びた463億ウォンの決済額を記録した(毎日経済)・・>>
<<・・韓国経営学会首席副会長をジョンヨンスン、ダングク大経営学部教授は、去年末から韓国流通市場を強打しているアリ・テム・シュインなど中国電子商取引業者(中国イコマース・Cコマース)事態について調べてみた。なぜこれらの中国イコマース企業は韓国をターゲットとし、彼らの戦略が韓国で成功している背景は何なのか、中国イコマースの攻勢を妨げなかった韓国の制度的な抜け穴は何なのかなどについて説明した。もともと韓国の消費者の最大直購(直接購入)国は米国だった。しかし昨年末からアリエクスプレス、テムのような中国企業が国内に本格的に上陸した。超低価格を前面に出したマーケティングで、市場を素早く掌握していった。その結果、今は中国が韓国最大の直購国になっている。これにとどまらず、アリババグループは今後3年間で1兆5000億ウォンを投資し、韓国に大規模物流センターを建てるという投資計画も明らかにした状態だ。
中国はなぜ巨大なお金を注ぎ、韓国市場を攻略しようとするのだろうか。ジョン教授は「新型コロナを経て、中国内需が不況を経験してみると、物量を海外に積極的に販売し始めた」とし「その中でも韓国は地理的に近いので最大放出出路として利用しているわけだ」とした。彼らの超低価格戦略は、効いた。高物家時代に耐えるのがやっとだった韓国消費者たちは、同じ物をはるかに安い値に買える中国イコマースを求め始めた。価格競争力で圧倒的な優位だから可能なことだった・・・・ただし去る4~5月アリ・テムの国内ユーザー数は減少した。最近、中国のイコマース販売製品で発がん物質などが検出された余波で、成長傾向が揺れているようだ。しかし、ジョン教授は「1回当たりの購買金額はますます増えており、売上は当分上がり続けるだろう」と見通した(朝鮮日報)・・>>
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・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。