韓国メディア「スーパー円安により、日本製品のコストパフォマンスが大幅に上昇」

半導体輸出そのものが好調で、在庫資産の大幅な価格上昇、在庫資産の価格に応じての「在庫資産評価充当金」の見直しなどで、サムスン電子の半導体部門が、全体営業利益の半分以上の5兆ウォンを超える営業利益を達成したと見られています(暫定発表なので部門別の実績は未詳)。グローバルサプライチェーンの再編、中国市場の将来など(半導体輸出の30%は中国)中期・長期的な懸念は相変わらずだけど、さすが大手、といったところでしょう。しかし、そんな中、昨日~今日にかけて各メディアは円安関連の記事を出しています。「スーパー円安」により、韓国の輸出全体においてマイナス効果が大きいというのです。ちなみに、6月基準、輸出571億ドルの134億ドルが半導体でした。

単に輸出だけでなく旅行収支なども考えると、かなりの影響になる、とも。基本的に韓国では円安を「国力が弱くなったから」という見方をしていますが、同時に「日本の戦略だ(という趣旨)」「円安によってウォンも安くなる」など記事も出てきたりします。しかも同じメディアに。今回は複数のメディアが似たような記事を出していますが、毎日経済ハンギョレ新聞から引用してみます。そもそも円安も円高も、どこをどう見るかで評価は大きく変わるものでしょうけど、韓国メディアは必要以上に「安い、高い」だけに集中し過ぎでいる気もします。たとえば旅行などにおいても、本当に「安い」だけで人がオーバーと言われるほど集まるのでしょうか。以下、<<~>>が引用部分になります。

 

<<・・38年ぶりに記録的な「スーパー円安」が続いて、韓国経済にもマイナスの影響を及ぼす可能性があるという懸念が高まっている。日本と競争する国内輸出企業の価格競争力が下がり、経常収支黒字基調にも影響する可能性があるからだ。やがてウォン価値が同伴下落した場合、国内金融市場全般にリスクが拡大する可能性があるという見方も出ている・・・・パクサンジュン早稲田大学国際学術院教授は2日、ハンギョン協主催セミナーで「日本企業は商品単価を円安の値下げ幅ほど下げずに、営業利益を最大化している」とし「もしウォンが円に合わせて安くできないなら、影響を受けるしかない」と分析した。

旅行収支赤字拡大で経常収支黒字基調にも影響すると思われる。韓国銀行の統計を見ると、昨年旅行収支赤字は125億2700万ドルで5年ぶりに最高値を記録したが、このうち対日本赤字が33億8000万ドルに達する。韓銀関係者は「通常、留学・出張資金支出が多い米国旅行関連の収支が赤字が大きかったが、昨年から円安の影響で日本への観光客が増え、対日本旅行収支赤字が拡大している」と話した。韓国観光公社集計を見ると、今年1~4月の日本訪問観光客は299万9901人で、昨年同期間(206万7670人)より45.1%も増加した。

 

外国為替当局と専門家たちは「ウォン・円の同調化」現象でウォン価値が同伴下落するリスクを懸念する。グローバル外国為替投資家がヘッジのためにウォンと円に同時投資(プロキシヘッジ)することが多いが、これによりウォンの価値が伴い下落する可能性があるからだ。イチャンヨン韓銀総裁は4月の記者懇談会で「ウォンの価値が周辺国通貨にプロキシ(代用)されるため、私たちのファンダメンタルに比べて過度にウォンの価値が安くなっていく側面がないかどうかを慎重に見ている」と話していた。4月ウォン-ドル為替レートが1400ウォン台まで上がった(※ウォン安)時も、円安に応じたプロキシ効果が大きかったというのが韓銀の診断だ。

パクサンヒョン・ハイ投資証券リサーチ本部専門委員は、「国内産業と企業が米国主導のサプライチェーン再編で苦労している中、スーパー円安の長期化で少なくない影響を受けている」とし「ウォン・円の同調化現象が強まった状況で、日本政府が円の価値防御のために海外資産を売るなど積極的な緊縮に乗り出したら、国内金融市場に大きな負担として作用するだろう」と話した(ハンギョレ新聞)・・>>

 

また、企業によっては、日本にものを輸出して「円」で代金を受け取るところも少なくない、とのことでして。<<・・化粧品製造中小企業のA社は最近「スーパー円安」にこまっている。ほとんどの売上が日本への輸出から出てくるが、今年に入って円安が急に進み、円の決済による為替差損が累積しているからだ。A社関係者は「輸出代金で円を受けてもウォンに変えれば残せるものがあまりない」とし「今年の経営目標修正が避けられなくなった」と雰囲気を伝えた。大企業と中小企業輸出の両極化現象が強くなってきた中、円安も重なり、製造業経営難が加重されている。輸出景気が全般的に改善されているが、中小企業までその恩恵が広がっていないうえ、円安による影響まで受けているのだ(毎日経済)・・>>、と。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。