韓国政府、不動産市場を守るためPFに3兆円以上の政府保証・・経済メディア「いったいどういう状況だこれは」

昨日の東京都知事選挙、小池百合子氏が3選、ライバルとされていた蓮舫氏は3位になりました。ただ、自民党としては都議会補欠選挙で2人しか当選できず、まだまだ厳しい状況が続いています。本格的に「ポスト岸田」が議論されるであろう今日この頃です。で、今日は、久しぶりに不動産PF(プロジェクトファイナンス)関連の記事を取り上げてみます。先月27日、ハンギョレ新聞に、大邱市にある990世帯マンション団地が、完成したのに分譲をせず、「いまは売れそうにないから時を待つ」としている、というニュースがありました。

おおっ、ものすごい資本力がある会社なんだな・・というかそれなら建てるなよ、と思われるところですが、実はカラクリがあります。あのマンション団地は、住宅公社がPF費用の90%を保証しています。PFとは、自己資本はほぼ無しに、まだ作ってもいないマンション団地など『プロジェクト』だけで金融機関からお金を借りて、マンション団地を作ることです(以下、ソース記事で簡単な説明もあります)。実は、去年の「レゴランド事態」の後、政府がPFを保証している、とのことでして。

 

本ブログで結構積極的に取り上げてきたPF、海外とは異なる「韓国特有」になっているこのシステムと、最近の状況ついて、です。どうやら、大規模の政府支援・政府保証を行っていて、これからさらに拡大するとのことです。最近、また不動産価格が上がった(ソウルなど一部だけですが)という趣旨で、詳しくは書きませんが、とても新聞記事(特に題)とは思えないほど「いま不動産を買わないと うわあぁぁ」な記事が目立ちます。しかし、結局は政府の資金で耐えている・・そんなところです。しかし、問題点を指摘している記事もあります。アジア経済(7月7日)は、政府が支援だけで10兆ウォン、保証だけで30兆ウォン、他にもいろいろ税金を使っているいるとしながら、PFはいったいどういう状況になっているのだ、という趣旨の記事を載せています。韓国不動産市場の核心、PF。その現状です。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・政府が不動産プロジェクトファイナンシング(PF)市場安定化に94兆ウォンのお金を使うという事実、ご存知ですか。政府が3日「2024年下半期経済政策方向」で明らかにした内容です。不動産PFの不安が金融市場全体に広がらないように、直接保証だけ30兆ウォンを投入します(※先のハンギョレ新聞の記事だと、)。この他にも建設控除組合の保証に10兆ウォン、竣工前の未分譲ローン保証5兆ウォンなどがかかります。 安定化にこれほどの民税を投入するとは、PFとは、市場ってどうなっているのでしょうか。プロジェクトファイナンスには具体的な定義はありません。人ごとに説明する方法がそれぞれ、用語の範囲も緩いです。さまざまな種類のPFがありますが、共通の特徴は「担保なしで資金を貸す」ということです。

何を信じてお金を貸してくれるのか、それは「プロジェクト」です。建設でも事業でも、未来にどんなプロジェクトをしてお金を稼ぐのかを問います。もし十分に有望なプロジェクトだと判断すると、たとえ担保はなくても、将来お金が生じる可能性が高いと判断してお金を貸してくれます・・・・韓国のPFは先進国とは異なり特有の形を持っています。もともと、PFは事業のプロジェクトに基づいてお金を貸す制度ですが、金融会社は、不動産開発時に施工会社の連帯保証や責任竣工約定を要求しました。施行会社(※プロジェクト総括会社を施行社、建設会社を施工社と言います)は自己資本がすごく不足しているため、事業リスクを建設会社と分かち合え、とする戦略でした・・

 

・・施行会社は不動産初期の開発段階で、貯蓄銀行のような第2金融圏で短期資金を借り、事業認可がもらえれば、これをもって第1金融圏でもっと低い金利でお金を借りて、融資を「乗り換える」方法を選択します。この韓国だけのPFは、連鎖倒産という大きな弱点がありました。施工社も開発事業リスクを負担するため、景気が低迷したりすると、施行会社→施工会社→他の事業場→金融機関まで不渡りが連鎖します。このような弱点は、2008年の金融危機の時に明らかになりました。不動産の停滞が始まると、施行会社が倒れ、中堅建設会社20カ所以上不渡り処理されました。彼らにお金を貸していた貯蓄銀行も破産してしまいました。この時、PF貸出残高が76兆5000億ウォンだったが、貯蓄銀行が借りたお金だけ11兆5000億ウォンでした(アジア経済)・・>>

本ブログで紹介してきた記事を読んでくれた方ならもうご存知でしょうけど、すでにPFのメインは第2金融圏です。貯蓄銀行だけでなく、保険会社など様々なところが「主力」として金を貸しています。さて、政府はどこまで支援・保証を続けるのでしょうか。ユン大統領、「玉石をはっきりわけるときが来た」と言っていた気がしますが・・実は保証増やしていたでござる、と。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。