今月になって、ほぼ同じタイミング(記事の掲載などで日本7月2日、韓国7月9日)で話題になったことがあります。2日にJPX(日本取引所グループ)が株式関連報告書(2023年版要約版)を出したから、でしょう。株式市場での外国法人など(いわゆる外国人投資)がどうなっているのか、です。ちなみに、日経平均の場合、さすがに今日は下がっていますが、昨日まで最高値を連日更新して話題になっています。その件、韓国のネットには「外国人投資が多いから」「円安だから」というふうに(実はウォンも結構安くなっていますが)、どうしても評価下げしようとする意見が多いですが、実は株式市場での「外国法人など」比重は韓国の方が大きいです。ただ、現状の日本とは異なる部分もあります。結論から書きますと、日本の場合は31.8%、韓国の場合は36%です。
まず、株式市場関連の話をするとき、「外国人」とよく言うけど、先の報告書では「外国法人など」にしています。それもそのはずで、個人以外の投資もすべて含めてのものですから。日本の場合はヨーロッパの年金基金からの投資も多くはいってきており、そういうものは基本的に長期投資になると言われています。2023年7月11日毎日経済は「グローバルマネーの再編が始まったのは(※中国からの移動が本格化されたのは)、4~6月期に入ってからだ。この期間、日本に入った資金の70%は欧州系の年金基金という話も出ている。この流れが続くと、バブルの頂点だった1989年末に撮った最高点(3万8915)を越えることが不可能ではないという期待感もある」と報じています。
逆に、韓国市場はどうなのかというと、この外国法人などの比重が結構変わりやすく、新型コロナ期間中には20%台(上場企業基準、この部分だけ「デジタルタイムズ」より)まで下がったこともあり、変動が大きいと言われています。言い換えれば短期投資が多く、またウォンがハードカレンシーではないという点などもあって、いわゆる「ウィンブルドン効果」(外国資金の急な流出)を懸念する声も出ています。結構多くのメディアに記事が出ていますが、ソース記事はニュース1と京郷新聞です。余談ですが、日本の場合は指数が上がるときに「国内で買う(投資する)・外国からも買う(投資が入る)」パターンが多いですが、韓国の場合は「国内個人・法人が売るときに外国法人などが買う」パターンが多いと言われており、京郷新聞の記事に、今回もそのようなパターンだとの趣旨が書いてあります。以下<<~>>で引用してみます。
<<・・日本株式市場で外国人などの保有比重が、集計が始まった1970年以後最高値を記録したと日本経済新聞が2日報道した。東京証券取引所など国内4つの証券取引所がこの日発表した2023年度の株主分布現況調査によると、金額基準外国人などの日本株式保有比率は31.8%と最高記録だった。2022年の外国人の割合は30.1%だった。海外投資家の日本株式純売買金額は7兆6906億円で、2013年(9兆5387億円)以降最高値を記録した。外国人保有率が増加した業種は、海運業(4.9%ポイント増加)、医薬品(4.3%ポイント増加)、ゲーム会社などを含む「その他製品」(4.1%ポイント増加)が上位圏を占めた・・・・1月から施行された個人総合資産管理口座(NISA)を契機に投資者が増え、外国人と共に日本株価上昇の牽引役になったと新聞は評価した。金融庁によると、今年3月末基準NISAの累積買収額は昨年末比17%増加した約41兆円と集計された。口座数は9%増加した約2322万個に達した(ニュース1)・・>>
<<・・今年上半期、国内(※韓国)証券市場に外国人資金が最大規模で流入し、コスピ市場で外国人投資家の割合が36%を突破した。内国人が数カ月連続離脱した国内証券市場を外国人が支えているわけだ。これは外国人が「売る」に戻る場合、国内証券市場が強い影響を受けることになるという意味でもある。専門家たちは外国人たちの下半期の闘心の向きをめぐって異なる見通しを出している。韓国取引所によると9日基準のコスピ市場の外国人保有額は844兆5900億ウォンで、全体の時価総額(2339兆6800億ウォン)の36.1%を占めた。昨年31~31%を行き来した外国人保有比重が36%まで上がったのは、外国人純売上税が8カ月連続持続しているためだ。今年上半期外国人の上場株式純買収規模は計22兆9000億ウォンで統計集計以来半期基準最高を記録した。同じ期間、個人投資家が国内証券市場で7兆4000億ウォンを純売りして生じた空白を、外国人が埋めたわけだ(京郷新聞)・・>>
そういえば、中国はこの外国法人などの比重を30%までと制限しています。この基準を緩和するという話もあったけど、それからどうなったのかな。ソース記事ではありませんが同じことを書いた「ソウル経済」の記事には、「いままで中国に投資していた外国の投資金が日本に入っていく流れがある」としています。先に紹介した2023年7月の毎日経済の記事もこれがメインでしたが、流れはまだ止まっていないのでしょう。
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