なんと同じ日(15日)に、「100万」つながりの記事が2つ見つかったので同時にエントリーしてみます。まず中国ですが、上半期だけで「100万店」が廃業したというニュースがありました。こちらは日本TBSが報じています。「店」ですから、食堂などの店のことでしょう。去年の1年間で100万店が廃業したというデータがあって、海外メディアも結構取り上げたりしましたが、その続報といったところでしょうか。今年は上半期だけで100万店になりました。GDPは4~5%成長という設定なのに(4~6月期プラス4.7%となっています)、ミスマッチが半端ありません。
韓国でも100万ニュースが話題になっていますが、こちらは「人」で、各メディアは「自営業者」と報じています。詳しくは、2023年に廃業した自営業者・小商工人」が100万人だった、とのことでして。小商工人とは、常時勤労者5人未満(製造業など一部業種では10人未満)のことです。廃業数は、詳しくは98万6000人ですが、廃業したとちゃんと届け出た人だけの数字なので、実際はずっと多いのではないかと思われます。こちらは中央日報など多くのメディアが報じており、記事は「今年はもっとむずかしい」としています。不景気、金利高、新型コロナ対策として支援されていた分がなくなったこともあって、2003年から関連データを作成して以来、もっとも多くの数字だそうです。以下、両メディアの記事、<<~>>で引用してみます。
<<・・きょう発表された中国の4月から6月までのGDP=国内総生産の成長率は減速傾向でした。閉店した店は今年上半期だけで既に100万店を超え、若者が高齢者用の食堂に集まる事態となっています・・・・(※消費者の節約志向が強くなっているという内容のあと)「こちらの高齢者食堂ですが、中には若い人の姿もあります」。地域の高齢者に安く栄養価の高い食事を提供する「高齢者食堂」。かつては高齢者ばかりが利用していましたが、最近、若者の姿が目立つようになりました。「値段がちょうどいいし、ランチをすぐ済ませられるし、おいしいよ。将来に期待を持てないので節約しています」(TBS)・・>>
<<・・昨年廃業申告した自営業者・小商工人(※題では「廃業自営業者」となっていますが)が最多を記録した。高金利・高物価が続いて自営業者・小商工人の困難が大きくなった影響だ。15日、国税庁国税統計によると、昨年、事業を畳み廃業申告した個人・法人事業者は98万6487人と集計された。2006年関連統計集計以来最多記録だ。前年比増加幅も11万9195人で、やはり最も多い。廃業者数は2020年から2022年まで80万人台を維持し、昨年100万人に迫るほど急増した。事由は「事業不振」が48万2183人で最も多かった・・
・・業種別には小売業廃業(27万6535人)、サービス業(21万7821人)、飲食業(15万8279人)の順で多かった。いずれも内需と直接関連した業種だ。不動産賃貸業(9万4330人)と建設業(4万8608人)など昨年景気が良くなかった不動産関連廃業も多かった。廃業が増えたのは、高金利・高物価の流れと内需不振の長期化に伴う小商工人・自営業者の困難が大きくなったためだ。ここに、新型コロナ関連政府支援金がなくなり、潜在した廃業申告も一部増えた影響まである。今年も閉業は多くなる見通しだ。依然として食品・宿泊業、卸小売業などを中心に内需回復が遅れるからだ。統計庁によると、今年1~5月の小売販売額指数は前年比2.3%減少した。金融危機当時の2009年以来15年ぶりに最大の下げ幅だ(中央日報)・・>>
この中国の「高齢者食堂」というもの、韓国で言う「無料給食所(主にホームレスや余裕のない高齢者たちに食事を提供する民間施設)」と趣旨は似ているものだと思われますが、6月21日、ほぼ同じ内容を紹介したことがあります。実際に無料給食所で奉仕活動をしているオーマイニュース(2月14日)の市民記者が書いた内容ですが、「ホームレスと一人暮らしの高齢者のための施設なのに、そうでもない若い人たちがよく来るようになった」とのことでして。記事は「肉の入ったおかずだけ5回以上『たくさんくれ』と要請して食べている、その施設の趣旨からして明らかに若い人の話、「本当のホームレスの人は20%にもならないでしょう」、「それだけだと思いますか?最近、若い人たちもかなり来ています」という話、などなどです。
どこの国も最近「景気が良い」とは聞かなくなったものの、やはり『自営業者』から影響が来るのでしょうか。引用はしていませんが、最近『人を雇用しない自営業(韓国では「一人社長様」とよく言います)』が増え、また、廃業する自営業者の中にも「一人社長様」が多いとのことでして。人を減らしてなんとかしようとしていた自営業者たちが、結局はたおれた・・といったところでしょうか。
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