歯科(元)のこのこのここしたんたん・・すみませんなんでもありません。このこのと何度も取り上げましたが、韓国では「日本の半導体関連」記事が無数に出ています。最近はちょっと収まっていますが、日本の信越化学が56年ぶりに国内に工場を作るとか、米国と日本が次世代パッケージング連合体US-JOINTコンソシアムを構成し、日本の素材関連企業が多数参加したとか、そんな記事がまだまだ目立ちます。日本メディアの関連記事を出していますが、数というか、勢いというか・・そんな面においては、日本よりも韓国メディアのほうが記事を積極的に出している(意図はともかくして)、そんな感じです。
ソウル新聞(ソース記事もここですが別記事)の記事によると、半導体素材の中でも主要素材とされる6品目において、日本の世界シェアは50%におよぶとのことで、基本的に「国内企業はなにをやっているのか」という趣旨です。そんな中、例の輸出関連措置が解除されてから、日本からのソ・ブ・ジャン(素材・部品・装備のこと)輸入が大幅に増えた、という記事がありました。同じくソウル新聞です。輸出関連措置があったことをもうわすれたのか、このままではいけない、国産化や新しい輸入先の開拓でやっと輸入が減っていたのに、これはどういうことだ、とんな趣旨です。うーん・・どうでしょう。この部分、ちょっとツッコみたいと思いますが、まず<<~>>で引用してみます。
<<・・(※2019年)当時、政府は「ピンチをチャンス機会に変えた」と自評した。しかし、昨年3月に日本側の措置が解除された後、現場は関連産業の重要性をわすれているのではないか、という声が出ている。15日、関税庁とソブジャン・ネットによると、日本から輸入したソブジャンは2018年381億ドルから2019年329億ドルに減ったが、その後着実に上昇、解除前の2022年には395億ドルで最大を記録した。昨年の輸入額は144億ドルで前年度比急減したが、今年に入って今年4月までに全体産業、ソブジャン産業貿易が黒字であるのに対し、対日貿易は依然として赤字である・・
・・国産化の成功事例に挙げられたフッ化水素は最近、むしろ日本からの輸入が増える傾向だ。韓国貿易協会によると日本産フッ化水素輸入金額は2019年(3634万ドル)と2020年(938万ドル)で、それぞれ前年度比45.7%、74.2%ずつ減少したが、2021年には33.5%増の1252万ドルを記録し、昨年には2201万ドルで前年度比165.0%増えたことが分かった。今年に入って5月までは1191万ドルで、昨年同期間比48.3%急増した状況だ。中国、台湾などで輸入先を増やし、一部国産化に成功し、日本の輸入比重が減ったが、関連措置が解除されてからは、フッ化水素純度を最大化できる先端精製技術を保有したステラケミファ、森田化学など日本企業からの輸入が再び高まっている(ソウル新聞)・・>>
ちなみに、素材部品装備で全体では黒字だと言っていますが、これはサムスン電子のメモリー輸出などが関連項目として集計されているからです。なんか、どうしても「前の政権はよかったのに」記事に見えてしまいますが・・どうでしょうか。まず、例の輸出関連措置というのは『厳重にやる』というものであり、米国が中国に対して行っているような措置とは異なるものだった点を考慮すべきでしょう。その部分については、この記事に『『『も』』』ぜんぜん言及されていません。個人的には、それでもあの措置の解除はいまだ残念ですが。
次に国産化ですが、それ本当に実用できる国産化だったのでしょうか。個人的に、本当に国産化できたなら、いまごろ結構シェアを取っているはずなのに、と思っていますが。次に、新しい輸入先と言っていますが、これもちょっとどうかな、と。2021年8月2日イーデイリーというメディアが日経新聞の記事を引用した記事によると、2019年7月以降、ベルギー産フォトレジスト輸入額が10倍も増え、韓国側は「日本からの輸入依存が2年ぶりに50%以下になった」と話していますが、実はそのベルギーのフォトレジストというものが、日本のJSRの子会社のものです。結局、日本の製品を購入していることに変わりはななった、というオチです。
次に・・・次にと言いつつ結構書いていますが、データを比べるとき、去年と今年を比べるのは、単に産業界そのものの問題ではないのか、と。最近、特に去年は半導体不況で、関連企業が営業赤字になることも多かったので、普通に輸入が少なかっただけではないでしょうか(だからよけい増えたように見える)。いわば、もとに戻っただけではないのか、と。そういえば、文在寅政権のとき、政府の補助金を目当てにして、急に半導体ソブジャン企業に「変身」した企業も多く、「営業利益で債務の利子も返済できない」企業が急増した一因になったという話も紹介したことがあります。そんな企業でも、少しでもどこかに納品できたなら統計の「輸入」を減らすことにはなっていたかもしれません。しれませんというか、しりませんけど。
本エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において『本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。
・皆様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・準新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・既刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・詳しい説明は、固定エントリーをお読みください。・本当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。