韓国版「氷河期世代」到来か・・15歳~29歳「卒業後就職していない」29.5%

数ヶ月前、中国で民間専門家が「実際は、青年の約半分は就職できていない」とする趣旨のデータを出して、海外のメディアでも結構話題になっていました。同じく、公式の青年失業率への疑問は、韓国でも結構前から提起されてきました。公式では、時期にもよりますが5%前後で、いまは約6%とされています。しかし、「4人の1人は仕事をしていない」という指摘が相次ぎました。それから様々な形で、『非公式なのはわかっているけど、このようなやり方で失業率を出してみたらどうだろうか』な試しか何度かありましたが、その中でも、去年8月に朝鮮日報に載っていたデータは、個人的に興味深いものでした。韓国のネットでも、一部ではありますが「これぞ真の失業率調査ではないのか」という話もありました。

覚えておられる方もいるでしょうけど、それは『卒業生の就職』で調べるやり方です。ここでいう卒業とは、中退、修了などをすべて含みます。この場合の青年というのは15歳~29歳ですが、学校に通っている人(在学中)、または何かの理由で休学している人たちはおいといて、「卒業」した人と、彼らの就職データを見ると、『実際に近い感覚の、就職した人の割合』がわかる、という趣旨です。今年は「毎日経済」が複数の記事を出しています。さて、結論から書きますと、在学・休学以外の15歳~29歳は436万7000人で、その中で就業していない人は約129万人でした。%でみると、約29.5%です。

 

ちなみに、こういうデータで兵役は集計しないのが普通ですが、ソース記事には明記されていません。このデータで兵役をカウントしているのかどうか分かりませんが、大学進学率が70~80%に及ぶことを考えると(基本的に兵役は大学卒業前、休学の形で行います)、影響は限定的だと言えるでしょう。去年は、27.9%でした(これ、去年9月4日に本ブログでも取り上げました)。2023年8月27日統計庁発表では、15~29歳の青年層人口841万6000人のうち、最終学校の卒業者(中退を含む)は452万1000人で、その中の126万1000人が未就職状態。約27.9%でした。彼らの半分以上は、最終学歴が大卒だった、とも。今年はどうなっているのか、以下、毎日経済から<<~>>で引用してみます。

 

<<・・16日、統計庁が発表した「経済活動人口青年層付加調査結果」によると、今年15~29歳の青年層人口817万3000人のうち、在学・休学生以外の「最終学校の卒業者」は436万7000人と集計された。学校を卒業しても未就職状態の青年は129万人に達した。1年前より2万9000人増えた。一方、卒業後、就業者(307万7000人)は、同期間18万4000人減少した。3年以上就職していない青年も23万8000人に達した・・・・就職の意志が弱い場合も多かった。未就労卒業者のうち37.8%は就職試験の準備をしていたが、ただ自宅で時間だけ過ごしているという人も24.7%と高かった・・

・・青年たちが初めて就職するまでにかかった期間は、1年前の調査の際に比べて1.1ヶ月増えた11.5ヶ月となった。関連統計を作成した2004年以降、最も長かった。初めて就職できるまで3年以上かかる人も9.7%に達した。やっと就職できても、満足できない場合も多かった。就職目の高さと実際の雇用条件の間にミスマッチング現象がひどくなったためだ。青年たちが最初の雇用をやめた理由としては、保守・労働時間をはじめとする労働条件に対する指摘が45.5%で最も多かった(毎日経済)・・>>

 

「条件」といえばそれっぽいですが、実は「私にはふさわしくない」という考えの結果です。実際、そこまでやってやっと就職できても、15歳~29歳の平均勤続期間は1年7ヶ月です。これは毎日経済の別記事で確認できますが、去年の朝鮮日報の記事でも、1年7ヶ月となっていました。また、「卒業後就職経験のある15~29歳」376万5000人のうち、「離職経験者」は247万2000人で、65.7%が、やっと手にいれば仕事場を離れました。これらすべてが「自発的なもの」ではないでしょうけど。一部のメディアは、このような状況で「失われた『世代』」ができてしまうと指摘しています。

 

 

おかげさまで、新刊「Z世代の闇 物質主義に支配される韓国の若者たち」(扶桑社)が発売中です(2024年5月2日、アマゾン発売日)。詳しくは、下記のお知らせをお読みください。ありがとうございます
・以下、コメント・拙著のご紹介・お知らせなどです
エントリーにコメントをされる方、またはコメントを読まれる方は、こちらのコメントページをご利用ください。以下、拙著のご紹介において本の題の部分』はアマゾン・アソシエイトですので、ご注意ください。

   ・様のおかげで、こうして拙著のご紹介ができること、本当に誇りに思います。ありがとうございます。まず、最新刊(2024年5月2日)<Z世代の闇>です。いまの韓国の20代、30代は、どのような世界観の中を生きているのか。前の世代から、なにが受け継がれたのか。そんな考察の本です。・新刊(2023年12月21日)、<韓国の絶望、日本の希望(扶桑社新書)>も発売中です。「私たち」と「それ以外」、様々な形で出来上がった社会の壁に関する話で、特に合計出生率関連の話が多目になっています。・刊として、<韓国人として生まれ、日本人として生きる>(2023年7月29日)も発売中です。2023年、まさに心願成就、帰化できました。その際の、自分なりの持論に関する本です。・しい説明は、固定エントリーをお読みください。・当にありがとうございます。書きたいことが書けて、私は幸せ者です。それでは、またお会いできますように。最後の行まで読んでくださってありがとうございます。