VOA「韓国の核武装論についてどう思いますか」 米国防部関係者「NPTというものがあります」

韓国では、核武装論、またはそれに似た話が不定期に提起されています。政府公式見解ではありませんが、大統領が話したことはあります。統一研究院という政府傘下機関がアンケートを取ってみると、国民の60~70%は賛成するというデータもあります(ここの調査は、なぜか政権によって異なる結果になるという話もありますが)。現政権になってからは特にそうで、そもそもユン大統領は候補だった頃、米軍が戦術核を再び配備するようにすると話していました。戦術核は、前は朝鮮半島に配備されていましたが、それから撤収しました。政権初期、バイデン大統領との共同声明にすぐにでもこの話が出るだろうという話もありましたが、実現はしていません。

去年4月には、ユン大統領が訪米中に、大統領室が「米国と事実上の核共有実現」という趣旨を公式プリーフィングで話し、大きな話題になりました。ただ、大統領室の発表をよく読んでみると、「事実上の核共有」、「核共有だと感じられるだろう(直訳です)」でした。各メディアや与党、大統領室は「事実上の核共有!」と盛り上がりましたが、まだユン大統領が訪米中の27日(現地時間)、ワシントン国務省で開かれた米韓首脳会談関連の特派員懇談会で、 エド・ケーガン米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)東アジア・オセアニア担当選任局長は「韓国政府はワシントン宣言を『事実上の核共有』と説明しているが、それに同意しますか」という質問を受け、「はっきり言いたいと思う。私たちはワシントン宣言を『事実上の核共有』とは見ていない」と話しました。

 

すると、その次の日、現地時間で28日、ユン大統領が「その気になれば、私たちは1年で核武装できる」と話しました。ハーバード大での演説の後、懇談会でのことです。核開発は自分の意見ではなく「そんな世論がある」としていたものの、大統領自ら発言したのは、異例のことでした。それからも、米国や韓国のシンクタンクは、韓国の核武装を支持するような意見を出すこともあり(米国の場合は韓国というより「日本と韓国」のほうが多いですが)、それらを根拠に与党からは核武装の話が、出ては消え、出ては消えたりしました。そして、最近また盛り上がって、VOA(ボイス・オブ・アメリカ)がこの件を米国防部のヴィピン・ナラン次官補代行にこの件について見解を問いました。韓国ではプレシアンが報じていますが、大手は記事を出していません。彼は、「核の傘」について協議するための米韓核協議グループの首席代表でもあります。以下、<<~>>で彼の見解を引用してみます。

 

<<・・与党の一部で韓国の核武装論が出てくる中、ジョテヨル外交部長官は、政府としては核武装する立場ではないと明らかにした。米国国防部当局者は、韓国が核を開発する場合、国際的に問題になるだろうというダイレクトなメッセージを出した。17日、国会で開かれた外交統一委員会に出席したジョテヨル長官は、核武装に対して政府はどう思うのかという共に民主党国会議員の質問に、「『拡大抑止』を強化することが現実的な案」とし「政府は核武装の立場ではない」と答えた。この日、「国民の力」のキムギヒョン議員、インヨハン議員は核武装が必要だと主張した。キム議員は「核開発に対する世論調査によると、核開発が必要だという意見が73%だった」と話し、イン議員は「北朝鮮が核を保有しているので、私たちも持っていなければならない」と話した・・

 

・・17日、ボイス・オブ・アメリカとインタビューしたヴィピン・ナラン アメリカ国防部宇宙政策次官報は、統一研究院の調査結果、韓国国民の70%が核兵器を望み、韓国与党の重鎮議員たちも核開発を主張しているが、こうした核武装要求にどのように対応する計画なのかという質問に、世論調査は回答者に正確な質問をしなければならないと答えた。彼は「きちんとした質問は、次のようになるだろう」とし、「核兵器の追求がNPTにおいて問題であり、おそらく制裁を受けることになるだろう。それでも核開発を支持しますか、そう質問すべきだ」と話した。次官報は「核兵器追求の結果を知ると、これに対する支持も急落するだろうと思う」とし「非拡散義務を履行し、米国から拡大抑止を保障されることが、韓国の安保に最善だというのが米国政府の立場だ」と話した・・

・・一方、11日(現地時刻)北大西洋条約機構(NATO)首脳会議をきっかけに開催された米韓首脳会談で採択された「米韓朝鮮島核抑止作戦指針に関する共同声明」と関連、ユン大統領は16日国務会議で「有事の際でも平時でも、米国は朝鮮半島任務のために核資産を特別配分する」と明らかにしたが、特定の核戦略潜水艦(SSBN)が朝鮮半島だけ監視するのかという質問に、次官補は「そうではない」と答えた。彼は「明らかに申し上げたいが、それが意味するのは韓国に対する核攻撃や戦略的攻撃があった場合、すべての状況において核戦力を使用できるよう約束するということだ」とし「私たちの体系では、特定の任務や目標に特定の武器を割り当てたりはしない」と話し、ユン大統領とは異なる認識を見せた(プレシアン)・・>>

 

引用部分にはありませんが、ヴィピン・ナラン次官補は「スマホや自動車が売れなくなるだろう」とも話しています。というか、野党側は『韓国の』核開発には賛成しないでしょうし、いろいろむずかしいのでは・・な気もします。で、それはともかく・・いつもの告知ですが、今日の更新はこれだけです。次の更新は、明日(19日)11時ころになります。

 

 

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