昨日、韓国の高企業「韓国水力原子力」が、チェコが建設予定の原発の優先協商対象者(※優先交渉権者)に選ばれたというニュースがありました。多くの話題(※ネタ)を提供したあのUAE原発から、15年ぶりだそうです。あれがもう15年前か・・そういえば、最初は「30代」と自分を紹介していたな・・と懐かしいかぎりですが、本題はそこではなく・・ユン大統領および多くのメディアが「ジャックポット」と報じている中、ハンギョレ新聞によると、「こちらが提示した価格、これでは安すぎる」などの問題を提起されています。価格単価が、原発関連では大国とされるフランスの半分で、中国より安いとのことでして。記事の題には「マイナスになるかも」とも。
ハンギョレ新聞かオーマイニュースあたりでこういう話が出てくるだろうなとは思っていましたが、記事内容は普通で、エネルギー関連大学教授の説明付きで具体的に価格や単価などにも言及しています。また、(韓国側が)追加金融支援なども行うことにしていること、15年で完成させると約束したのに、60%以上の労働者をチェコで雇用することにしたことmなどなども。ヨーロッパは勤務時間関連できびしく、週40時間までだそうで、この条件だと工事期間を守るのが果たして可能なのか、という話です。金融支援はいつものことですが。また、この原発に使われた技術のことで、米国企業とのトラブルがあって、まだ解決されてもいないのに、同じ技術の原発をまた作ることになったという点も指摘されています。以下、<<~>>で引用してみます。
<<・・産業通商資源部は、チェコ・ドゥコバーニ地域に1000メガワット級新規大型原発2基を建てる契約が成立した場合、24兆ウォンの受注実績を取ることができると強調している。しかし専門家たちは、韓国側が約束した「60%以上現地企業参加と現地労働力優先雇用、追加金融支援条件」などを考慮すれば、購買者の立場が優位にされる原発受注市場の特性もあって、実際に韓国水力原子力が手にする利益は大きくないと評価した。パクジョンウン東国大エネルギー電気工学科教授は、「私たちよりはるかに海外原発建設経験の多いフランスより、建設単価が半分以上も低く、中国よりも単価が低いということは、価格競争力というより(※政府側はこれを価格競争で勝ったとしています)、安い価格建てて、返ってくる利益が少ないといったほうがいいだろう」とし「現在チェコ政府が60億ユーロの原発事業費を決定しただけで、残った費用調達計画は不確実な状況であり、以後価格交渉過程で当初韓水原が予想した契約金額より減る余地が大きい」と言った・・
・・特に、韓国がフランス電力公社(EDF)と競争で優位を占めた要因と評価される「定められた予算内の適期施工」の約束と関連して、イホンソク、エネルギー行動政策委員は「欧州の高い原発規制と厳しい労働時間規定のため、約束履行は難しいかもしれない」と見ていた。優先的に雇用することを約束したチェコ労働者の法的勤務時間は週40時間で韓国より短く、工事遅延の可能性が高い。彼は「15年という長い工事期間中、工事遅延と建設・人件費が変動する変数が山積みだ」と説明した・・
・・米国のウェスティングハウスと知識財産権の葛藤があるのも、解決すべき宿題として残っている。ウェスティングハウスが「韓水原がチェコに建設しようとする原発技術は、自社技術を活用したもの」と対応を予告している状態であり、これと関連してパクジョンウン教授は「チェコに建設しようとする1000メガワット級は最近、韓水原技術で改良した1400メガワット級韓国型原発よりも、知識財産権にひっかかる可能性が高い」と話した。これに関して韓国水力原子力側は「ウェスティングハウスと該当事案を調律中にある」とだけ話した(ハンギョレ新聞)・・>>
ここからは引用ではありませんが、そもそもチェコは電力関連事情が特殊で、原発建設がこのまま進行されるのかどうかわからないという意見もあります。さすがにキャンセルはないだろうと思いますが・・一応、ソククァンフン「エネルギー転換フォーラム」専門委員など一部の専門家が、「こういう可能性もある」と指摘しています。現在、チェコの年間電力使用量は約81TWh。すでに原発(6期)の比重が41%にもなる状況で、原発4基を増やす必要性があるのかどうか、と。チェコでは1年間で約440時間以上、「電力卸売価格が0になる」特徴があり、いまヨーロッパで力を注いでいる再生エネルギーと新規の原発を同時に進めることができるのか、その必要があるのか、というのです。委員は、ポーランドやイギリスなどで原発建設を計画し、中断することが繰り返されているのも、似たような事情だとしています。
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