韓国の大統領夫人、検察から聴取・・大統領夫人として4人目(事実上5人目)、現職としては初めて

韓国では大統領夫人のことを「ヨンブイン(令夫人)」と言います。詳しくは「特に優れた夫人」という意味ですが、大統領夫人以外にはこの言葉はあまり使いません。そういえば、令和という年号が決まったとき、「令」の字を問題にする人たちがいましたが、「韓国でも令夫人と言う」という情報が知られてから、一気にそんな話が収まったことを記憶しています。気のせいかもしれません、はい。で、本題はここからですが・・ユン大統領の奥様、金建希(キムゴンヒ)氏が、非公開検察調査を受けました。

ドイチモーターズという会社の株価操作関連と、知人から名品(高価ブランド)バッグを受け取った、などの疑惑です。確かに、ちょっと問題があったのも事実ではあります。キムゴンヒ氏というよりはユン大統領のミスだったというのもありますが・・もっと早い時期に検察調査に応じればよかったのではないか、などです。また、バッグを受け取りながら(相手はかなりの『親北』で問題視される人でした)南北対話関連で、大統領と話せる場を用意できる日があるかもしれない・・などの趣旨を話したという報道がありますが、それが事実なら、明らかに大統領夫人として話すべきことではないでしょう。

 

しかし、だからといってバッグ受け取った件に検察まで動くかよ・・というのが率直な感想です。株価関連ならわかりますけど。ここまで読んで、「あ、ついに調査に応じたか」と思いましたが、今朝、また別の件で盛り上がっています。検察は20日、「ソウル市内の政府関連施設」すなわち検察庁ではなく別の場所で聴取を行ったとしていますが、それが、検察総長には報告がなかった、ほぼ調査が終わったときに報告を受けた、事実上の事後報告だったとのことでして。普通、検察総長に報告なしにこんな大きな件が動くことはありません。超・簡略に書きますと、『親』ユン大統領な人たちを事前に検察側に埋め込んでおいて(人事をそう行い)、彼らだけが本件に関わるようにしたのではないか、検察総長はその枠に入らなかったのではないか、そんなところです。

このイ総長は、「調査に『聖域』があってはならない」とし、大検察庁にキム女史を呼び出す形にすべきだと主張してきました。検察はユン大統領支持層が厚いと思っていましたが、検察もまた一枚岩ではないといったところでしょうか。検察総長は各メディアとのインタビューに応じましたが、一部の記事は「かなり怒りをあらわにしていた」と書いています。韓国では検察庁を「大検察庁」「高等検察庁」などに分けますが、大検察庁では事前に報告を受けた人が1人もいない、とMBCは報じています。前もってソウル中央地方検察庁に「親尹」を総長としておいたのも、実はこのためではないのか、と。<<~>>で引用してみます。

 

<<・・大検察庁の関係者は「キム女史調査過程についてイウォンソク検察総長はもちろん、大検察庁幹部の誰も報告を受けなかった」と話しました。この関係者はまた「キム夫人の調査が終わる頃に、ソウル中央地検がこの事実を大検察庁に事後通知してきた」と説明しました。続いて「イウォンソク検察総長はこのような状況に深く戸惑っている」と話し、去就に関する問題などかなり影響があるのではとも予想されていました・・・・これに先立ち5月、「親尹」とされるイチャンスソウル中央地検長が電撃任命され、キム女史の件を調べてきた次長レベルの検事が全員交代された時も、検察人事においてイ総長の意見が反映されなかったという論議が起こりました。当時、イ総長は「検察人事は、総長と事前に話し合ったものものか」との質問に、7秒間沈黙してから「それについてはなにも申し上げられない」と話したことがあります(MBC)・・>>

 

で、「現職の大統領夫人」が検察に呼ばれて調査を受けたのは今回が初めてですが、「前職」となると別にめずらしいことでもありません。ここからは京郷新聞ですが、大統領夫人として初めて検察調査を受けた人は、イスンジャ女史(全斗煥大統領)でした。全大統領の裏資金管理にかかわったのかどうか、でした。キムオクスク女史(盧泰愚大統領)も裏資金介入関連でしたが、参考人でした。クォンヤンスク女史(盧武鉉大統領)も同じ理由で検察調査を受けました。当時、検察は前大統領夫人に対する礼遇として、女史をソウルに召喚せず、担当検事2人を釜山地検に派遣して調査しました。キムユンオク女史(李明博大統領)も検察の捜査対象になっていましたが、最後まで調査に応じなかった、とのことです。で、今回のキム女史が4人目、見方によっては5人目。選挙が今の制度(国民直接投票)になったのが盧泰愚大統領からです。そこから数えて、ユン大統領まで8人。その中の4人が検察調査対象、3人が実際に調査を受けたことになります(朴槿恵大統領はともかくして)。

 

 

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