韓国メディア『銀行の利益だけ増える』と懸念・・銀行とはどういう存在なのか

個人的に、ユン政権の金利対策は、「王命(勅命?)」です。口頭介入で、銀行側に圧力をかけることです。前の政権も似たようなものだったとは思いますが、現政権になってから、メディアの記事などで特に目立っています。政府当局が銀行側の人たちを集めて「いろいろあって基準金利が上がったけど、だからって銀行がローン金利を上げると庶民のためになりませんよね」と話す・・そんなシチュエーションのことです。2023年には、ユン大統領自ら、「銀行は公共財だ」とか、「銀行ばかりパーティーをやっている」などと話したりしました。

それからも、新型コロナ期間中に続いた自営業者対策なども『金融機関が本人とうまく話してなんとかして』という解決策を出したり、政府傘下機関の保証があるとはいえ、各銀行に『共に生きる』を強調する低金利ローンを促したりしました。こういう政策が出てくるのは、国民が同じことを考えているからです。『金利負担が増えたのは、銀行が金利を上げたからだ』『金利が上がって、銀行ばかり得をしている』などです。「銀行のせいだ」としながら、その銀行に「なのになんで配慮しないのか(お金を貸してくれないのか)」を言う。どっかの隣国との関係で見たことがあるような構図です。

 

でも、家計債務がまた増えると、今度は銀行に『なんでそんなに貸すのか』と圧力をかけます。じゃ、銀行は貸すハードルを上げたり、普通の(高い)金利で応じるしかありません。そこで、クッキーニュースというメディアにこんな記事がありました。「いいかげんな政策によって、銀行の収益ばかり増えるのではないか」、と。心配するのはいいとしても、心配する部分はそこではないでしょうに。そもそも収益が確保できるから仕事をしているわけでして。最近、第3金融圏(貸金業者)と第2金融圏の一部(特に貯蓄銀行)が新規ローンをほぼ中断していますが、それも結局は回収リスクまで考えて、貸しても得られるものがないと判断したからです。結局、こまるのは借りたほうになります。どうせ、すぐまたどこかから借りて前の分を返す、そういうのが『当然』になっていますから。人の立場(地位?)にもよりますけど。というか、借りたから仕方ないという考えは見つけることができません。以下、<<~>>で引用してみます。

 

<<・・(※題)「金利介入、家計債務対策で銀行だけ得をするのではないか」金融当局の家計債務調整要求に銀行が人為的にローン金利を上げている。だが、ローン抑制効果が大きくないだけでなく、銀行の預金・貸出の金利差による収益だけ上げているという指摘が出ている・・・・銀行が再び金利調整をする理由は、当局で家計融資管理を注文したためだ。5大銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協)の6月の家計貸出残高は前月より5兆3415億ウォン増えた。2021年7月(6兆2000億ウォン増加)以後、2年11ヶ月ぶりに最大の増加幅だ。金融監督院は3日、国内銀行の副銀行長を呼び「家計融資を無理に拡大することは望ましくない」と話し、15日から現場点検に乗り出し、そのレベルを高めている・・

 

・・問題は、銀行がいくらローンのハードルを高めても、火がついた不動産市場を抑えられるには力不足だという点だ。5大市中銀行住宅担保ローン残高は17基準で555兆7123億ウォンと集計された。先月末552兆1526億ウォンから今月に入ってだけ3兆5597億ウォン増えたけだ・・・・政府がチェサンモク副首相兼企画財政部長官の主催で「第7次不動産関係長官会議」を開いたものの、短期供給拡大策がなく、意味はなかったという批判が出ている状況だ。銀行側のある関係者は「不動産市場が生き残り、融資需要が急速に大きくなっている状況で、銀行を圧迫して融資金利を高める供給側での制御は効果に限界がある」と話した・・

 

・・銀行は、預金・貸出の金利差で収益を増やす良い機会をつかむことになった。ローンから発生する利息収入から預金金利から出た支出を差し引いた、銀行利子収益の源泉である。当局の容認の下、貸出金利だけが高くなっていくからだ・・・・今年、銀行が再び最高値の純益を出せば、当局の責任論が提起されるだろうという批判も出ている。政府が事実上、銀行が利子収益を高める環境を造成してくれたためだ。高金利が持続し、国内銀行が利子で稼いだ利子純益規模は昨年32兆2000億ウォンで、2010年以降最大水準を記録した(クッキーニュース)・・>>

昨日紹介したLK-117で関連企業の株価が上がったという話もそうですが、今の時点で住宅購入がここまで増える理由がわかりません。ほとんどは値上がりを見込んでのものでしょうに。まずはそこから「心配」すべきではないのか・・そんな気がしますが。ある意味、19日に紹介した「金融ハブ」関連の内容とも、つながっていると言えるでしょう。

 

 

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