韓国メディア「例の『チキン屋』フレーズが、今の状況と一脈相通ずる」

日本でも放送かなにかで紹介されて、ちょっとした象徴的なワードになりましたが、チキンジップ(屋)という言葉があります。韓国の自営業は、これといったノウハウ無しに退職後にすぐ開業したものが多く、なにかヒットしたとなると同じ業種が急増したりしますが、似たような理由で急激に増え、「世界中のマクドナルド店舗数より多い」とまで言われているのが、あのチキン屋です。最近は、また同じ理由でコーヒーショップが増えていると聞きますが、ある記事で「コーヒーショップなら、機械がやるから誰にもできる」という話が載っていて、びっくりしたことがあります。

フライドチキンが基本でしたが、なんか最近はいろいろ種類があるようですが・・それはともかく。1970年代から「トンダク(韓国式ローストチキンのようなもの)」と「ダクティギム(鶏を揚げたという意味)」は憧れのメニューだったので、そういう昔の憧れがまだ残っているのかもしれません。最近は、チキンも利益率が少なくなり、配達料の引き上げなどもあって(韓国ではチキンはピザのように配達が基本です)、最近は儲からなくなったとも聞きますが・・それでも、まだまだある種のシンボル(ちょっとおもわしくない意味で)にはなっています。今日紹介するのはヘラルド経済の記事(7月23日)は、久しぶりにチキンジップという単語を取り上げ、自営業者たちの現状をまとめています。ある有名なフレーズが、今の状況よ一脈通ずる、とのことでして。

 

記事でもっとも目に付くのは、「一時、流行っていたフレーズ」として紹介されている、「私たちには2つの選択がある。卒業してすぐチキン屋を始めるか、就職してからチキン屋を始めるかだ」です。これ、いくつかバリエーションがあったと思いますが・・どうせチキン屋をやることになるという意味は共通しています。というか、「一時」と言っていいかどうか。記事は、「ちゃんとした準備もせずにとりあえず店を始める人が多すぎるのが問題」としています。これ、本ブログでも旧ブログの頃からずっと取り上げた内容でもあります。45歳~50歳の間に退職することになるし、年金制度などもまだ弱いので、債務、または退職金など全財産を使って店をやるしかない、と。今回は収入が少ないとかそんなデータよち、「現状」関連のデータをメインに、キチンと紹介します。ただ、いつものことですが解決策はこれといって書いてなく、途中で終わる感じの記事でもあります。以下、<<~>>が引用です。

 

<<・・韓国経済活動人口の4人の1人は、いわゆる社長様(自営業者・小商工人)だ。そして、その3人のうちの1人は赤字で運営している。(※これだけでも)国民7~8%が赤字で仕事をしているという意味だ。原因は債務にある。債務で耐えていた新型コロナが過ぎ、高金利時代が到来すると、大きな利子負担が訪れた・・・・しかし専門家たちは、それよりも自営業構造の改革のための根本的なアプローチが必要だと指摘する・・・・市場から人を助けることも重要だが、その前に、むやみに飛び込まないようにする構造を作らなければならないという話だ・・

 

・・実際、専門家たちは就職できず、創業に乗り出して失敗することがないように、就職支援を強化しながらも、創業に飛び込む人たちには十分な教育を提供して閉業率を減らす道を探さなければならないと主張してきた。現場で出会った自営業者も同様で、彼らはこれから金利が下がり物価が低くなっても、状況がよくはならないだろうという事実を体感していた。しかし、限界に追い込まれた人々でもも、廃業だけは容易に決定できないでいた・・・・数多の失敗を生み出した自営業市場の体質を変えなければならない。構造を変えるのに、経済の「ゴールデンタイム」はあまり残っていない・・

・・「私たちには2つの選択肢があります。卒業してすぐにチキン屋をするか、就職してから(※その仕事をやめて)チキン屋をするのか」。一時ジョークのように流行したフレーズだが、今、我が国が置かれた状況と一脈相通する部分が少なくないのが現実だ。誰もが『生計型創業』市場に飛び込み、経済活動人口4人のうち1人が自営業をしている、私たちはいわゆる「自営業共和国」だ。問題は、このような構造が新型コロナのような外部からの影響に弱く、経済そのものを揺るがす可能性もあるという点だ・・

 

・・特に韓国の自営業者の場合、外部の衝撃に容易に揺れる特性を有する。賃金勤労ではなく自営業を選ぶ「生計型創業」が高いうえ、少なくない債務で始める「借りて創業」が多い。注目すべき点は、廃業する自営業者が多いにもかかわらず、準備できていない新規自営業者が相次いで登場し、このような構造が繰り返されているという点だ。23日、経済協力開発機構(OECD)と統計庁などによると、2022年末基準で国内労働者2808万9000人のうち、自営業者など非賃金労働者数は658万8000人で、全体の23.5%に達する。これは経済協力開発機構(OECD)加盟国平均15%と比較して9%ポイントほど高い数値だ。先進国に該当する米国(6.6%)、日本(9.6%)、ドイツ(8.7%)などと比べても、多くは4倍近くも高い状況だ・・

・・さらに韓国の自営業創業は、他の国家に比べも「生計型創業」が多い。中小企業中央会が昨年12月に発表した「小商工人経営実態および政策課題の結果」報告書によれば、小商工人の89%が「生計型創業(就業が困難、老後対策など)」に該当することが分かった。卸売・小売業、外食業など一般消費者を対象とした生計型創業の場合、景気変動に強く左右される特性がある(ヘラルド経済)・・>>

 

 

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